徒然日誌(旧:1日1コラ)

1日1枚画像を作成して投稿するつもりのブログ、改め、一日一つの雑学を報告するつもりのブログ。

幕間 運命の席は夢の中を転がる−ケース0.案内

2019-10-07 14:55:13 | 小説






 本文詳細 ↓



 (がやがやと騒がしい店内)
 (白い皮手袋をはめた燕尾服の仮面の店員が一礼する)

 「いらっしゃいませ。本日は当店にご来店いただき、誠にありがとうございます。人間の男性一名様ご案内です。
 まずは簡単に、当店のシステムについて説明させていただきます。当店は肉体という面倒な物質的制限を受けない夢という特別な空間で、一期一会の出会いを皆様に提供させていただいております。普段交流のない方達と席を共にすることで、少しでもよい時間を過ごしていただきたいと思います。その中で、皆様の運命を根底から覆してしまうような出会いをもたらすことができれば、幸いでございます。
 当店はどなた様でも、時間無制限食べ飲み放題となっております。これは性別・年齢・種族・曜日・時間などのあらゆる区分において一切関係なく、全てのお客様、全てのお時間という認識でお間違いございません。
 当店はお食事が全てビュッフェ形式となっております。あちらにご用意がございますので、お客様ご自身でお取りください。ドリンクも同じく、全てセルフサービスとなっております。どんな飲み物か分からないなどということがございましたら、私にお気軽にお尋ねください。
 また、当店では席替えにも対応させていただいております。話が合わないであったり、もっとたくさんの方と相席したいなどということがございましたら、私にこっそりとお伝えください。店内状況によっては少しお時間をいただく場合がございますが、なるべくご要望にはお応えさせていただきます。相席相手の指名はできませんがなるべくお客様同士の相性を見て、こちらでお席を調整させていただいております。ですので、店の都合で席を移動していただく場合もございます。その点はご了承ください。なお、席替えの際はお客様からそういう要望があったことは伝えずにご案内致しますので、ご安心ください。
 いつお席を立たれるかは全て、お客様次第でございます。お渡しする伝票を私に返していただきまして、こちらの扉をくぐっていただけました時点で、本日のご利用は終了とさせていただいております。ただし、相席のお相手が席を立っているときにお帰りになるのは、相手のお客様にも失礼になりますので、ご遠慮いただいております。

 今までのところで何かご質問はございますか?」




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