馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

いま世界はうなだれている(50)雨のかたち

(雨の速度は、20~30㎞/hらしい

へえ、自転車なみ
意外にゆっくり
あんなに高いとこから落ちて来るのに
頭とか腕とか
当たっても痛くない

どうして?
雨のかたちはまん丸じゃないから
どうして?
空気の抵抗でへこんでるから
あんぱんみたいに

雨のかたちは、優しい。

(平べったいから速度が落ちて、カタくんの頭に当たっても痛くない

竹の葉に当たると
バリバリ派手に音がして痛そうだけど
笹の葉先に
みどりの涙が凛としてひとしずく
落ちそうで落ちない
たしかにこれは痛々しい

(丸い水が滴になって落ちるとき水は引き伸ばされて悲鳴をあげている

そういえば、この
初夏の水を
含んでいるすべての存在が
思っている
「自分は丸くなりたい」と

(安定してものを包み込んでいたい、そう思うのは自然なことであり水が自分の体を丸く小さくするのは自分にとってそのほうが楽だから

シャボン玉も
もっといえば地球だって
そうだ
気持ちよく凛としていたい

ヒトも
雨のかたちで

(ヒトの場合は体だけじゃなくて性格まで丸くなりたいと思っているけど


(つづく)


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