祈りを、うたにこめて

祈りうた・いのちうた(伴走  寝床をたたむ)

寝床をたたむ


 数日後、イエスはカペナウムに戻られました。すると、イエス来訪のニュースはたちまち町中に伝わり、人々が大ぜい集まって来ました。家は足の踏み場もないほどで、外まで人があふれています。その人たちに、イエスは神の教えを語られました。
 その時、四人の人が、中風(脳出血などによる半身不随、手足のまひ等の症状)の男をかついで運んで来ました。しかしあまりの人に、群衆をかき分けて中へ入ることもできません。そこで、屋根にのぼり、穴をあけると、そこから病人を寝床のまま、イエスの前へつり降ろしました。必ず治してもらえると、堅く信じて疑わない彼らの信仰をごらんになって、イエスは中風の男に、「あなたの罪は赦されました」と言われました。
 ところが、その場にいた何人かのユダヤ人の宗教的指導者たちの心中は、おだやかではありませんでした。7「なんだと! 今のは神を汚すことばだ。いったい自分をだれだと思っているのか。罪を赦すなんて、神にしかできないことなのに。」
 イエスはすぐに、彼らが心の中で理屈をこねているのを見抜かれました。「どうして、そう思うのですか。この人に、『あなたの罪が赦されました』と言うのと、『起きて歩きなさい』と言うのと、どちらがやさしいですか。さあ、メシヤ(ヘブル語で、救い主)のわたしが罪を赦したという証拠を見せてあげましょう。」
  イエスは中風の男のほうに向き直り、「あなたはもうよくなりました。床をたたんで、家に帰りなさい」と言われました。
すると男は飛び起き、寝床をかかえ、あっけにとられている見物人を押し分けて、出て行ってしまいました。「こんなことは、見たこともない!」人々は口々に叫び、心から神を賛美しました。
 (新約聖書「マルコの福音書」2章)



期待はいつしか信じる心に変わったのだ

隣り人の苦しみを見かねた四人の人たち

良くなってほしい願いが奇跡へと向かう

心合わせて持ち上げた担架に 希望がのっている



熱い心はひとを動かすことがあるだろう

けれど 神に届くのは情熱ではない

頭にからみつく不安の蜘蛛の巣 くねくねの弱っちい信仰 

だが最後の砦は神―そう信じさえすればいい



屋根をはがすなんてと一人がためらった

命のほうが大事ではないかと一人が声を荒げた

屋根がたわみ 四人の足元がぐらつく

癒やしの手前で揺すぶられる望み

 

その病人は呟いただろうか―このまま死んでもいいと

四人の人たちは思っただろうか―いっそこのまま死なせてやろうかと

だが じっと見守っている方がおられる

―良くなりたい! その一つ心に思いを集めることができるかと




希望には力がある


◆言葉に愛を宿したい。
◆ご訪問ありがとうございます。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「伴走・再生」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事