エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

白老滝・白老川~三重ノ沢~砥石沢 沢巡り

2014年08月13日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
面白さ★★★の沢巡り・・・
白老滝・白老川~三重の沢~砥石沢
■ 山 行 日    2014年8月13日(水)   日帰り
■ ル ー ト     大石橋~白老滝~三重の沢~林道~砥石沢~大石橋P帯
■ メ ン バ ー     北斗さん、山歩さん、エバ
■ 登 山 形 態    沢登り
■ 地 形 図    1/25000地形図   「徳舜瞥山」
■ コースタイム   周回ルート  約3時間30分
<周回ルート>
道々86号線大石橋駐車帯 7:25
325白老川出合        7:45
白老滝              7:50~55
三重の沢出合         8:53~9:07 休憩
道々橋の下通過        9:30
三重の滝            9:35
425林道出合        10:05
砥石沢出合          10:32
大石橋駐車帯        10:53



「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」山ちゃんのHPからGPSトラックログをお借りし編集しました

★ HYMLルック岳効果・・・(札幌の懇親会)
去る6月17日、HYML札幌ルック岳に登頂した。
えっ?・・と思う方のために、HYML懇親会が札幌市内の居酒屋「ルック」で開催され久々に参加した。
と言い換えた方が分かり易いかも知れない。

この日、懇親会に始めて参加していたのが北斗さんと山歩(やまぽ)さんだった。
初対面でもすぐに打ち解ける会話が止まない不思議な会。
一度参加するときっと誰もが癖になるだろう。
私も2009年の入会以来何度も参加し多くの方々と知り合う機会を得た。
開始から閉店まで時間制限の無い懇親会・・・たらふく酒を飲み、食べ、山談義に華が咲く。
あの日は北斗さんと早々に二次会に行ってしまった記憶が微かによみがえる・・・。
初対面なのにこんなに親しくなれるホント不思議な会だ。

ある日、その北斗さんからメールが届く。
「ganさんが魅了されたという白老川に是非行きたい」「いっしょに行きませんか?」と言うお誘いだった。

こんな嬉しいお誘いを断るエバではない。

そこに丁度お盆休みで空いていた山歩さんが加わり賑やかな遡行になった次第だ。
山歩さんとは先月の「雪盛山遡行」で初めてのパーティーを組み、これが二度目の同行となる。
そして北斗さんとは初めての遡行でもある。

一緒に酒を飲めばもう友だち・・・
ルック岳効果は絶大です。今回はそんな仲間との楽しい遡行でした・・・。


★ 便乗・・・
6:30待合せの場所に少し早く着いたが、北斗さんと山歩さんも同時間に着いて合流。
私の車を駐車帯にデポして北斗さんの車に便乗させてもらう。
私が人の車に乗るのは久しぶりでお尻がムズムズしそうだが遠慮無く楽をさせてもらった。
山歩さんは、下山後直接実家に帰ると言うのでマイカーを自走する。

国道276号線支笏湖~美笛峠を越え三階の滝公園から道々86号線に入る。
この道を走るのは二度目だったが、意外な渓谷美と整備された道路、楽しい各橋の命名や間近に滝も
見る事が出来て単にドライブコースとしても充分楽しめる道と再認識する。
しかし、その下に流れる川が白老川だったというのも地形図を見て知り、どんだけエキサイティングな
沢かもまだ知る由もなかった。

今回は、二つの沢巡りを計画していた。
①は、白老滝をベースにその上流、大星沢~望岳の滝までを往復し、道々に出るルート。
②は、下流域の本流~三重の沢を登り一旦林道に出てから砥石沢を下る手頃な周回ルートだ。
ただ、北斗さんが足にケガをしているらしく無理をしない様子見遡行の探険隊に転じる事になった。

大石橋駐車帯 7:07着
②のルート登山口となる砥石沢に架かる大石橋横の駐車帯に着く。



砥石沢に架かる大石橋とその横の駐車帯に停める

出発 7:25
大石橋を渡って100mほど来た道を戻るときれいに笹刈りされた踏み跡があり辿って行くと小沢に
導かれそのまま本流へ出合った。(出合からピンクのテープが付けられていて迷わずに本流に出る)

本流出合 7:45
支流沢でいきなり白っぽい一枚岩の川床に驚き、テンションが上がってくる。


白老川に出合う支流沢を下る・・(すでに趣きある沢だった)

★ 圧巻の白老滝・・・
白老滝 7:50~55
本流出合からほんの5分でいきなり白老滝の爆音と左岸の断崖絶壁に圧倒される。
目の前に立つと更に両岸の切り立った断崖と奥に見えるもう一つの滝も迫力があって、
取り敢えずこの滝は登らなくてもいい事に安堵する。
実際には三段の滝になっていて合わせた高さは約40m、滝幅は5mと白老町のHPで解説されていた。

沢登りをしない人でも必見の滝で長靴を履いていれば充分に来られる距離と時間なのでお勧めである。



左岸の絶壁に圧倒されながら近づく大滝に早くも感動を覚える・・


両岸に切り立った絶壁がこの滝を一層迫力ある造形美に見せている・・・


白老滝

★ 爪跡・・・
先日の台風11号は大雨をもたらしこの川も例外なく大増水した痕跡があちこちに残っていた。
少なくとも水位は現在より2mは増水していて想像を超えた濁流で流れていたに違いない。
その爪跡として増水した水が両岸に浸かった跡がまだ生々しくゴミや流木もまだ濡れていた。
渡渉も最大で股下まで達し流れもそれなりに早かったので、初心者の山歩さんから目は離せなかった。

しかし、そんな心配をよそに果敢に渡渉する山歩さんだったが心中はいかほどだったろうか?

水が引いた本流の白老川は、左岸の所々に断崖絶壁が迫りゴーロ帯の中に突然と一枚岩の青白い
川床が現れる。小さな瀬でも水はエメラルドグリーンに輝き渓相美に拍車を掛けていた。

読図しながらも三重の沢の出合ではまたピンクのテープが付けられすぐにそれと分かる。



青白い川床に感動しながらの遡行は楽しい・・・


少しの深みもエメラルドに輝く水は澄んでいる・・・




迫力満点、左岸の絶壁・・・


こんな沢が身近な場所にあったんだぁ~と嬉しくなった

★ もう興奮が止まらない・・・
三重の沢出合 8:53~9:07 休憩(朝食)
出合の入口は意外に狭く変化に乏しいゴーロ帯の沢だったがすぐに渓相が変わってくる。
ナメの小滝をいくつか簡単に越えながら三重の滝に出合う事を楽しみに登っていると20分ほどで
三重橋の下を通過した。

そして、5分程ゴーロを登ると突然大きな滝に出合う。
左岸にも滝があって自然と興奮度が上がって来る。
「これが三重の滝かぁ~」と思っていたが、まだ先のようだった。
北斗さんが滝の中央部から直登を試みるも水しぶきに負けて断念する。
水流の少ない右岸の端から直登し滝上に出た。小さいがホールド、スタンスがはっきりあって
意外と登り易く感じた。



最初に出会った大滝、北斗さんが中央から攻めようとするが水しぶきに負けて断念


同滝、水流の少ない右岸端を登って滝上に出た


同滝、北斗さん撮影


同滝、北斗さん撮影


すぐに次の滝が現れる。三段の滑で上部は二股になっていた・・

滝上部の二股は水流の多い左を選んだが結果メガネになっていてすぐに合流していた。
その後またゴーロ帯の沢となりもう終わり?・・・と思っていたら、また滑の滝に興奮が止まらなくなる。



一旦はゴーロ帯に戻るが・・・


キラキラ光る滑三段の滝、上から滑り降りたくなる楽しい滝だ・・・

★ これが三重の滝らしい・・・

連続する滝の最後がメインの「三重の滝」のようだった・・・

★ 凝縮した30~40分・・・
滝の数をどこから数えるかは人それぞれに違いはあるが、最初に出会った4mほどの滝から数えると
合計12段 (アイマイデス) のナメ滝を登った。
この間わずか30分~40分で時間を凝縮した楽しさが満喫出来た。



このナメを過ぎると再びゴーロ帯の沢に変貌しもう滝の出現はないように思える

★林道出合・・・
林道出合 10:05
ゴーロ帯になって高度計を見ると400mを示し林道出合が近いと分かる。
すると左岸の笹薮の上にピンクのテープが見えた。地形図からもすぐ上が林道である事を読める。
テープに従って一登り藪を漕ぐと林道に出て、三重の沢遡行が終了した。

はっきりした林道は車一台が通行出来る幅があり古いがタイヤの痕跡もあった。
林道途中で木々の合間から樽前山を望み、好天となった日差しに今日の充実感を感じていた。
30分ほど歩くと林道幅いっぱいにピンクのテープが張られそこに出合う沢が林道を崩壊させて
荒れていた。この沢が下降する砥石沢と読み増水で荒れたゴーロを慎重に降りた。

砥石沢出合 10:32


林道途中から望む樽前山・・・


林道から降りた砥石沢は、増水の影響で崩壊気味だった・・

★ ご褒美・・・
つまらない砥石沢を10分程降りると突然渓相が変わりびっくりする。
ゴーロ帯からグリーンや白い一枚岩の川床となりそれが意外にもずっと続いていた。
渓相美に浸りながら滑らない下りも楽しさを倍増し結局車のある大石橋の下まで続き、
最後の小さな釜は水浴びしたくなる澄み切った湖に見えてしまった。

大石橋の上流側には駐車帯から続く別の橋があり沢からも難無く登る事が出来る。

グルリと周回するこのルートは、いままで経験したことが無い沢の楽しさが凝縮していた。
沢初心者はもちろんベテランも興奮する滑滝の連続と迫力には満足するだろう。
ピークハントの沢だけじゃない別の沢登りを学んだ一日だった。



白くグリーンな砥石沢の滑滝を下る・・・


ゴーロからナメの境目・・・砥石沢


急な斜度もほとんど滑らずに安心する・・・


※ さて、この後の計画はいったい誰の提案か?
            ホロホロ山(1322m)~徳舜瞥山(1309m)へ