シモーネ=ヤングの「ロマンティック」

2008年06月21日 23時39分21秒 | 巻七 ブルックナーが私に語ること
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(1874年第1稿)[70:00]
 第1楽章 Allegro [19:54]
 第2楽章 Andante quasi allegretto [18:28]
 第3楽章 Sehr schnell. Trio. Im gleichen Tempo [12:45]
 第4楽章 Finale : Allegro moderato [18:53]
 ハンブルク・フィルハーモニー
 シモーネ・ヤング(指揮)

 録音時期:2007年12月1-3日
 録音場所:ハンブルク、ライスハレ(ムジークハレ)でのライヴ
 SACD Hybrid

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女性指揮者。
女性○○だの、女流○○だの、
大きなお世話の表現ではある。

このヤング盤のポイントのひとつは、
マイナーな第1稿に拠っていることだろう。
恥ずかしながら、俺は初聴である。

噂には聞いていた。
第3楽章が、一般的な第2稿とはぜんぜん別物だ、と。

確かに。

たとえば第2稿が騎士の登場だとしよう。
俺はいつも、第505重戦車大隊の部隊章を思い出してしまうんだが。
狩りの風景、というのが定説か。一般的には。

じゃあ、この第1稿のこれは何だ?
ホルンが歌って、他が答えるパターンは同じだ。
これも、狩りの信号と言われればそうだが。

ある種物悲しく、寂寥とした。
ブルックナー特有の野趣?全開。

第4楽章も非常に新鮮に聴こえる。
ただ、この場合は第2稿の方が親しみやすいのかも。
第1稿のままだったら、
この「ロマンティック」がブルックナー随一のシンフォニーと位置付けられたかどうか。
知らんけど。


演奏は、
少なくとも「女性指揮者」を意識させるような「何か」はありません。
普通に、崇高なるブルックナー演奏の一つとして聴き惚れた。
誤解されないように言うが、
これは最大の讃辞。
これほど鈍重で分厚い第4番、参りました。
敢えて言おう。
版の問題は、瑣末である。と。

5番とか7番8番とか、期待していいのだろうか?

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