〈よろこびの歌〉 誕生
よるになってやっと生まれたふたりめの子ども
ろくに眠らなかったままの父 ろくにご飯も食べられなかった母
こどもが生まれるのは「奇跡」 その深い思いで待ち望んだ二人だ
びりびりしびれるような愛の重さを 母が父がその掌でぎゅっと抱いた
〈しあわせの歌〉 兄妹
しんだん日から誕生日までの十か月あまり
あさから夜中まで「命」と交わしあった言葉の時間
わが児だから耐えた苦しみ 我が子だからかみしめる喜び
せたけの伸びた兄が ママの脇から ほやほやの妹に「ハジメマシテ!」