三都deドラマ

岩国・加古川・京都で演劇教育をすすめる3人の活動を報告します

演劇教育セミナー12・21 in加古川   ドラマの授業「やまなし」 〈午後2〉

2014年02月23日 22時14分49秒 | 演劇教育

くらむぼん・さかな・かに兄弟の場面をつくる。
5月前半の抜粋(かにの会話を中心として)をかにの兄弟が会話しト書きはファシリテーターで。

楽しいくらんぼんの世界


 魚が現れる
くらむぼんの死





魚が去り再び以前と同じ光景「くらむぼんの世界」に
しかし、不安にかられるかにの兄弟



魚もグループによってイメージの違いがありそれぞれが深くとらえられていました。前転をしなが突ききっていくグループ。そのシャープさで光の粒がはじきとばされていきます。
芦屋のマダムのように尾ビレではねながら通り過ぎていくグループ。その尾ビレに泡が巻き込まれていく光景も印象的でした。


美しい光の網の場面をつくる。

布を提供する。
布を使うことでさらにその世界を効果的に表現することができました。
さすがです。

さらに

太陽→波(川面)→光の網(川底)
太陽→ゴミ(川面)→光の影の棒(川底)
この3者の連動についても意識できることがさらにその世界を豊かにするのではないでしょうか。
授業の中では、川面の揺れの強弱に川底のゆらぎに連動していくことでもその世界を味わうことができたようでした。

2つの場面を連続して演じる。場面の前半と後半部分に音楽を選択して入れます。(こちらで用意した3曲から選ぶ。)






はい
休憩です。

最後のアクティビティになります。
かにの兄弟 魚 カワセミ 白いカバの花の世界をつくりましょう。
スティルイメージ(静止画)3シーンをつくります。
2シーンは、「劇的な恐怖」とします。
最後のカバの白い花をどうとらえるのかもそれぞれの読みの中でかわってきます。
また、演じる中でも変化していくのではないでしょうか。ではどうぞ。

Bグループ








Aグループ








この映像は1回目の3rdシーン


劇的な恐怖のシーン(第2シーン)も白いカバの花のシーンもそれぞれの解釈のなかで随分と違う表現になっています。
第2シーンでは、突き刺す鋭角なイメージ・抱え込んで命を昇華させるかのようなイメージ
第3シーンでは、感情を殺して淡々と流れるイメージ・命への慈しみをもつ仏画のようなイメージ
Aグループの交流の後の2回目の第3シーンでも、同じようには見えますが、やはり変化が見て取れます。
こうやって表現してみようとあらかじめプランを持って演じる。しかし、交流することで、自分の中の気付きによって認識に変化が生じることによって表現は変わっていくものなのだということを実感しました。思考・感情・体の総体として表現があること。周りの環境や他者との関係の中で変化した表現が思考・感情・体とつながりあっていることを再確認することができました。

宮沢賢治の世界:「全ての物がつながりあいそして矛盾しながら存在し、変化していく」その世界をすこしでも感じていただければありがたかったです。
さて、
残念ながらここで時間切れです。
5時間半お疲れ様でした。

おまけ
最後のアクティビティはできませんでしたが、以下のようなプランをたてていました。


その夜見た夢
かにの兄弟の見た夢・かわせみの見た夢をグループでつくる。

本文にはなにも記述されていない世界です。しかし、創造力を働かせてその世界に入ってみるとおもしろいのではないでしょうか。

さらに「二 十二月」のやまなしが落ちてくる場面を考える。
ホットシッティングをつかって
かにのお父さん(教師) かにの兄弟(参加者)が2つのグループに情報を伝えながら紙に書き出し、それぞれのグループで半円のやまなしにいろをつけていきます。
見方によって同じやまなしでも様々な見え方をする。(矛盾)
参加していただいた皆さん感想を紹介します。

・久しぶりに演劇教育セミナーで、忘れていた表現の楽しさを思い出しました。
 3学期の授業にも活かしたいです。
 
・楽しく学ぶことが出来ました。
 感じ方の違いや、場面の理解、作り方の違いを見ることが出来、 
 表現することの難しさを感じました。
 どう感じることが正しいのかを、ついついおってしまうのですが・・・・
 
・体の力を抜いて、表現することが楽しかったです。
 グループで表現を練り上げていくことも楽しかったです。
 「やまなし」のクランボン一つとっても、解釈や表現がいろいろ出来ること、
 読みがしぜんと深くなったり、
 自分一人ででは考えていなかった解釈があって、、新たな発見がありました。
 
・これまで受けたことの無いセミナーで、大変勉強になりました。
 子どもの動きたいと言う本能にあった授業をしていきたいと感じました。
 
・6年を担任すると、昔のようにゆとりが無く劇化は難しいが、
 中学年以下だと、授業で出来そうなことをたくさん学べた。
 3つのシーンを写真(静止画)にするなど、動けない分をどう表現したらよいか工夫が必要だった。
 初めて会った人たちと、たった数時間で話し合って活動できるのが驚きの発見だった。
 
・宮沢賢治の詩の世界をアクティブにドラマチックに身体表現する
 とてもフレッシュな大人の遊びが出来て、楽しく体験できました。
 静止画作りが楽しかった。
 個人としてイメージしたり工夫したり、・・・また、グループの連携も互いのイメージや表現を引き出しあえて、
 改めて、「ことば」の豊かさや、市場に浸れました。
 また、初めて出会う者同士でも、即興的に柔軟に何かを表現し合えることが新鮮で、興味深かったです。
 お互いに演じあい話し合うことも両面から味わえるので、勉強になりました。
 向先生の優しいおおらかなご指導があって、のびのび生徒の気分で参加でき楽しめました。
 のびのび良いところを誉めたり感動して下さるので、挑戦意欲がわきました。

皆さんのご協力で無事終えることができました。

ありがとうございました。
 



 

 




 



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