前説
安倍政治の非論理性~行き当たりばったり主義は日本外交を破綻に導く
櫻井 智志
今回の孫崎氏の評論は、ロシアと日本の外交に関わる状況を論じている。
せっかく北方領土問題について、プーチン大統領が歯舞・色丹の二島返還を備えている時、ロシアとウクライナとがクリミアをめぐって紛争状態にある時、安倍首相はウクライナに行って、巨額資金を提供した。安倍首相には内政も外交も自分の政策方針んなどない。アメリカが右を向けば、右を向き、左を向けば左を向く。日本はこの道を進みたいのだという方針も意志もない。このような右往左往は、相手国の信頼を突き崩す。おそらくプーチンは、安倍の発言を適当にあしらうだけでまともな外交の相手とは考えまい。
アメリカ首脳はオバマから別の人物に大統領が変わる。他の国には、議論や論争があっても、究極としては相互の国益を考えるだろう。しかし日本に対しては、「ドレイ」の国家としてしかあしらわれない。日本政府がアメリカにまっとうな発言をおそれずに言う時は言うようでないと、皆さんが帰宅した時に擦り寄ってくる子犬や子猫と同じようにしか、アメリカは日本のことを考えていない。なにも右翼民族主義になるべきというのではない。独立国としての主権を堅持して、「できることはできるが、できないことはできない」とする言論を主張すべきである。
アメリカの上下両院に行って、安倍首相は、日本の国会でも提示していないことを、期限を示して安保法制法を国会で決定する、と公言して拍手喝采を浴びた。安倍には「拍手喝采」の内容を吟味するだけの余裕も思考もない。受ければそれは正しい、という日本のコメディアン、芸人、タレント、漫才師と同等の発想である。いや、日本の漫才師やコメディアンはもっと物事を考えているのだ。観客にどうやったらうけるか。しっかり考えて、コントや漫才を展開している。安倍首相にはそれだけの冷静な思考も分別もない。
国会答弁の様子を思い出せば、一目瞭然だ。閣僚席から野党傍聴席に軽率で事実と隔たった暴言でやじる。日本国会史上空前の醜態である。内政も外交もしっかりと熟した論理的体系など皆無だ。
あるのは、さまざまなキャッチ・コピーと美辞麗句と曲学阿世の徒たちの低俗な「理論」だけである。国民の年金を株式市場に莫大な投入をおこない、外国資本の株の投機によって得たあぶく銭のような利益を一部富裕層と大企業に利益としてもたらす。そのような「博打経済行為」こそ「アベノミクス」なる奇天烈な意味不明の単語の空疎な内容に過ぎない。
日本のマスコミとジャーナリズムからこう叫ぶ勇気ある者はいないのか、「王様は裸だ!」と。
【孫崎享のつぶやき】
安倍対米隷属外交のつけ。北方領土問題に関するロシア側対応。プーチン大統領は領土問題の解決を真剣に目指していた。歯舞・色丹の2島返還用意。しかしクリミア問題勃発。政権はナショナリズムに大きく依存、この中2島返還もプーチンですら実施できない状況。
2016-07-19 07:403
極めて確度の高い情報。発言者はロシア外交のほぼ最高位にいたことのある人物。
発言内容。
「プーチン大統領は日本との領土問題の解決を真剣に目指していた。歯舞・色丹の2島返還を行うつもりであった。
しかしクリミア問題勃発。プーチン政権はこの危機的状況下、ナショナリズムに大きく依存することとなった。
この中今や2島返還もプーチンですら実施できない状況になっている。」
参考1:
・日ソ共同宣言(日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言)
[年月日] 1956年10月19日
9 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は,両国間に正常な外交関係が回復された後,平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。
ソヴィエト社会主義共和国連邦は,日本国の要請にこたえかつ日本国の利益を考慮して,歯舞諸島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし,これらの諸島は,日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。
参考2:2015年7月23日朝日新聞「ロシア首相、北方領土訪問の意向 大統領訪日交渉に暗雲」
「ロシアのメドベージェフ首相は23日、モスクワ郊外で開いた閣議で、近く北方領土を訪問する意向を明らかにした。島を国境防衛の拠点として強化する考えも強調した。日本側が年内のプーチン大統領の訪日実現を目指した交渉を進めていることを背景に、北方領土問題で妥協の余地がないことを示す狙いとみられる。」
参考3:
クリミア問題は、ソチ冬季オリンピックというオリンピック成功を望むロシア政権が動けない時に、ウクライナ政変を米国が仕掛けたもの。中心人物にヌーランド国務次官補。このヌーランドの夫はネオコンの中心のロバート・ケーガン。ロシアとウクライナとの緊張状態がある中、安倍首相はウクライナを訪問し、巨額の資金支援。ロシアの敵になることを示した。
安倍政治の非論理性~行き当たりばったり主義は日本外交を破綻に導く
櫻井 智志
今回の孫崎氏の評論は、ロシアと日本の外交に関わる状況を論じている。
せっかく北方領土問題について、プーチン大統領が歯舞・色丹の二島返還を備えている時、ロシアとウクライナとがクリミアをめぐって紛争状態にある時、安倍首相はウクライナに行って、巨額資金を提供した。安倍首相には内政も外交も自分の政策方針んなどない。アメリカが右を向けば、右を向き、左を向けば左を向く。日本はこの道を進みたいのだという方針も意志もない。このような右往左往は、相手国の信頼を突き崩す。おそらくプーチンは、安倍の発言を適当にあしらうだけでまともな外交の相手とは考えまい。
アメリカ首脳はオバマから別の人物に大統領が変わる。他の国には、議論や論争があっても、究極としては相互の国益を考えるだろう。しかし日本に対しては、「ドレイ」の国家としてしかあしらわれない。日本政府がアメリカにまっとうな発言をおそれずに言う時は言うようでないと、皆さんが帰宅した時に擦り寄ってくる子犬や子猫と同じようにしか、アメリカは日本のことを考えていない。なにも右翼民族主義になるべきというのではない。独立国としての主権を堅持して、「できることはできるが、できないことはできない」とする言論を主張すべきである。
アメリカの上下両院に行って、安倍首相は、日本の国会でも提示していないことを、期限を示して安保法制法を国会で決定する、と公言して拍手喝采を浴びた。安倍には「拍手喝采」の内容を吟味するだけの余裕も思考もない。受ければそれは正しい、という日本のコメディアン、芸人、タレント、漫才師と同等の発想である。いや、日本の漫才師やコメディアンはもっと物事を考えているのだ。観客にどうやったらうけるか。しっかり考えて、コントや漫才を展開している。安倍首相にはそれだけの冷静な思考も分別もない。
国会答弁の様子を思い出せば、一目瞭然だ。閣僚席から野党傍聴席に軽率で事実と隔たった暴言でやじる。日本国会史上空前の醜態である。内政も外交もしっかりと熟した論理的体系など皆無だ。
あるのは、さまざまなキャッチ・コピーと美辞麗句と曲学阿世の徒たちの低俗な「理論」だけである。国民の年金を株式市場に莫大な投入をおこない、外国資本の株の投機によって得たあぶく銭のような利益を一部富裕層と大企業に利益としてもたらす。そのような「博打経済行為」こそ「アベノミクス」なる奇天烈な意味不明の単語の空疎な内容に過ぎない。
日本のマスコミとジャーナリズムからこう叫ぶ勇気ある者はいないのか、「王様は裸だ!」と。
【孫崎享のつぶやき】
安倍対米隷属外交のつけ。北方領土問題に関するロシア側対応。プーチン大統領は領土問題の解決を真剣に目指していた。歯舞・色丹の2島返還用意。しかしクリミア問題勃発。政権はナショナリズムに大きく依存、この中2島返還もプーチンですら実施できない状況。
2016-07-19 07:403
極めて確度の高い情報。発言者はロシア外交のほぼ最高位にいたことのある人物。
発言内容。
「プーチン大統領は日本との領土問題の解決を真剣に目指していた。歯舞・色丹の2島返還を行うつもりであった。
しかしクリミア問題勃発。プーチン政権はこの危機的状況下、ナショナリズムに大きく依存することとなった。
この中今や2島返還もプーチンですら実施できない状況になっている。」
参考1:
・日ソ共同宣言(日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言)
[年月日] 1956年10月19日
9 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は,両国間に正常な外交関係が回復された後,平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。
ソヴィエト社会主義共和国連邦は,日本国の要請にこたえかつ日本国の利益を考慮して,歯舞諸島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし,これらの諸島は,日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。
参考2:2015年7月23日朝日新聞「ロシア首相、北方領土訪問の意向 大統領訪日交渉に暗雲」
「ロシアのメドベージェフ首相は23日、モスクワ郊外で開いた閣議で、近く北方領土を訪問する意向を明らかにした。島を国境防衛の拠点として強化する考えも強調した。日本側が年内のプーチン大統領の訪日実現を目指した交渉を進めていることを背景に、北方領土問題で妥協の余地がないことを示す狙いとみられる。」
参考3:
クリミア問題は、ソチ冬季オリンピックというオリンピック成功を望むロシア政権が動けない時に、ウクライナ政変を米国が仕掛けたもの。中心人物にヌーランド国務次官補。このヌーランドの夫はネオコンの中心のロバート・ケーガン。ロシアとウクライナとの緊張状態がある中、安倍首相はウクライナを訪問し、巨額の資金支援。ロシアの敵になることを示した。