先日まで、朝日新聞の社会面において、子供たちが被害者となった性暴力についての記事が連載されていた。
同級生や上級生などが加害者となる、子供同士の関係で行われる事案がテーマとされていた。
読んでいて、思い出したことがある。
子供同士の話ではないけれども。
放課後、時には児童会室に集まって活動をすることがあった。
その部屋は空き教室で、不思議なことに暗幕が張られて暗かったイメージが頭に残っている。
児童会メンバーは、俺の他には女子二人。
そして、男性教師一人。
その教師、恐らく30歳前後だっただろうか。
背が高く、ガッシリとした体格。角刈り。顔の輪郭も四角。柔道着が似合いそうな。
その教師、体格の割には温厚そうな顔つきで、実際怒鳴ったり怒ったりすることが少なかった。
そうだ、南伸坊という人にそっくりだったことを覚えている。
その教師、下の名前は今でも記憶している。
弟と同じだったから。
その教師、俺の担任ではなく、児童会の顧問みたいな立場だったかと思う。
そんな児童会活動の日々において、何度か、次のような経験をした。
机がくっつけて並べられているところに、俺が一人仰向けに寝かされて。
(自発的に横になったつもりはない。)
その教師が、俺の身体を「いじる」。
「いじる」という表現が適切なのかはわからない。
言い換えるなら、「くすぐる」「まさぐる」「いじくりまくる」。
どれも当てはまるように思う。
教師が特に入念に「まさぐった」のは、俺の下半身。陰部だ。チンポだ。おちんちんだ。
そのとき、教師はいつも以上に笑顔だった。楽しそうに見えた。
そして、一言も発していなかった。
そのとき、俺はくすぐったさと妙な気恥ずかしさを感じていた。
快感か不快感かと問われれば、少なくとも喜んではいなかったと思う。
その行為が行われる際は、教室に俺と教師二人しか居ないこともあれば、女子たちも共に居ることもあった。
彼女たちは、すこし離れてた場所にいて行為の様子を少し覚めた視線で(そのように俺には感じた)見ていた。そんな光景を覚えている。
当時、学校であったこの話を家で母親に話したことも一回くらいはあったかと思う。
母親の反応は、少なくとも肯定的なものではなかったと記憶する。
今ならともかく、小6の自分にとって、性暴力やセクハラなどという概念などほぼ理解しておらず。
なされている行為が、なぜ行われているのか、自分はどう反応(対応)すべきなのか、そして社会的にどのように位置付けられる事なのか、考えもしなかった。
これって、性暴力だったと言えるのだろうか。
俺がいま仮にこのエピソードを誰かの体験談として耳にしたら、完全にアウト案件だと即答するだろうな。それだけは断言できる。つまり、そういうことなのだろうと思う。
あの時の教室の暗さ、教師の満面の笑顔、触られている感触。
たぶんずっと忘れないとおもう。
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