タテ長の窓に
天球儀が吊るされている
とつぜん大正の
言語が見えなくなるのは
馬を追いかけて
主語が反転するとき
科学用語辞典を貫いて
夜が咲きこぼれる
何かの原因で
わだかまる磁力が逆走して
裏返ってしまった
異次元に
洗剤つけて
好きだという感情をこする
もちろん余った戸惑いは
トイレに流して
洗い物もしなくちゃ
好きな引用たちに嫌われる
雨の日のベンチは
滑りが悪い
誰がそう言ったのか忘れた
星にかかる形容詞は
何でも大好き
ワインきれてるのまずいけど
もう振り返るのやめた
ありふれた意味に
たわむ夏の流れ星
壁でひび割れて