おはようございますm(__)m
5回目の今回はAORの代表的バンド、スティーリー・ダンの、『彩(Aja)』です。
この作品を買った目的は、2曲目のスティーブ・ガッドのドラムソロなんですが、聴きどころは無限にあります。
本当に無限にあります。百回以上聴いていますが、今でも聴くと新しい発見をすることがあります。
問題の二曲目のタイトルチューン『エイジャ』なんですが、私が率直に受けた印象とイメージを書きたいと思います。
冒頭。美しいピアノのメロとギターとシンバルが絡み合います。
ここでは私は海を思い浮かべました。遠い異国の海です。波は静かで空も青い。ただ、何もない浜辺です。
その浜辺を歩いていると、曲のリズムが変わっていつの間にか森のなかへ入っていきます。
いわゆるジャングルですね。
どんどん進んでいくと、森の奥のある場所へ着きます。
ちょうどギターソロが始まった辺りですね。
そこではすべてがカラフルで、たくさんの動物もいます。
例えて言うならディズニーやジブリの世界観でしょうか。
生命力に満ちあふれた場所なのでしょうか。植物も動物も、全てが躍動しています。
そして、ドラムソロ。ここでは何とウェイン・ショーターのサックスソロも同時に始まります。スティーブ・ガッドとウェイン・ショーター…。何と豪華なソロでしょうか。
それはさておき二人のソロが始まった瞬間、強い光が差してきます。光で何も見えない感じです。
ソロは一回静かになってまた激しくなりますが、静かになる部分で光の中に何かが見えてきます。
見えてきたのは、“愛するもの”です。
それが人なのか物なのかはわかりませんが、理想的な何かが幻想となって現われます。
そしてソロ終りとともにまた最初の何もない浜辺に戻ってきます。
理想は幻想であり、手に入れることはできません。
また、海は全ての生命の母とも言われています。
海に到着するのもまた、人間として然るべきなんでしょうかね。
最後にまた激しくなって曲は終ります…。
とまぁ、こんな世界観が広がる曲なんですね、Ajaは。
他に私が好きなのは、3曲目のディーコンブルース。
なんとラリー・カールトンとリー・リトナーがギターです。つくづく贅沢な作品ですね。
メロディアスな中に哀愁があるこの曲は、タイトル通りブルースを感じさせます。
どん底の状況を笑い飛ばす。「まぁ、しょうがねえや」みたいな感じですかね。
夜の街を独りで歩くときに聴くのに最適ですね(笑)
そして、4曲目は名曲ペグです。
完璧なアレンジとテクニック。
疾走感あり、浮遊感あり、メロディアスでバンドの音色も美しい。
ホーンは絶対に歌の邪魔をしないし、逆にサビのコーラスはホーンのような滑らかさと厚みをもっています。
そして、ギターソロ。
素晴らしいの一言です。この曲の雰囲気にぴったり合っています。このソロには逸話が色々ありますが、本当に素晴らしいギターソロです。
私じゃ、とてもこんなフレーズは思いつきません…。
う~ん。なかなかこの作品を言葉に表すのは難しいですが、一言で言うと、
『音楽的にも精神的にもバンド形態での音楽の極致を示した作品』
でしょうか。もはやスティーリー・ダンのこの時代の作品は芸術の域に達しているので。
でも、本人達は楽しそうに演奏してるんですよ。
やっぱりライヴとスタジオは別って事ですかね。
本当にいい音楽なんで、機会があったら聴きやすいペグだけでも聴いてみてください。
ではまた。