ルーム・ストラト~音楽と私~

タイトル通り、筆者が好きな音楽の事を中心に自分勝手に書きます。

ブルースの世界vol.3

2010-09-03 23:57:23 | 日記
バディ、ラッシュときたらもう彼しかいないでしょう。

シカゴブルース3羽烏ラストを飾るのは、マジック・サムです!



マジックサムは、数少ないブルース友達から教えてもらって聴きはじめたんですが、

いやー、濃い。
実は私、マジックサムはライブ盤しか持ってないんですよ。


でもそのライブ盤が強烈で強烈で(笑)

ほとんど隠し録りに近いのか、音質はかなり悪いんですが、その分リアルな雰囲気が感じ取れます。

一曲目『Everynight about this time』から、いきなりハイテンション。

しかもスローブルース!



歌い出しから客が一緒に歌うという、何とも素晴らしい会場のもと、一曲目は景気付けにブギでも……なんてカッコつけたことは言わないのが、このマジックサム。


ブルースが大好きなんでしょうね。
いや、むしろサムの存在がブルースそのものなのか。

やる曲も、『Sweet home Chicago』『I'M tore down』など、正統派ブルースのカバーも多いです。



しかし、サムはギターがうまい!上手い!巧い!


ストラトらしからぬ太く温かい音色を出すときもあれば、歪ませてバキバキに弾くときもあります。


ジョンリーフッカー流ブギの『Looking good』は、圧巻の一言につきます。

あれだけのリズム感とピッキングの多彩さを誇る人はエレキ系のブルースマンじゃ稀なのでは?



リズム感といえば、フレディキングの名インストのカバー『San-ho-say』も、かなりキレのあるリズムで弾いてます。

また、『You were wrong』では構成までしっかり考えたギターソロも聴かせてくれます。
やっぱテンションの持っていき方は超一流ですね。
バックバンドと完全にシンクロしてるのが、よくわかります。







ボーカルはというと、いわゆる“がなる系”“怒鳴る系”ではなく、しっかりと歌い上げる感じでしょうか。


だが、しかしパワフル。

何より、ノリがある。歌をリズムに乗せるというのとはまた違うのかもしれないが、歌そのものにリズム感を感じますね。


R&Bやソウルからの影響でしょうかね?



結構フレディキングっぽい部分もあるのは、彼らが実際に仲が良かったからでしょう。




何にせよ、まさに不世出のブルースマン、マジックサムのライブ盤は是非聴いてみてください!
ブルースとか関係なく、かなりいいライブ盤だと思いますよ。


ロックっぽい曲もあるんで聴きやすいかもしれません。




とまぁ、三回やってみましたが、普段からブルース聴いてる人はなかなかいないのでは?


これを期に是非ブルースの世界にはまってみてください。

次は戦前いくかな…

ではまた。

ブルースの世界vol.2

2010-09-02 21:50:33 | 日記
二人目の今回は、マイナーコードを大胆に使い、哀愁のあるブルースを歌う男、オーティス・ラッシュです。



正直知名度的には第一級ではないかもしれませんが、腕前はもちろん第一級。文句無しに素晴らしいブルースマンです。


彼の有名な曲は何といっても『All your love』でしょう。


いきなり豪快なスライドでこの曲は幕を開けます。

そしてマイナーコードとラテンビートで曲は展開していきブレイクと同時にラッシュの野太い、力の入ったボーカルが炸裂します。


この時点でかなりの迫力。

バックのドロドロさ、ラッシュのボーカルのこもった音色でまさに『哀愁』と言わんばかりのブルース。


そして、問題のギターソロ。
何とトライアドを使うという、ブルースには非常に稀なソロ。
それも、かなりの哀愁漂うソロ。


こんなブルース聴いたことないぞ!!


って感じです。

またそのギターの音色の太いこと太いこと。
彼の写真を何枚か見たことがありますが1弦から6弦まで、あまり太さがかわらなくて驚いたのを覚えています。


そして一回しソロがあった後に、いきなりリズムがシャッフルに変わりラッシュのギターも堰を切ったかのようにハイトーンで炸裂します。

これはすごい。
すごすぎる。
こんなすごい人が第一級でないブルース界って一体?

そのあとは皆さんご想像のとおりテンションが最高になったまま歌に入り、大円団を迎えます。


いやー、展開の目まぐるしさといい、ボーカル、ギターといい度肝を抜かれましたね。


彼のギターは伸びやかな、というよりは鋭く、どこか危うさを感じさせます。

大体セミアコを使って弾いているそうですが、セミアコの太い音色とラッシュのパワーで独特な音を創りだしています。


ボーカルも、声自体はスモーキーでもっさりしていますが、シャウトの瞬発力にかけては他のブルースマンに劣りません。
ファルセットも特徴的です。


他にもレイヴォーンのバンド名の由来となったマイナーブルースの頂点『Double trouble』や、LED ZEPPELINにカバーされた『I can't quit you baby』なとが有名です。
『All your love』は、クラプトン在籍中のブルースブレイカーズやゲイリー・ムーアにカバーされていますが、どちらも名演と言えるでしょう。


CDでは、コブラというレーベルにいた頃のベスト盤が一番有名ですね。
上記の曲は聴けると思います。


ブルースが多彩な音楽であり、また短い期間のうちに名手が本当にたくさんいたことを実感します。



これでもまだブルースの入り口。
もっともっとディープな世界もあるから恐ろしいですね。




しかし、ブルースは最高だ。

“飽き”というものが一切来ない。


コードは3つやそこらしかないし、リズムはシャッフルばっかりだし。


つくづく昔のプレイヤーの才能、個性、努力には感心させられます。



これからもブルース探求の旅は続く…


ではまた。

ブルースの世界vol.1

2010-09-01 22:53:03 | 日記
ここ何回か、ブルース回にしたいと思います。


第一回目はシカゴブルースの異端児、バディ・ガイです。

彼は、何といってもその喚き、泣き叫ぶようなギターとボーカルが最大の特徴です。
その迫力といったら、まるで尖ったガラスで身を斬られたかのような鋭さがあります。
ブルース界広しといえど、ここまでストレートに感情をギターと歌にぶつける人は中々いないのでは?

代表的な録音はというと、チェスレコード時代の録音を収めた『I was walking through the woods』が有名ですね。

迫力のボーカル、そしてクリーントーンながら力の入りまくりのこれでもかと言わんばかりのギター。


圧巻は2曲目『Stone crazy』

七分に及ぶ(本当はもっともっと長かったらしい)ドロドロなシカゴ流スローブルースで、七分間を休む間もなく全力で歌い、弾くバディ・ガイ!!

これぞ、ブルースの真髄の一つでしょう。
もちろん、ピッキングの強弱にこだわっているのもバディらしい。

ただ、弱く弾くのではなく弱い音を目一杯力を抑制して弾く、という感じである。

音が出ていない間さえも、力が入りまくっているのがわかる。
本当に呼吸から汗から顔の表情まで全てが伝わってくるようです。


バディ・ガイのすごさは説明のいらないところでしょうな。
あまりにもストレート過ぎるので、聞き手に余分な知識を要さない。



これでもチェスレコードからは「激しすぎるから抑えてくれ」と、注意されていたらしいから恐ろしい。


チェスを出た後、バディはヴァンガードに移籍するが、そこで出たライブ盤『THIS IS BUDDY GUY』は今迄の鬱憤を晴らすかの如く、爆発しまくっている。

激しすぎて、聞き手にも相当体力が必要である。



あとはもう聴いて、感じてください。
あまり説明することは無いです。



ちなみに私がバディ・ガイの良さを本当に知ったのは、1969年のスーパーショウという番組での『Mary had a little lamb』ですね。

この時はベースがジャック・ブルースだったりしてバディのテンションも最高潮。
完全にキレてますね。
私にストラトキャスターの迫力を教えてくれたテイクでもあります。

是非皆さん見てみてください。



あ、最後に……

私はそのライブを見たのち、バディ・ガイへの敬意を表して数少ないブルース友達と一緒に『バディ先生』と呼ぶ事にしました。


ブルースでストラトと言ったら、私の中ではバディ先生一択ですね。
マジックサムもレイヴォーンも、バディ先生には勝てません。

あのジミヘンやクラプトン、ジェフ・ベックまでもが影響を受けたのを公言していますからね。


そんなバディ先生の世界に皆さんも触れてみてくださいね。


ではまた。

自然体

2010-09-01 01:57:28 | 日記
自然体の演奏って何だろうね。

最近よく考えます。


自分が一番自然でいられるときに、一番自分らしさが出ると思うんですよ。



だから、演奏も無理をするのってどうなのかなと。


私の場合は、長いこと色々なジャンルを演奏してきました。
その中で自分が一番『自然体』でいられるときは、やはりブルースです。


ジャズ・フュージョンだと、やっぱりどこかしら頭をつかったりと、気にする部分が多いのです。

もちろん、ROOM335みたいな演り慣れた曲なら結構自然体で弾けるんですが、ジャズともなるとコード進行やリズム、ニュアンスなど考えながら弾くことが大半です。

なかなか、なーんも考えないで感情のままに弾くことはできないですね。

だからこそジャズは良いのかも知れませんが。



しかしブルースなら、感情を目一杯ギターや歌にぶつける事が出来る。
特にブルースロックなら尚更、音の間やニュアンスさえも気にせず感情のままに弾きまくれる。


私は、ブルースは演り慣れています。
コード進行もワンパターンだしね(笑)

ファンクスタイルでも、ロックンロールでも、ブルースならすぐ対応できます。


やはり私はちょっと普通の日本人とは違うようです。


もちろん日本の音楽も大好きですよ。
ただ最近、特にブルースへの執着が半端ないです。


ゲイリー・ムーア流ブルースならその辺のギタリストには負けない自信はあります。
ゲイリーのように、力押しで弾きまくるブルースが私の最も自然体な姿なのかもしれないと、最近本気で思っています。


カールトンに生涯師事するつもりでしたが、ゲイリー・ムーアという新たな師匠ができました。
その存在の大きさは計り知れないです。


もちろん私のプレイスタイルはただのゲイリーのコピーではありません。
カールトンやクラプトン、リッチーや春畑など、色々混ざっています。


まだまだ、素晴らしいギタリストはたくさんいるので、これからも刺激はたくさん受けそうです。


あぁ、私のギターの終着点。
見えてきたのかなぁ。


見えたら、あとは極めるのみ!!ですからね。



まぁ、まだ22歳やそこらじゃ、方向性くらいしか決まらないっす。

ただ、今しっかり方向性を決めないと、これから頑張る気合いが出せません。

頑張らんと!


しかし、Still Got The Bluesは名盤だよ…


ではまた。