活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

著作と「参考文献」の話(1)

2011-02-25 11:36:21 | 活版印刷のふるさと紀行
 印刷と直接の関係がありませんが、「寄り道」をさせてください。
 小説類には少ないのですが学術関係の本やノンフィクションものの本には巻末近くに≪参考文献≫が列記されているのが普通です。

 参考文献までいかなくとも私のところにも「あなたのコレコレの本からこの個所を引用させていただきたい」という断わりの連絡が入ることがあります。いちいち断わるのは面倒でも著作者としてのエチケットです。また、読者にとっては≪参考文献≫が参考になる余禄さえあります。

 村木嵐さんという大型新人作家がおられます。『マルガリータ』という作品で第17回松本清張賞を受賞され、昨年6月に文芸春秋から大型新人の誕生!という帯つきで出版され、書評でも好評を博されました。

 その帯に「ミゲルの苦悩の生涯を妻「珠」(たま)の目から描く傑作」とか、「千々石ミゲルは、なぜ背教者となったのか?」とありました。

 私が飛びつくようにして求めたのは当然です。私自身三年前に朝文社から『天正少年使節千々石ミゲル』を刊行しているからです。背教者とされたミゲルの謎、ミゲルの苦悩、題材がまったく同じでしたから。
 たしかに『マルガリータ』は力作でした。
 千々石にルビを振るべきだったと担当者ともども後で歎いた自著にくらべて『マルガリータ』、そしてちゃんと千々石にルビが振ってある。サスガと感心しながら読み進みました。

 ただ、ひとつだけ気になったことがありました。 それについては次回。
コメント
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