中庭の出来事 恩田陸

2009-11-08 23:04:11 | 読書
■中庭の出来事 恩田陸 新潮文庫

TV放送の「点と線」を見終わったところ。
2年前に放映した特集のダイジェスト版のせいか上すべりで深みを感じなかった。
ビートたけしが最後までビートたけしに見えたのも、ダイジェスト版だからでしょうか。
それでも「鉄道時刻表が謎解きの鍵」という以外はスジをすっかり忘れていたから見ておいてよかったと思う。

さて、「中庭の出来事」のあらすじを書けるだろうか。

1.人気脚本家の不審死
2.ある女優の不審死
3.若い女性の不審死

この三つの死を解き明かそうとするミステリである。
ただし劇中劇の形式をふんだんに採用しているため、どこまでが本当の出来事でどこからが劇のシーンなのか、集中して読んでいないとわからなくなるから注意。
わたくしは一度見失って、何十ページも読み直す羽目になった。

シェイクスピアの「真夏の夜の夢」のセリフが度々登場する。
「真夏の夜の夢」を知らなくても問題はないけれど、知っていれば楽しい。
ついでにいうと、解説は小田島雄志(シェイクスピアの翻訳家)だ。

わたくしは久し振りにわくわくしながら読み、楽しい読書時間を過ごすことができたが、アマゾンやmixiのブックレビューでの評価は最上から最低まで綺麗に分布していた。
古くからの恩田ファン、若い恩田ファンの評価がおしなべて低いようだ。
なぜでしょうね。読んで損はないと思うのですが。


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