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読書感想文的日記を書くことにしよう。

小室直樹を読む

2010-01-13 13:55:38 | 日記
「天皇」の原理を読む
第一章 神に約束された国々・・・・
さて、ユダヤ教について小室はこう語る・・・・
ユダヤの民と神の関係は非常に緊張したものである。
神は民を皆殺しにすることも恩恵を与え救うことも意のまま。
ではユダヤの民は救われるためになにをすべきか。神にお供えをすればいいのか、宝を積めばいいのか、いい行いをすればいいのか・・・こんなことはすべて無駄なのだ。
神は全能の神であるから、人間の持つ宝やいい行いは神にとって何の意味もない。ゴミなのだ!いい行いも自己満足に過ぎないのだ!!
ではどうする・・・その方法は・・・
実に単純明快・・神との契約を守ればいいのだ。
ユダヤ教の律法は神が民に与えた「救い」の条件なのだ。
守れば救われる・・・
守らねば絶滅の運命・・・なんと緊張感あふれる関係であることか。
その事をデモンストレートしている書が旧約聖書「出エジプト」だそうだ。
エジプトでユダヤ民は奴隷とされていた。そこへ神がかったモーゼがユダヤ民をエジプトから脱出させる。あらゆる困難もなんのその、そのつど神が恩恵を与えエジプト軍を海ん中へ叩き込んだり、腹が減ったと騒ぐと空から肉を降らせたりパンを降らせたり、至れり尽くせり。
ところが民は恩知らずなもので、あろうことか偶像崇拝をしでかした。さあ神の怒った事怒った事・・・おまえら皆殺しだ・・・
ところがそうはならなかった。モーゼがとりなした。必死になって神にこういった「民をここで皆殺しにするために、エジプトから連れ出したのか・・」「ここは今一度民にチャンスを与えるべきだ・・・」
神様反省したのか、戒めを10か条与え「これを守れば赦す」。
これぞ有名な十戒物語。

ユダヤ教の要点・・・神と民とは契約で結ばれ、神は何でも出来る。何もしないことも出来る。その意思は民と無縁。どんなにお祈りしようが、豪華なお供えをしようがそんな事無視。
ただ単に、民は神との契約を守るだけで「恩恵と救い」が与えられる。

実に明快な教えです。
そして、ユダヤ教の教えをこのようにスパッと解説する小室直樹もたいしたものです。
ここまでが第一章で次は第二章「個人救済と集団救済」を読みます。