ここの天候の不安定な変化に体がついていけず、風邪を引いている方が多くご相談に来られています。
この天候の変動制は春季の特徴といわれていますが、温かいと思うと突然寒い日があったりします。日が照っていても風が冷たかったりします。これからはだいぶ温かくなるから大丈夫と思いがちですが、油断の出来ない季節という感じです。
だいぶ以前の経験ですが、ゴールデンウイーク直前に強烈な発熱、悪寒、頭痛、惡心、嘔吐、下痢をを起こした方がいます。漢方薬の煎じ薬の服用で回復していただいた経験があります。
今日もインフルエンザにかかった患者様が抗インフルエンザ薬のイナビルの処方された処方せんをもってきております。突然、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛というような方もいますが、普通の風邪かなと思っていたらその数日後にジワジワと熱がでてきた方や筋肉節々が痛く感じる方や惡心、嘔吐、下痢など胃腸症状が現れる方もいます。熱が下がったと思ったら又上がり交互にくるような方もいます。
医院に診察したときはインフルエンザは陰性だったので安心していたら、その後症状が悪化してきたので再受診したら陽性になっていたという方もいます。現在、西洋医薬にはインフルエンザにはタミフル リレンザ イナビルなど特効薬がありますが、
漢方薬の「麻黄湯」(麻黄;桂皮;杏仁;甘草)をインフルエンザの患者様に投薬して有効性を調べたところ同等の効果が確認されたという報告があります。風邪かインフルエンザか解りづらい場合など漢方薬の「麻黄湯」などが良いのではという考え方があります。
漢方薬には
発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、には「麻黄湯まおうとう」。
首こり肩こりがひどい場合には「葛根湯かっこんとう」。
寒気、頭痛、腰痛などには「麻黄附子細辛湯まおうぶしさいしんとう」。
関節痛、神経痛に冷えを感る場合には「桂枝加朮附湯けいしかじゅつぶとう」。
発熱、頭痛に惡心、嘔吐、下痢などの胃腸症状の強い時には「藿香正気散かっこうしょうきさん」などが良く用いられ効果を発揮します。
それぞれ飲みやすいエキス顆粒、細粒などがあります。
その他に
疲労倦怠、食欲不振や手術後などの補剤としても用いる「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」にも、ウイルスの増殖を抑える効果があることがわかっています。
風邪をひきやすいタイプの人などに予防として用いたりするのも効果的です。中医学では「玉屏風散ぎょくへいふうさん:(生薬の黄耆、白朮 防風が入っています)」という処方も自汗し感冒などを引きやすいタイプの人に体質改善などにも用いられます。
薬局でご相談により購入できる漢方薬は証(症状)に合わせたものを用いるととても有効です。体を補い免疫力を上げることでウイルスの増殖を抑制するなどの漢方薬の特徴を生かして上手にご利用していただければと思っております。