五行日記

健康ニュースや日常の出来事、感想、意見など。

第56回 漢方薬と見えない薬 (言葉の薬) 

2013-04-25 18:00:33 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
陰陽太極図


良薬、口にうまし

漢方薬と見えない薬 ( 言葉の薬 )
 西洋薬同様に漢方薬にも精神的な症状に働きがある多くの処方があります。漢方には生薬の複合的な働きで補う力があり抑制的に働きすぎないという利点があります。
見えない薬のパワー ( 言葉のパワーとモーション )
 
 漢方カウンセリングを受けて、体がぽかぽかして体調が良くなった感じがすると言う人が時々います。これは不思議なことではなく、人は冷たい言葉で心が冷えたり、温かい言葉で心が温まったり、その影響が体にでることもあるのです。
そして、体の姿勢や動きも心と繋がっています。下を向き続けると自然に気持ちが落ち込みますが、両手を上に広げて、顔は上に向けてスキップすると自然と気持ちまで上向きになります。この姿勢や動きを利用してみましょう。お金のかからないもう一つの良薬といえます


ブログ追記文
心理学をもちいた 感情コントロール法というものがあります。心と体には密接な相互関係がありますので、気持ちが落ち込むと顔や体の姿勢も下を向くようになり、気持ちが晴れ晴れしている時には、上向きになり前を向きの姿勢になるという作用です。これに、私達が日頃から使う言葉は誰よりも自分が多く聞いているということに気づくことで、自分への言葉の暗示力の影響を知ることができます。その力を上手にもちいれば、相当の体に対する良い影響を与えることが出来ます。一、体の姿勢。 二、言葉。三、解釈。によって感情をコントロールする方法があります。


「良薬口にうまし」は今回をもって終了いたします。長い間、有り難うございました。今後はホームページのブログにて更新をしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。タウンニュース誌の平成28年2月28日号から始まったこの連載も早いもので5年間56回目を数えました。一区切りとして一旦筆を置かせて頂きますが、今後も漢方の素晴らしさを様々な場面で伝え続けていきます。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第55回 体と心のケア(癌)

2013-03-27 11:25:58 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
上写真:エキス顆粒と煎じ薬がある十全大補湯

良薬、口にうまし

体と心のケア  ( 癌  )
 悪性腫瘍を治療中の方から、東洋医学の立場を聞かれることがよくあります。「西洋医学の治療をしているが東洋医学的に効果のあるものは?」というものです。体力の低下や術後の回復に補中益気湯(ホチュウエッキトウ)、十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)、人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)などがよく用いられます。抗がん剤や放射線療法に伴う副作用の軽減にも症状に合わせてい多くの漢方薬が用いられています。
「法薬」
 しかし、もう一つ大切なものがあります。それは「目にみえない薬」です。仏教医学には目に見える物質の薬・「物薬」と目に見えない薬・「法薬」があると言われています。心身のストレスを取り除く言葉や考え方、行いなどを含みます。それにより体の免疫力があがり、自然治癒力も最大に活用されることになります。人は無意識に自分の健康に悪い影響をあたえる言葉を使っていたりしますので、カウンセリングで本人に心の栄養とエネルギーを注ぐ言葉を与え考え方を変える方法があります。「まずは言葉を良薬にしましょう」。

タウンニュース掲載文はここまでです。
追記、
私達は絶えず脳で考えていますが、映像と言語によってとらえています。私達の思いや考え方が肉体を通して表現されています。心と体が繋がって影響しあっていることは誰もが知っています。いゃな言葉を聞いて、胸が痛くなったり、その言葉と映像、映像だけでも思いだすと、食欲がなくなったり、いやな人を見ただけで、蕁麻疹がでたりする人もいます。誰もが知っていることなのに、物質・肉体にだけ目がいってしまう人がいます。肉体のケアをするには心・思考のケアがいかに大切であるかを知っていただきたいと思います。中国哲学の「太極陰陽図」では肉体と心の調和を表します。中国漢方医学は調和こそ大切にしています。チベット医学では肉体はもとよりさらに人の心・スピリッツについてのアプローチ法もあるわけです。 東洋医学には「物を見て気を見る」という言葉があります。「目に見える木の葉の舞いを見て目に見えない空気・風の流れを見つける」のと同じことです。私は見るではなく、表裏・陰陽を「観る」を心がけています。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第54回 花粉症に効果がある漢方薬

2013-02-21 13:20:13 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
上写真:エキス顆粒と煎じ薬がある小青龍湯

良薬、口にうまし

花粉症に効果がある漢方薬  
毎年、花粉症の季節がやってくるたびに憂うつになる方もいるかと思います。
体が冷えている方で鼻水、くしゃみが主なら「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」。温めて水の代謝を調整してくれます。冷えの程度と症状が強い場合は「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」がとても良く効いてくれます。それにプラスして鼻閉があるならば、「葛根湯加川芎辛夷(かつこんとうかせんきゅうしんいとう)」が良いでしょう。炎症の強い鼻閉で粘りのある鼻水、目の痒み、充血、口渇などの熱証がある場合は「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」も良く効いてくれ蓄膿症や慢性の鼻炎の改善にも適しています。
眠くならない!
花粉症対策として漢方薬の最大の利点は「ねむくならない」ということにあるでしょう。仕事中、勉強中、運転中の方にとても有効です。頭がすっきりしてシャキンとするものもあります。ただし、胃腸や心臓の弱い方にはそれに適応した漢方薬がありますからご相談してください。

ご案内、当薬局にて3月24日 一般向けアロマセミナーを開催予定です。ご興味のある方はご連絡をお待ちしております。詳しくはホームページを御覧ください。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第53回 茴香(ういきょう)・フェンネル

2013-01-21 10:37:36 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
写真: 生薬の茴香 と ハーブティー

良薬、口にうまし

茴香(ういきょう)・フェンネル) 
朝晩と寒く冷えるこの季節に、「口にうまい良薬」はないかと思っていると、頭に浮かんだ生薬が「茴香」です。昔、腐った魚肉に混ぜると香気を回復するので、「回香」と呼ばれたのが「茴香」の由来です。
香りも良い薬
欧米ではフェンネルと呼び香辛料として魚や肉料理によく使われますが、薬として精油成分には腸の運動を促進し、腸内のたまったガスを排泄させる作用があります。漢方では内臓を温める働きもあるので胃痛、嘔吐、下腹部痛、腰痛など冷えを原因とする種々の内臓痛に応用されます。冷え性で胃痛や胸やけに用いる漢方処方の「安中散(あんちゆうさん)」などや口中清涼剤の「仁丹(じんたん)」にも含まれています。欧米ではダイエットの効果もあるとして一般的に知られています。インドでは食後にも消化促進、消臭として食べる習慣があるようです。料理にも使え、ハーブティーとしても良いです。体も温めるので、寒いこの季節に胃腸の働きが今ひとつで、口臭が気になり、ダイエットに興味がある方などにお勧めしたい漢方ハーブといえます。







  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第52回 冬は補益 ! (やまのいも・山薬) 

2012-11-21 10:19:30 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
写真:自然のヤマノイモ・生薬の乾燥 山薬(さんやく)

良薬、口にうまし

冬は補益(ほえき)! (ヤマノイモ・山薬(さんやく)) 
冬は寒く、自然界の動植物が栄養を十分に蓄えて休眠状態に入りますが、東洋医学では精気を養い、力強さを蓄えるのによい時季だと言われています。
「山のうなぎ」
ヤマノイモは煮たり、ご飯に入れて山薬飯にしたり、あるいはお菓子を作ったりできて、どれも美味しいです。色、香り、味の3拍子がそろった補益品だといわれ「山のうなぎ」といわれるほどの強壮効果があります。漢方では補肺固腎(ほはいこじん)( 衰弱した肺の機能を高め、生殖機能を保つ )、肌を潤す健脾益気(けんぴえっき)( 胃腸を丈夫にし、吸収力を高め体力をつける )などの働きがあり下痢や咳嗽、糖尿病の治療、さらに滋養薬として胃腸虚弱や体力低下の改善に用います。糖尿病の治療などに応用される漢方薬の「六味丸」、「八味丸」にも含まれています。体を潤す野菜であり生薬なのです。
身近な旬の食材ですが続けることで生薬の効果もでますので、皆さんぜひお試しになってはいかがでしょう。この冬にこそ精力を養い、蓄え来年の春に向けた体力につなげていきましょう。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第51回 桔梗 (キキョウ)

2012-10-17 18:49:47 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
写真:桔梗の花・根

良薬、口にうまし

桔梗(キキョウ)  
 秋の七草の一つにあげられる桔梗は開花の直前にバルーンのようにふくれるのでバルーンフラワーともいわれ紫色のとても綺麗な花をさかせます。桔梗はお隣韓国では「トラジ」といい、代表的な民謡や根を茹で塩漬けなどにする食材としても親しまれています。
諸薬(しょやく)の舟楫(ふなかじ)
 漢方では咳きを止め・痰を取り・膿を排泄する効能があり、咳き、咽の腫れ痛み、下痢などに用います。また「諸薬(しょやく)の舟楫(ふなかじ)」と呼ばれ、他の薬の効き目を舟で乗せて肺などの体の上部へ運ぶような働きがあることから多くの漢方処方に応用されています。上気道炎や咽喉炎などでのどが痛み、声が枯れるときに生薬の生甘草(しょうかんぞう)と配合した「桔梗湯(ききょうとう)」。膿性鼻汁がみられるときは「葛根湯加桔梗石膏(かっこんとうかききょうせっこう)」。慢性化した中耳炎などには「小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせつこう)」。皮膚の化膿症に「排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」などがあります。文字の木へんをとれば「更に吉」と読み縁起が良い家紋とされ、根は食材にもなり、生薬として病を癒す助けとなり、古代より人びとに貢献してきたありがたい生薬といえます。



追記(掲載文以外) 
ゆでればサポニンの毒性が消えるので漬物や煮物として食べられていました。漢方医学が主であった江戸時代には当時の呼吸器系の病や感染症の治療や予防的効果にも活躍し、花の華やかさが 人びとに親しまれ、花言葉は「誠実、かわらぬ愛」。紫色は深い愛をあらわす色。白色の桔梗の花を夏目漱石は「仏性は白き桔梗にこそあらめ」と俳句を残しています。いかに昔から人びとに親しまれていた植物であったかがわかります。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第50回 秋に不老長寿の薬

2012-09-25 11:20:30 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
良薬、口にうまし

秋に不老長寿の薬  

 東洋医学では秋は肺(呼吸器系)の乾燥に注意すべき季節といわれ、健康な人の肺が潤っているのに対し、夏バテ、消化機能の低下、寝不足などで免疫力が低下しているような人には、口の渇き、鼻や肌の乾燥、空咳、便秘などが起きやすく、喘息や皮膚炎なども悪化しやすい季節ともいわれています。

不老長寿の薬
 中国の道教には八人の福徳開運の仙人がいます。この不老長寿の名にあやかり「八仙宝寿丸(はっせんほうじゅがん)」別名を「麦味地黄丸(ばくみじおうがん)」と言う漢方薬があります。腎を潤し補う漢方薬の「六味丸(ろくみがん)」に肺を潤し強化する生薬の麦門冬(ばくもんとう)五味子(ごみし)を加え八味にしたものです。この時期に肺と腎をたっぷり潤し強化する効能がある「八仙宝寿丸」を服用することで、より乾燥が進む冬のインフルエンザの予防や肌のカサツキ防止になり、服用を続けることで肺の弱い人のアレルギー性鼻炎、喘息などの体質改善や老化による足腰の痛み、頻尿にも効果があります。美しい紅葉や旬の食を楽しみながら気持ちの良い秋を過ごせますよう願っています

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第49回 漢方薬で夏バテ解消 !

2012-08-24 10:32:17 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
写真上 補中益気湯の煎じ液
写真下 補中益気湯のエキス顆粒

良薬、口にうまし

漢方薬で夏ばて解消 ! 

 夏の厳しい暑さの影響で、食欲が低下、全身がだるい、息が切れる、立ちくらみ、下痢などの症状が増えています。そこで、夏ばて症状に効く漢方薬を紹介します。

おすすめ漢方5種

 
補中益気(ほちゅうえっきとう)」、別名「医王湯」といって、「医薬の王様」という意味をもつ漢方処方です。補中の「中」とはお腹を意味しており、食欲を増進し、全身の疲れを改善してくれます。微熱がでる、寝汗をかくなどの症状にもよく使用されます。「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」は、夏の暑さで過剰に汗をかくことで、体液が不足し、熱がこもり手足がほてる、全身がだるい、元気がでないなどの症状に使用されます。その他にも、胃がつかえ、手足の冷えなどには「六君子湯(りっくんしとう)」、疲労困ぱいして手足が冷える、顔色が悪く、皮膚の乾燥があるなどには「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」、さらに不眠、動悸、不安、慢性の咳き、息切れなどがあれば「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」が効果的です。生薬のパワーを用いて、今の内に体調を整えて気持ちの良い涼しい秋を迎えられますよう願っています。




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第48回  スイカ・西瓜が漢方薬 ?

2012-07-23 19:30:39 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
写真の中
上の段→白虎湯(びゃっことう):石膏・知母・甘草・粳米
下の段→生脈散(しょうみゃくさん):麦門冬・人参・五味子。ここでは人参の写真は紅参です。


スイカ・西瓜が漢方薬 ?

夏の味覚といえば西瓜です。利尿作用はシトルリン、アルギニンなどで、その他アラニン、カロチン、ブドウ糖、ビタミンC、リンゴ酸、など豊富な栄養を含み90%が水分です。

漢方では

暑熱などで消耗した体液を補いのどの渇きを止め体内に生じる熱を冷まし利尿作用もあります。そのため、暑気あたり、イライラしての口渇、濃い尿、尿量減少、浮腫、口瘡(アフタ性口内炎)などにそのまま食べるか、その汁を清涼飲料水として1日数回のむと良いでしょう。元気や体液が回復すると脈を生ずることに名が由来する漢方薬の「生脈散(しょうみゃくさん)」に効能が似ており、古人は熱冷ましの働きで有名な「白虎湯(びっことう)」にたとえ「天生の白虎湯」ともいっています。皮を「翠衣(すいい)」といい、さらに利尿作用が強いとされ、暑気あたり、腎炎などの浮腫に用います。

身近な美味しいものにも、この夏を乗り切る素晴らしい薬効があります。ただし、美味しいからと言って何事も食べ過ぎにはご用心、皆様が楽しく健康的な夏を過ごせますよう願っています。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第47回 禅・武・医の研究

2012-06-22 10:29:11 | 「良薬、口にうまし」タウンニュース誌連載
    
*少林寺境内での講演会       *精進料理               *禅・武・医の秘伝書

良薬、口にうまし

禅 ・ 武 ・ 医 の研究 

先月に中国 鄭州(ていしゅう) 登封市(とうふうし)にある嵩山少林寺(すうざんしょうりんじ)において佛教医学と中国伝統医学(漢方医薬)の学術講演会などに参加する機会がありました。一般的にはカンフー映画でおなじみですが1500年の歴史があり、インド高僧の達磨大師(だるまたいし)が佛教の禅を創始した寺で有名です。現在世界遺産にも登録され、そこに少林寺の薬局が現存しています。

少林薬局
800年以上の歴史ある少林寺の伝統中国医薬・秘伝の薬・健康法などがあり、現在、将来の養生施設や病院建設計画があるそうです。「少林武功医宗秘笈(しょうりんぶこういそうひきゅう)」という秘伝書には、  ( 座禅・立禅・動禅などを通し生活そのものに究極の安心・安楽を与える教え )  ・ ( 武術トレーニングなどを含み病気の予防や排除をするための心身を鍛える健康法 )  ・ ( 中国伝統医薬・漢方などの利用・治療法 )など、簡単にいうと漢方薬と気功・武術などをもちいた古来の健康法が記載されています。
当薬局でも薬のみならず真の健康のあり方の研究を続け、少しでも皆様の健康に役立てたいという思いで精進していきたいと思います。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする