東京奇譚集 村上春樹

2009-11-08 10:56:15 | 読書
■東京奇譚集 村上春樹 新潮文庫

初完読・村上春樹。
苦手科目を一つ克服しました。 しかしこれは短編集だからなぁ。
長編小説を読んでなんぼだと思うから、近いうちに読んでみましょう。

~~~目次~~~
1.偶然の旅人
2.ハナレイ・ベイ
3.どこであれそれが見つかりそうな場所で
4.日々移動する腎臓の形をした化石
5.品川猿

ジャズの神様とゲイの神様が仄かに登場する「偶然の旅人」は、実話と作り話をミックスする手法で奇譚への導入部という役割を担っている。

「ハナレイ・ベイ」はピアノ・バーを経営している中年女性が主人公。
物語はサーファーの息子がハワイの海で事故死したところから始まって、彼女の半生を振り返りながら、これからの生き方を模索する。
幽霊らしきものがちらりと登場するから奇譚なのだろう。

マンションの26階から24階に降りる階段のどこかで消えてしまった男がいた。
そのような、いわゆるバニシング・ポイントを探すもうひとりの男の行動を描いた「どこであれそれが見つかりそうな場所で」。

男の一生に本当に意味のある女は三人しかいない。
「日々移動する腎臓の形をした化石」では、一人目の女を獲得しそこなった男が、残りの二枚のカード、いや二人の女を探している。

「品川猿」って変な題名だと思いながら読んだ。
最近自分の名前がわからなくなる時があると心理カウンセラーに相談に来た女性がいた。
数ヶ月後、カウンセラーは檻に入れた一匹の猿を女性に見せた。 「これが犯人です」

~~~~~~
全体としては静謐、普通のことばで表現すると活気がない短編集。
だからといってつまらないというわけではなく、活気がないのが持ち味なのかもしれない。
初・村上春樹としてはそこは判断がつかなかった。

個人的に面白かったのは「品川猿」。 これは今昔物語の世界。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みいやん&小春)
2009-11-08 20:12:31
Fさんとむー君の所は

http://d.hatena.ne.jp/Firehook/

お目当てのところと違ってたらごめんなさい。
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☆みいやんさん (デュエット)
2009-11-08 22:52:53
すみません、ありがとうございます。
教えていただいたURLで間違いありません。
最近は更新をしていらっしゃらないんですね。

でも、小春ちゃんのところにコメントを残されているのを見て安心しました。
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嬉しいです^^ (そらいろみず)
2009-11-11 12:01:05
単純に、デュエットさんが、村上春樹さんの本をお読みになったのが、ちょっととっても嬉しくて♪

自分が読んだことのない本だったので、
昨日早速、図書館で借りてきまして、
さっき読み終えました^^

自分の中で、うふふ、と思ったのが、
これから多分、姉にもこの本を薦め、

かつすすめた上で、以降、なにかものを忘れるたびに、品川猿をネタにして密かに笑いあうだろうなあ~という^^

また自分の感想などもちゃんと書こうと思います^^

で、今までなかなか読めずにいたのですが、
デュエットさんが、私の好きな作家さんの本を図らずも(ってなんかへんですが^^)読んでくださったのだから~、と、

「街の灯」
「ハ璃の天」
「家守綺譚」

のまずは4冊、借りてまいりました。。

街の灯、は一気に読みました。好きです♪

梨木香歩さんの本を、次に手にとっております^^
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☆みずちゃん (デュエット)
2009-11-12 01:19:53
戯曲が読みたくなって「欲望という名の電車」を読み始めました。
今度は長編・村上春樹にチャレンジしますね。

「街の灯」読んだのが少し前だったので立ち読みで読み直したところです。(笑)
2巻目、3巻目ともっとよくなりますよ。 乞うご期待です。
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