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ボストン美術館浮世絵名品展 錦絵の黄金時代~清長、歌麿、写楽

2011-02-27 | 美術館展覧会
みなさんブログでは本当にお久しぶりです!
今日の東京マラソンは本当に感動しました!
Kuwappaも銀座の沿道で応援させて頂きました。
ご参加の皆さん、運営の皆さん、お疲れさまです。

さて今回は以前に“Kuwappa公式ツイッター”でもご紹介しすでに神戸~名古屋と巡回展覧してきた、広尾にある山種美術館で始まった「ボストン美術館浮世絵名品展 錦絵の黄金時代~清長、歌麿、写楽」展に行ってきました。

世界的に日本美術のコレクションでは世界最多のボストン美術館・・その中の浮世絵一大コレクション700点以上の肉筆画と5万点の版画、数千点の絵本や絵入本より、浮世絵がもっとも盛んに制作されていた江戸錦絵黄金時代=天明・寛政期の人気絵師である清長、歌麿、そして写楽に焦点をあて、約140点が凱旋帰国を果たし展覧されています。

なんと言っても同時代に活躍した個性溢れる3人のスター絵師=鳥居清長(1752→1815)、喜多川歌麿(?→1806)、東洲斎写楽(生没年等不詳)の作品を見くらべることのできる大変貴重で贅沢な、素晴らしい機会を与えて頂いたことに心から感謝し、そして感動しました!

錦絵黎明期の天才絵師であり錦絵の祖、鈴木春信の様式に染まっていた浮世絵界で、囚われない独自の個性を発揮した3人の自由な作品はそれぞれが本当に素晴らしい浮世絵ばかりです。

ビックリしたのは活躍期間わずか10ヶ月弱の謎の浮世絵師、東洲斎写楽のその素晴らしい作品が20点も展覧されており、さらに当時の庶民が好む美人を描く天才、鳥居清長の八頭身の健康的美人画・・中でも女性たちの群像が描かれた作品は必見です。

そしてその清長が本業の看板絵や芝居作品に専念しはじめた頃に現れた喜多川歌麿の力強い迫力ある美人画は、贅沢な素材による豪華な作品から初期の美人画まで興味深いものばかりでした。

この時代は鈴木春信によって開発された多色摺技術の飛躍的な進歩による、より表現の幅が広がりをみせた時代でもあり、錦絵の版も大判化されたことで大型の迫力ある画が人気だったそうで、数枚から成る続絵は当時の江戸の町並みや風景がとてもよく表現されていて、Kuwappaの脳みそはタイムトンネルを抜け、江戸の庶民と化しているかのような妄想に・・・陥ってしまいました。

さらにスター3人の後、浮世絵というカテゴリーに大きな影響を与えた絵師たちの作品も展示されていて、役者似顔絵で有名な浮世絵の教育者?勝川春章をはじめ、独学による挿絵でその名が知られる北尾重政と北尾派や美人画で有名な鳥文斎栄之と一派、歌川豊春と幕末の画閥である歌川派などの作品も並び、それはもう本当に見ごたえありです!

今回の展示コレクションは保存状態が良質で、良いコンディションの作品ばかりな上、今までほとんど公開されたことがなく、なおかつ厳格なボストン美術館の文化財保護規約により今展覧会終了後は5年以上先にまで非公開となる、大変貴重な展覧会です。

今後の展覧巡回予定は山種美術館が2月26日→4月17日、千葉市美術館が4月26日→6月5日、仙台市美術館が6月24日→8月14日とのことです。

とにかく学術的資料としても大変貴重な作品ばかりなので、Kuwappaは楽しむというより勉強しに来た・・という感覚になってしまいました。
これからも何度か足を運び、もっとリラックスして楽しみたいと思います。

皆さんもぜひご家族や友人と、時を超えて異国から戻ってきた、我が日本国が世界に胸を張って誇れる傑作たちに会いに行かれてはいかがでしょうか!

開催場所 山種美術館 〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36
開催期間 2011/02/26~2011/04/17
休催日 月曜日(祝日は開館、翌日火曜日は休館)
料金 一般1300円(1100円)・大高生1100円(1000)円・前売りペア2000円、 日時指定券1500円・中学生以下無料(但し、保護者の同伴が必要です)
※( )内は20名以上の団体料金、および前売料金
主催 山種美術館、ボストン美術館、日本経済新聞社、テレビ東京
お問い合わせ TEL:03-5777-8600 (ハローダイヤル)

★kuwappaのおすすめ↓
銀座5丁目のギャラリー白石では2011年3月9日(水)から5月9日(月)まで草間彌生作品展が開催されます。

そして現在開催されている《コンテンポラリー&モダンアートの常設展覧会》も傑作ばかりです。

素晴らしい絵画との出逢いができる場所が少なくなってしまった昨今には、とてもありがたい、希少で素敵な場所だと思います。

●出品作家
アルベール・マルケ アンドレ・ドラン アンディ・ウォーホル アンドレ・ブラジリエ アンリ・マティス カミーユ・コロー サム・フランシス ジャン=ピエール・カシニョオール ジュール・パパブロ・ピカソ ピエール・ボナール パスキン ジョアン・ミロ ジョルジュ・ルオー トム・ウェッセルマン パブロ・ピカソ ピエール・ボナール ベルナール・ビュッフェ ポール・アイズピリマリー・ローランサン マルク・シャガール モイーズ・キスリング モーリス・ド・ヴラマンク モーリス・ユトリロ ラウル・デュフィ ルイ・イカール ルネ・マグリット
藤田嗣治 荻須高徳 梅原龍三郎 山口長男 横山大観 川合玉堂 東山魁夷 加山又造 白髪一雄 田中敦子 長谷川潔 有元利夫 平山郁夫 草間彌生 浜口陽三 村上隆 奈良美智    その他

【ロシアで日本人アーティスト大活躍】
ロシアの国立美術館での巡回展覧会日本の美展がサンクトペテルブルグに続きモスクワでも開催されました。

日本を代表し世界で活躍している、これから世界に進出するべき現代美術の作家から海外の作家まで、とにかく凄いアーティストたちが出展されたとのことです
現地の関心も大変高く、現地テレビでも取り上げられています

詳しくはギャラリー白石ウェブサイトで見ることができます。

草間彌生作品展

藤田嗣治作品展

現代美術の流れ展

エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

千住博を受け継ぐ画家 ロシア展覧ツアー 新宿ユトリロ展

銀座ユトリロ展 千住博がエスコート

生誕260年 仙崖 -禅とユーモア-展

2010-09-29 | 美術館展覧会
今回は江戸時代の臨済宗古月派の禅僧であり画家、仙義梵(せんがい ぎぼん)のコレクションで知られる出光美術館の”生誕260年 仙崖 -禅とユーモア-展”のご紹介です。

博多にある日本最古の禅寺、聖福寺(しょうふくじ)の第123世住職だった仙の生誕260年にあたり、出光美術館のコレクション中から厳選された約100件の作品は今の時代でも通じる禅の精神と、その斬新な表現から溢れだす仙のユーモア、自由奔放な精神、生き方をひしひしと感じることができ、温かみ溢れるその不思議な魅力で心も温まる、とても楽しい展覧会です。

展示は5つの構成からなり、あらゆる階層の人の求めに応じて描かれた数多くの書画と共に、仙の生涯における人々との交流・仙流の禅の教えがちりばめられた作品を通して、今の私たちへのユーモアに包まれた厳しく温かいメッセージを受け取ることが出来る・・・なにか自分の人生を振り返る機会になった展覧会でした。

なお列品解説をして頂ける日にちもあるようなのでチェックしてみて下さい。

とても心が温かくなります、皆さんもぜひ行ってみて下さい。


会 期:2010年9月18日(土)~11月3日(水・祝)午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
    毎週月曜休館 ※ただし、9月20日、10月11日は開館
入館料:一般1000円/高・大生700円(団体20名以上 各200円引き)
    中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)
    ※障害者手帳をお持ちの方は200円引、その介護者1名は無料です
問合せ先は 03-5777-8600(ハローダイヤル)です

★kuwappaのおすすめ↓
銀座5丁目のギャラリー白石で開催されている《日本人に愛され続けてきた-藤田嗣治作品展》が開催されています。

「ナショナルなものがインターナショナルに通じる」
1913年にパリに渡り、この格言を忠実に実践して世界の巨匠になったフジタ、描き魔と言われるほどの描写力の天才の名作30点が一堂に展覧されています・・これは見逃せません!

【ロシアで日本人アーティスト大活躍】
ロシアの国立美術館での巡回展覧会日本の美展がサンクトペテルブルグに続きモスクワでも開催されます。

日本を代表し世界で活躍している、これから世界に進出するべき現代美術の作家から海外の作家まで、とにかく凄いアーティストたちが出展されるとのことです
現地の関心も大変高く、現地テレビでも取り上げられています

詳しくはギャラリー白石ウェブサイトで見ることができます。

藤田嗣治作品展

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エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

千住博を受け継ぐ画家 ロシア展覧ツアー 新宿ユトリロ展

銀座ユトリロ展 千住博がエスコート

いみありげなしみ展=東京国立近代美術館

2010-08-04 | 美術館展覧会
「しみ」をテーマにした東京国立近代美術館の所蔵の絵画や写真、版画などを紹介する作品展「いみありげなしみ」へ行ってきました。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画の訓練をしたければ壁の汚れや「しみ」を見つめなさい、するとそこに樹木や顔、風景などさまざまなものが浮かび上がってくるだろう・・と語っているとのこと。

これは誰にでも思い当たるのではないでしょうか。
私などもトイレで座っているとき、気が付くと目の前の壁のしみや模様眺め、その中に人や動物の顔や体を連想したりしています。

このユニークな展覧会は「しみ」をテーマに絵画、写真、版画、水彩など28点を展示する、見る側の感性をも試されているような、想像をかき立てる面白さに溢れています。

写真では榎倉康二氏によるゼラチン・シルバープリントの作品が複数展示され、はっきりと判るものから筆の跡のようなものまで、岸田劉生氏から村上華岳氏の日本画までと大変面白い構成になっています

また、モリース・ルイス氏や丸山直文氏の大作も見ごたえがあり、そして「しみ」の表現で知られる榎倉康二氏によるフェルトや写真などの10数点が展示されています。

「しみ」に対する推理からさらに広がる未来への新しいかたち・・・普段意外と気にしていない「しみ」に対する新しい感覚を体験した、とても面白く、そして意表をつかれた展覧会でした。


会場は東京国立近代美術館本館 ギャラリー4(2F)
会期は2010年4月20日(火)~8月8日(日)
開館時間は10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)

エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

千住博を受け継ぐ画家 ロシア展覧ツアー 新宿ユトリロ展

銀座ユトリロ展 千住博がエスコート

国立新美術館=マン・レイ展 知られざる創作の秘密

2010-07-24 | 美術館展覧会
今回は六本木の国立新美術館で開催中の・・・
「写真家」としてのイメージが強く、幅広い芸術活動で世界中に知られるマン・レイ氏の生涯を「ニューヨーク(1890-1921)」、「パリ(1921-1940)」、「ロサンゼルス(1940-1951)」、「パリ(1951-1976)」と活躍した場所で4つに区切り、その遺族が全作品の著作権を所有するマン・レイ財団所蔵の写真、絵画、彫刻、デッサンや所持品を一堂に集めて巡回している展覧会『マン・レイ展 知られざる創作の秘密』を紹介いたします。

今回は写真はもとより絵画やオブジェなど多岐に渡る分野で、新しい技法やスタイルを編み出した「モダンアートの先駆者」としてのマン・レイ氏に光を当て、日本展だけに出品される作品約70点を含む約400点の私的な資料や様々な道具類などにより、広範の創造活動を追体験しながら、それぞれの作品を生み出すためのモデルとなったモチーフ→スケッチ→完成作品への創作の過程が時系列に添った作品の展示により、とてもわかりやすくおもしろい展覧会となっています。

一般公開されたことのない作品も多く、写真家の篠山紀信さんが撮りおろしたアトリエの写真も展示されていて、マン・レイ氏の人生と創作活動をより深く理解することができるとてもよい機会になることと思います。

国立新美術館 企画展示室1E
会期は2010年9月13日(月)まで
毎週火曜日休館で開館時間は10時から18時(金曜日は20時まで)

作品:伝説(『回転扉』より)1915年(1972年)リトグラフ

エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

千住博を受け継ぐ画家 ロシア展覧ツアー 新宿ユトリロ展

銀座ユトリロ展 千住博がエスコート

トリック・アートの世界展-だまされる楽しさ-東郷青児美術館

2010-07-15 | 美術館展覧会
損保ジャパン東郷青児美術館の“トリック・アートの世界展-だまされる楽しさ-”に行ってきました。
この展覧会は考え過ぎてはいけない・・題名どおり楽しむべきだと思いました。

イメージ的にはハワイのボルケーノの展示室にあるトリック画みたいな感じを予想をしていましたが、それ以上に「己の脳みそはなんといい加減なのか」とあきれてしまいました。

先日テレビでこの視覚による錯覚は本来、身の危険を避けるための本能だと言ってましたが、これらを逆手にとった手法で錯視効果を狙ったさまざまなユーモアあふれるトリック作品は、不思議な中にも目から鱗ものでした。

よくみないと解らない・・難しく感じてしまう作品もありますが、とにかく考え過ぎずに自分の目を信じてだまされてみましょう!

PCに囲まれて毎日CG生活している私にとっては、本画のトリックはとても新鮮で挑戦でもありました。

この【特別展】以外に常設展示で、ゴッホがゴーギャンとの共同生活(アルル時代)をおくっていたときの「ひまわり」のうち、花瓶にひまわりの花だけの現存6作品の1点を見ることができます。

そのとなりにはゴーギャンの「アリスカンの並木路、アルル」やセザンヌの「りんごとナプキン」や東郷青児画伯の作品など多数展示されているので、とても充実した時間を過ごせることと思います。

関連プログラムとして“ワークショップ「トリック・アートに挑戦!」”や「一般向け」「小・中学生と保護者対象」の学芸員の方によるギャラリートークなどイベントも盛りだくさんで、家族でも楽しめる展覧会なのでぜひ夏休みにいかがでしょうか。

損保ジャパン東郷青児美術館
会期は2010年7月10日(土)~8月29日(日)月曜定休 ただし7月19日は開館
場所は新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン本社ビル42階
開館時間は午前10時から午後6時までで金曜日は午後8時まで


【そういえば】
ロシアの国立美術館で巡回展覧会を開催する、銀座のギャラリー白石で今開催中の展覧会「エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで」で多数のビュッフェやシャガールの名作を見ることができました。

ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。

エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

千住博を受け継ぐ画家 ロシア展覧ツアー 新宿ユトリロ展

銀座ユトリロ展 千住博がエスコート

没後25年 有元利夫-天空の音楽

2010-07-11 | 美術館展覧会
1970年から85年にかけて活躍し、若干38歳という若さで逝ってしまった画家の有元利夫の東京都庭園美術館での回顧展「没後25年 有元利夫-天空の音楽」に行ってきました。

東京藝大のデザイン科に在籍していた画伯は、渡欧先のイタリアでフレスコ画に出会い、日本の仏画に共通点を見いだして以来、岩絵具や箔などの技法を用いた洋画でも日本画でもない独自の表現を続け、さらなる活躍が期待されるとき若くして亡くなり、今も尚不思議な世界観が生み出す魅力で多くの人々の心を惹きつけています。

今回は特に画伯が電通でデザイナーとして勤めながら制作した「花降る日」(1978年安井賞の特別賞を受賞)をはじめ、「室内楽」(1981年安井賞を受賞)や藝大卒業制作で藝大買い上げとなった「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ」などなど名作を見ることができ、また趣味であったリコーダーを入れるために自らのハンドメイドの箱なども展示されていて、画伯の私生活や人となりも垣間見ることができる、とても心温まる空間でした。

ジャンルや流行にとらわれない、思議な世界観でなお輝き続ける作品には、画伯の表現することへの喜びすら伝わってくるかのようで、本当に楽しい展覧会でした。

また夏休み期間の8月14から20日までの間は開館時間が午後8時まで延長される「夏の夜間開館」も実施され、夜の美術館でゆっくり作品と向き合うことができそうです。

皆さんもぜひ楽しんでみて下さい。

東京都庭園美術館の場所は東京都港区白金台5-21-9
最寄り駅はJR目黒駅
会期は9月5日まで(毎月第2・第4水曜日が休み)
TEL:03-3443-0201

【そういえば】
ロシアの国立美術館で巡回展覧会を開催する、銀座のギャラリー白石で今開催中の展覧会「エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで」で多数のビュッフェやシャガールの名作を見ることができました。

ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。

エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

千住博を受け継ぐ画家 ロシア展覧ツアー 新宿ユトリロ展

銀座ユトリロ展 千住博がエスコート

ポンピドー・センター所蔵作品展 シャガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い

2010-07-07 | 美術館展覧会
今回は上野の上野公園にある東京藝術大学大学美術館で開催されているポンピドー・センター所蔵作品展-シャガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い~交錯する夢と前衛~のご紹介です。

旧ロシア帝国のヴィテブスク(現ベラルーシ共和国)に生まれたユダヤ人のマルク・シャガールは鮮やかな色彩と幻想的な作風で親しまれていますが、1900年代初頭に始まるロシア・アヴァンギャルドの歴史と密接な関係があったことはあまり知られていません。

今回はパリのジョルジュ・ポンピドー国立芸術文化センターが所蔵するシャガールの代表作で、自身の人生とロシア美術史でのシャガールを位置づけるもので、その世界観や家族、想像の世界とのつながりを検証し、そして理解を深めることを意図した構成となっています。

展示内容ですが、ポンピドー・センター所蔵のシャガール作品は、初期のサンクト・ペテルブルグで制作された作品から南仏での晩年の大作まで、シャガール自身が寄贈した代表作や手元に残した特別な作品を遺族が寄贈したもので「シャガール所蔵のシャガール」ともいえる充実したコレクションと、旧ソ連のロシア・アヴァンギャルドの巨匠であるナターリヤ・ゴンチャローワとミハイル・ラリオーノフの両氏よりの寄贈作品からなっています。

中でもパリ時代の最初期の《ロシアとロバとその他のものに》1911年は強烈な色彩で独自の世界が表現された素晴らしい作品でした。

また同時公開としてゴンチャローワとラリオーノフの初公開作品や同時代に活躍したマレーヴィチ、プーニー、カンディンスキーなどロシアの巨匠の作品も紹介されています。

また映画上映や、本展の監修者でポンピドー・センター学芸員のアンゲラ・ランプ講師による講演会や東京藝術大学美術学部講師によるワークショップ、そしてなによりも嬉しい7月26日(月)の休館日を臨時に開館して開催される「子ども連れでも遠慮なくシャガール展を鑑賞できる日」(午前10時~午後5時)など素晴らしいイベントがたくさん用意されています。

夏休みにご家族みんなでぜひ鑑賞に出かけて下さい。

会期:2010年7月3日(土)~10月11日(月・祝)
休館日:月曜日(月曜日が祝・休日の場合は開館し、翌日休館)と8月21日(土)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
巡回情報(福岡)はこちら

そういえばロシアの国立美術館で巡回展覧会を開催する、銀座のギャラリー白石でも今開催中の展覧会「エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで」で多数のシャガールの作品を展覧していました。

合わせて行かれてみてはいかがでしょうか。

エコール・ド・パリからビュッフェの時代まで

千住博を受け継ぐ画家 ロシア展覧ツアー 新宿ユトリロ展

銀座ユトリロ展 千住博がエスコート

日本の美・発見IV 屏風の世界=出光美術館

2010-06-13 | 美術館展覧会
今回は丸の内にある出光美術館で7月25日(日)まで開催されている「日本の美・発見IV屏風の世界―その変遷と展開―」という屏風(びょうぶ)ばかりの展覧会に行ってきました。

内容としては出光コレクションの屏風24点と、それらにまつわる書画や工芸品など25点が一堂に展示されています。

中国で風よけの家具として生まれ7~8世紀頃に日本に伝わったとされる、大画面の絵画表現が見事な屏風たちが勢ぞろいしていました。

なんと言っても現存最古、室町時代のやまと絵屏風の「日月四季花鳥図屏風」(室町時代)は必見で、金属板の月や銀を主体に金の切箔と野毛・砂子で描かれた夜霧の表現など素晴らしい見事な作品です。

他の作品もその大きさから伝わってくる迫力は去る事ながら、その見せ方も大変工夫されていて、とても面白い方法で紹介されています(これは見てのお楽しみ・・)

変わった作品では扇の数を自由に、いくつかの絵を組み合わせたユニークなものもあったり、7月6日以降には一扇ずつでも十二扇全てでも1つの絵になるという”池大雅筆「十二ヵ月離合山水図屏風”の展示も予定されているようです。

さらに江戸時代の個性豊かで素敵な屏風絵も、とても楽しめました。

前期、後期で作品の展示変えも予定されており、特に6月17日からは何日か午前と午後で列品解説をしてくださるので、私も会期中もう一度行こうと思っています。

銀座や有楽町でのショッピングのついでや、日比谷公園も目と鼻の先なのでピクニックがてら家族でアートを楽しむ・・なんていかがでしょうか。

また夏休みの始まりにお子さんの自由研究として一揆に終わらせる!なんてのも良いかもしれませんね(笑)

出光美術館の場所はの場所は東京都千代田区丸の内3-1-1
※帝劇ビルの出光専用エレベーターで9階
会期は7月25日(日)まで
電話ハローダイヤル03-5777-8600
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)
休館日は毎週月曜日(7月19日は開館)
入館料は一般が1,000円、高・大生は700円
中学生以下無料ですが保護者の同伴が必要です

「日本の美・・」で思い出しましたが、前回の記事でご紹介した銀座みゆき通りのギャラリー白石ではこの秋に「ロシア初-日本美展」という、ロシアの国立美術館で近代日本絵画を紹介する国際文化交流の巡回展覧会を行うこととのことです。

印象派はお好きですか?

2010-05-17 | 美術館展覧会
印象派はお好きですか?
という展覧会が銀座のおとなり、京橋のブリジストン美術館で2010年7月25日(日)まで行われています。

日本人が印象派・ポスト印象派と出会ってから100年というテーマをもとにカミーユ・コロー、オノレ・ドーミエ、マネ、モネ、シスレー、セザンヌ、ゴッホ、ルノワール、ルソー、ボナール、マティス、ピカソ、ルオー、シャガール、デュフィなどなど錚々たる巨匠作品とともに日本作家では藤田 嗣治などが・・・とにかく充実した1日となることまちがいなしの展覧会です。

個人としてはゴッホの「モンマルトルの風車」が、同じくユトリロの描く「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」とはまた違う強烈な筆遣いに、思わず時を忘れて見入ってしまうばかりでした。

ぜひぜひ、ご覧あれ。

   千住博がエスコート 新宿ユトリロ展 銀座ユトリロ展

知られざるルオーの素顔展

2010-05-04 | 美術館展覧会
銀座からすぐのパナソニック電工 汐留ミュージアムで、2010年6月13日(日)までやっています。

ジョルジュ・ルオー(1871-1958)が画商アンブロワーズ・ヴォラールの依頼による版画集『ルビュおやじの再生』を制作するプロセスで生み出された作品は、ルオーのイメージを覆すような衝撃的なものばかりです。

以下ミュージアムによる説明です

=舞台をフランスの植民地とするこの物語の挿絵制作を通して、ルオーは「黒人」や「熱帯」という新たなテーマに出会います。支配される「黒人」の先住民(被植民者)と、「ユビュおやじ」に代表されるグロテスクな「白人」の政治家(植民者)で綴られるルオーの絵画世界--そこでは、フランス植民地主義の諸問題が暴露される一方で、ルオーが描き出した「黒人」たちのしなやかな動きをとらえた優美な曲線には、ルオー芸術の新たな一面を発見することができます。=

その特異性により、これまでその全貌は明らかにされてこなかった初公開の作品含む、油彩、水彩、版画、資料がルオー財団の特別協力のもとに一堂に集められた、世界で初めての展覧会ということです。

観覧料はかかりますが、 必見の展覧会だと思います。

   千住博がエスコート 新宿ユトリロ展 銀座ユトリロ展