遠距離介護日記 人生で今日が一番若い日 母も私も

60代、一人暮らしです。
母の遠距離介護。働きながら続けています。

父と私の免許証、返納戦争

2021年11月19日 | 介護 続けるコツ

亡くなった父は、車の運転が大好きでした。

それで、免許証返納の説得がかなり大変でした。

運転が好きなのも、返納をしない理由でしたが

もう一つ、他の理由がありました。

 

実家は、かなりの田舎で、

スーパーなど買い物できるお店が近くにありません。

日頃食べる野菜は、近くの畑で作っていましたが

それだけでは、生活できません。

車で町まで買い物に出る必要がありました。

生活を守る為に、免許証の返納するのに

かなり時間がかかりました。

 

父は70歳を過ぎても、高齢者マークをつけませんでした。

まず最初に、マークを付ける事を勧めました。

もちろん、納得なんかしません。

「俺は、そんな年ではない」

と、言い張ります。

70歳を過ぎています。

充分「そんな年」です。

でも、本人はまだ若いつもりでいます。

 

それに、周りの友人や親戚から、お世辞で若いと言われているのを

鵜呑みにしているのです。お世辞なのに…

 

最初は、自分で納得して

父がシールを買うのがいいと思っていました。

でも、全く買う様子はありません。

痺れを切らして、私が買いました。

 

それから車に付けるのは、

私が付けて父の自尊心を傷つけるより

納得してつけた方いいと思っていたので

父が付けるのを待っていました。

 

まったく、付ける様子などなく、

私の思いなど、全く伝わリません。

 

実家へ帰省するたびに、様子をみていましたが

私は、待っていられなくなりました。

そして、実家の滞在最終日に、

勝手に私がつけて実家を後にしました。

 

私が帰ったあと、すぐに父は自分で高齢者マークを外したそうです。

私が実家へ帰って高齢者マークを付ける。

その後、父が取る。

それを何回か続けた後に、母の説得もあり

父が根負けしてやっとマークをつけて運転するようになりました。

 

あの高齢者マークを付けるだけで、

何度父とケンカしたことでしょう。

父とは仲良しで、ケンカする事はほとんどありませんでしたが

車の運転の事では違いました。

自分の父ながら、情けなくて悲しくなった事を覚えています。

 

高齢者マークを付けることで、あれだけ時間がかかった父です。

免許証を返納するのには、この何倍ものエネルギーが必要でした。

このお話は、また今度。

 

 

 


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