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没後25年 有元利夫-天空の音楽

2010-07-11 | 美術館展覧会
1970年から85年にかけて活躍し、若干38歳という若さで逝ってしまった画家の有元利夫の東京都庭園美術館での回顧展「没後25年 有元利夫-天空の音楽」に行ってきました。

東京藝大のデザイン科に在籍していた画伯は、渡欧先のイタリアでフレスコ画に出会い、日本の仏画に共通点を見いだして以来、岩絵具や箔などの技法を用いた洋画でも日本画でもない独自の表現を続け、さらなる活躍が期待されるとき若くして亡くなり、今も尚不思議な世界観が生み出す魅力で多くの人々の心を惹きつけています。

今回は特に画伯が電通でデザイナーとして勤めながら制作した「花降る日」(1978年安井賞の特別賞を受賞)をはじめ、「室内楽」(1981年安井賞を受賞)や藝大卒業制作で藝大買い上げとなった「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ」などなど名作を見ることができ、また趣味であったリコーダーを入れるために自らのハンドメイドの箱なども展示されていて、画伯の私生活や人となりも垣間見ることができる、とても心温まる空間でした。

ジャンルや流行にとらわれない、思議な世界観でなお輝き続ける作品には、画伯の表現することへの喜びすら伝わってくるかのようで、本当に楽しい展覧会でした。

また夏休み期間の8月14から20日までの間は開館時間が午後8時まで延長される「夏の夜間開館」も実施され、夜の美術館でゆっくり作品と向き合うことができそうです。

皆さんもぜひ楽しんでみて下さい。

東京都庭園美術館の場所は東京都港区白金台5-21-9
最寄り駅はJR目黒駅
会期は9月5日まで(毎月第2・第4水曜日が休み)
TEL:03-3443-0201

【そういえば】
ロシアの国立美術館で巡回展覧会を開催する、銀座のギャラリー白石で今開催中の展覧会「エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで」で多数のビュッフェやシャガールの名作を見ることができました。

ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。

エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

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