馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

大正の木箱

蔵のなかで埃にまみれていた
木箱を洗った。
墨で書かれた文字たち
なんとか読めるようになった。


この家の先々代は、「國末熊太郎」さんだった。
仲買商をしていたようだ。


大正10年の商いが記録されている。
第1次世界大戦終結後
関東大震災の2年前
原敬首相が暗殺された年の箱だ。

どげな味の飴じゃったんかな?
「遊明飴」を
ネットで検索する。
ヒットしない。
飴の味はわからないが箱の味はわかる
激動の時代に飴を売って歩いた人生がしみこんだ
しぶい木の味じゃが~。

修理した。
なんにでも使えそうだ。
めだたぬように釘を打った、
そしてどこかで弱音をはいているワシの
ぐらついている疑問符にも釘を打った。

陽ざしがつよい。
昼寝をした。
夢を見た。
箱のなかに入って
箱のかたちをして
古い紙に包まれた夢……。

風よりも風らしく揺れている
自分の影が
うなる棒をかついで
草を刈っていた。

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