結局、3月12日から5月28日まで実に77日間も名古屋にいることになってしまいました。
その割に不勉強な日々を過ごしてしまいましたが、ひとつだけ、愛知県美術館の『プーシキ
ン美術館展』が観られたのは勉強になりました。実に は出色というかすばらしい内容でし
た。
「フランス絵画300年」とありましたが、プーシキン美術館の世界屈指のフランス絵画のコレ
クションを通じてフランス絵画のすばらしい歩みを<これでもか、これでもか>と見せつけてく
れました。
プーシキン美術館美術館は創立100年だそうで、16世紀末から20世紀半ばまでフラン
ス絵画だけでも700点以上を所蔵しているというから驚きです。どうして、ロシにアにそんな
にたくさんフランスの名画があるのかと疑問に思いましたが、 18世紀の女帝エカテリーナ
2世をはじめユスーボフ家、バリャチンスキー家、ゴリ家など裕福な貴族が膨大な費用と蒐
集熱意を注ぎ込んだコレクションがある時期に合体されたと聞きました。
本展の売り物は印象派時代の1877年、ルノワールの最高傑作「ジャンヌ・サマリーの肖
像」です。学生時代、坂崎担先生の美術概論でモデルの彼女はコメディ・フランセーズの人
気女優だったと聞いたことを思い出しました。あったかーいい絵でした。