ノバルティス社 問題の薬は売り上げ1兆円超 http://news.goo.ne.jp/article/nhknews/nation/nhknews-10015144191.html へのリンク 2014年6月11日(水)16:42
NHKニュース&スポーツ
「ディオバン」は、スイスに本社がある大手製薬会社「ノバルティスファーマ」が開発した高血圧の治療薬で世界のおよそ100か国で販売されています。日本では14年前に承認され、国内での売り上げはこれまでに1兆2000億円以上に上ります。
「脳卒中、多すぎ」慈恵医大でもデータ改ざんか http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20140611-567-OYT1T50229.html へのリンク 2014年6月12日(木)07:36
読売新聞
高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データ改ざん事件で、ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が2005年頃、慈恵医大の研究データについて、データ管理業者からメールで「患者の脳卒中の発生件数が多すぎる」と指摘されていたことがわかった。
東京地検特捜部はこのメールを入手しており、白橋容疑者が逮捕容疑となった京都府立医大だけでなく、慈恵医大の研究でもデータを改ざんした疑いがあるとみて調べている。
関係者によると、この業者は、慈恵医大と京都府立医大の臨床研究データを管理していた。慈恵医大のデータで、ディオバン以外の薬を使用した患者の脳卒中の発生件数が、ディオバンを使用した患者より極端に多いことに気づき、白橋容疑者と同大の研究者に「脳卒中の発生件数が多すぎると思う。入力ミスではないか」と、データの不自然さを指摘するメールを送った。
しかし、白橋容疑者と研究者からは何の説明もなかったという。この業者は「患者の血圧をきちんと管理した上で臨床研究を行っており、薬だけで脳卒中の発生件数に極端な差が出ることを不思議に思った」と話している。
ノ社薬事法違反疑い 患者情報40回要求/5大学に11億円寄付 http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20140612105.html へのリンク 2014年6月12日(木)08:03
(産経新聞)
降圧剤「ディオバン」の臨床研究データ操作は、データ解析を担当したノバルティスファーマ社元社員が逮捕され、刑事事件に発展した。学術的成果を求める大学側と、効果のある薬という“お墨付き”を得たい白橋伸雄容疑者。両者の思惑が結びつく中、約12年間で約1兆2千億円を売り上げたが、臨床研究の信頼を地に落とす結果となった。捜査は今後、大学側やノ社側など組織の関与に移る。
◆ノウハウ重宝
「先生、解析はこうやるんですよ」
医療関係者は、白橋容疑者が、大学内で医師に解析を手取り足取り指導していた様子を目撃している。白橋容疑者は臨床データをパソコンの解析ソフトに手際よく入力。解析作業を主導していたという。
ディオバンは平成12年から国内販売されたが、臨床研究が始まったのは14年1月。東京慈恵会医大▽京都府立医大▽千葉大▽滋賀医大▽名古屋大-の計5大学で実施され、名古屋大学以外の4大学が「血圧を下げる効果に加え、脳卒中などを防ぐ効果が高い」などとする研究結果をまとめた。
データ解析の専門家だった白橋容疑者は、ノ社社員の身分を隠すなどして解析作業に参加した。大学では医師が集めた臨床データを解析する専門家は不足しており、「ノウハウを持った白橋容疑者は重宝された」(医療関係者)という。
◆論文アピール
こうした中で作成された研究論文。関係者は「大学も白橋容疑者もともに薬効が高いという論文を求めていた」と打ち明ける。
新たな薬効を打ち出した論文作成は、大学側にとっても大きな学術成果になった。慈恵医大の論文は高く評価され、世界的権威を持つ英医学誌「ランセット」に掲載された。「同大学からの論文掲載は約100年ぶりだったといい、学内は沸いた」(医療関係者)。京都府立医大の研究者も「予想外の成果」などと周囲にアピールしていた。
一方、高い付加価値のある薬という論文は販売促進につながるため、白橋容疑者は社内での評価を得ることができた。白橋容疑者は医師との関係構築などが認められ、同社の社長賞を受けている。
密接な関係を裏付けるようにノ社側と大学は長年にわたって資金面で結びついていた。ノ社は12~24年にかけて慈恵医大、京都府立医大に計約5億7千万円の奨学寄付金を提供。5大学への提供額は11億3290万円に達していた。
◆個人か組織か
こうした中で進んだ東京地検特捜部の捜査は、そもそも虚偽のデータに基づいた論文が薬事法に抵触するかがポイントとなった。虚偽論文が事件化した例は過去にないためだ。厚労省は1月の告発でノ社が論文を商品広告に利用したことが「薬事法に抵触する」としたが、一方で厚労省などによると、学術論文は「社会通念上、広告とみなされることはない」とされる。
そこで特捜部は薬事法の「(薬の効能に関して)虚偽または誇大な記述をしてはいけない」という条文に着目。英語の論文を翻訳して検討した結果、論文に記載された数値が操作されていたことなどを突き止め、立件可能と判断した。
特捜部は今後、データ改竄に大学関係者、他のノ社社員ら会社ぐるみの関与がなかったか捜査するもようだ。検察幹部は「寄付金提供など癒着を勘ぐられても仕方がない状況だ。個人か組織の犯罪か分からないことは多い」と話している。
臨床研究適正評価教育機構の桑島巌理事長は「白橋容疑者は厚労省の有識者委員会の聴取に関与を否定した。委員会はそれ以上追及できなかったが、一連の問題は個人ではなく会社ぐるみで行われた可能性が高い」と指摘。「医療者と製薬企業との癒着がなかったかについても調べてもらいたい」としている。
降圧剤データ改竄 「何も聞いていない」対応に追われる京都府立医大
href="http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20140612513.html">
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2014年6月12日(木)10:13
(産経新聞)
元ノバルティス社員、白橋伸雄容疑者の逮捕容疑となった降圧剤ディオバンの臨床研究が行われた京都府立医大には11日、報道陣からの取材が殺到。研究支援担当の職員らは「私たちも報道で知った。検察からは何も聞いていない」と戸惑いながら、対応に追われた。
◆論文撤回、研究者は辞職…
この研究の中心となったのは松原弘明元教授。気鋭の研究者として知られ、ディオバンの臨床研究も当時、画期的な取り組みとして期待を集めた。研究成果をまとめた論文はディオバンに心臓疾患などを抑える効果があるとする内容だったが、後に「データに致命的な問題がある」として掲載した学術誌が撤回した。
松原元教授は昨年2月、「一身上の都合」として府立医大を辞職。所属していた日本高血圧学会からも退会している。松原元教授らの論文の問題点を指摘した京都大病院の医師は「ひと目見て統計的におかしいと思った」としている。
ノ社は、府立医大をはじめとしてディオバンの臨床研究を行った5大学に計約11億3千万円の奨学寄付金を提供しており、松原元教授らの論文を宣伝広告に活用していた。府立医大などは今年2月、東京地検の家宅捜索を受けていた。
同様に臨床研究でデータ操作の可能性が指摘された滋賀医大は「捜査機関からの協力要請があれば、提供できるところは応じたい」とした。
一方、白橋容疑者がノ社に勤務しながら平成14年4月~昨年3月、非常勤講師を務めた大阪市立大。講義は1度だけだったが、5大学の臨床研究では市大非常勤講師の肩書を使い、ノ社社員であることを明らかにしないまま参加していた。市大医学部の担当者は「捜査中ということもあり、大学としてコメントを出す立場にない」と話した。
降圧剤データ改竄 もたれ合い根深く、社員と研究者不正論文続々
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20140612502.html へのリンク
2014年6月12日(木)08:43
(産経新聞)
ノバルティスファーマをめぐっては、データ操作の発覚を“火種”に不正や疑惑が相次いで明らかになった。個人情報保護法や薬事法違反などの疑いが指摘され、4月に社長が引責辞任する事態となった。
東大などが行った白血病治療薬「タシグナ」の臨床研究では、ノ社の営業担当社員が複数関与し、個人情報を含む全患者のデータを不正に入手していたことが発覚。個人情報保護法違反の疑いが指摘された。
データの回収には上司がコーヒーチケットなどの賞品を出し、社員に回収数を競わせるなどしており、ノ社が設置した第三者調査委員会は4月、調査報告書で「ゲーム感覚で競争の対象にする発想は倫理観の欠如」と厳しく断罪した。
回収したデータには改竄(かいざん)の形跡はなかったが、ノ社側が解析して研究者に提示するなど、もたれ合いの関係を続けていた。一方、患者データに書かれた副作用などの情報は放置し、国への報告義務を怠った薬事法違反の疑いも浮上。データ操作事件が問題になった後には、研究への関与を示す関係書類を廃棄するなど、証拠隠滅も行っていた。
また、別の白血病治療薬「グリベック」などを使った東大や東京医大が中心に行う4件の臨床研究でも、社員がスライド作成を手伝うなどの不適切な関与をしていたことが判明。一連の問題を受けて4月に行われた社内調査では平成14年以降、同社の製品を使った患者の副作用情報約1万件について、社員が医師らから独自に収集しながら放置していたことが分かった。薬事法に違反する行為がなかったかノ社で調べている。
■氷山の一角だ
上昌広・東大医科研特任教授(医療ガバナンス論)の話「奨学寄付金頼みに名ばかりの研究を行い、製薬企業の販売促進活動に使われている臨床研究は他にもあり、今回の件は氷山の一角だ。安倍政権は医療を成長戦略の柱と位置づけているが、不正が続けば国際的な信用もなくす。法律や新たな監視組織を作るのではなく、研究機関や学会が、研究不正に厳しく対処していくことが必要だ」
ノバ社元社員「私用メールに送ってほしい」
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20140612-567-OYT1T50093.html へのリンク
2014年6月12日(木)15:16
読売新聞
高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データ改ざん事件で、ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が、京都府立医大の研究データの管理業者に「私用のメールアドレスにデータを送ってほしい」と要請し、データを直接入手していたことが、関係者への取材でわかった。
東京地検特捜部は、白橋容疑者が受け取ったデータを改ざんした上で、大学側に提供したとみて調べている。
関係者によると、管理業者は、ディオバンを使用した患者と他の薬を使用した患者に生じた症状を、年齢や性別、喫煙歴などでグループ分けした上でデータ化し、大学側にメールで送信する業務を委託されていた。
ノバ社の社員だった白橋容疑者は本来、データを受け取る立場になかったが、この業者に「論文を作成する研究者を手助けするために必要だ」とデータを送るよう要求。当初は、ノバ社で使用しているメールアドレスで受信していたが、途中から送信先を私用のメールアドレスに変更するよう求めてきたという。