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ブログ版「泥鰌の研究室」

 信州飯田周辺の方言(飯田弁)を発信しながら、日本語について考えていきます。

「庭」に関する方言

2005-01-28 | 「信州下伊那郡方言集」採録方言
「信州下伊那郡方言集」に採録されている「庭」に関係する方言を拾ってみた。

エノカド、オモテ
 表庭。母屋の前の空き地をさす。
 農家の場合、籾や蚕具の乾燥場にしたり、収穫作業の仕事場になった。
 「エノカド」の「エ」とは、「イエ」(家)がつまったものと考えられる。

ツボドコ、ツボキバ、ツボニワ
 庭園をさすことば。
 「ツボキバ」の「ツボキ」とは、庭木をさす方言で、「庭木がある場所」ということで、「ツボキバ」ということであろう。「バ」とは「場」と考えてよい。

ノリ

2005-01-20 | 「信州下伊那郡方言集」採録方言
信州下伊那郡方言集の解説
  傾斜、勾配。石垣や堤、屋根などの勾配の度合いを「ノリが急だ」、「ノリがゆるい」などと言う。

同様の語彙が採録されている。
 「ノリヲツケル」
  石垣、土手などを造るとき、傾斜をゆるやかにする(こと)。

石垣はさきにしめしたように「ツイヂカケ」というが、垣根は「クネ」という。(同書)
この「クネ」を造ることを「クネヲユー」というとさらに解説されている。

「ユー」とは「結う」で、結ぶこと。つまり、垣根を作るさまからこうした表現が生まれたと考えることができそうだ。

ツイヂカケ

2005-01-08 | 「信州下伊那郡方言集」採録方言
信州下伊那郡方言集の解説 石垣

日本方言大辞典(小学館全3巻)には、「ツイジ」を見出しにして、その派生語として収録されている。「ツイジ」とは「築地」と表記する。石垣を意味する(埼玉県秩父郡、東京八王子ほか)ほか、石崖(山梨県、静岡県榛名郡)、防風林(島根県)、防風垣(隠岐島)の意味で使われている。