「死」と「葬」と
1
もうなんにんのひとを葬ったか
―御葬儀
仕事をやすみ 学校をやすみ
ケンカもやめ 大声もださない
高笑いなど もってのほか
まいにちのくらしに遮断機(しゃだんき)がおり
われわれは一時停止をする
そして
死はこんなにもわれわれを支配していたかと
黒い服につつまれて
神妙にきづく
2
私はこれまで、家族・親族を六名弔(とむら)ってきました。一人ひとりの大事な命は、今も色濃く私を染めています。
一方、死の力の獰猛(どうもう)さにも圧倒されてきました。長患いで予期していても、それでも死は突然なのでした。巨木をなぎ倒す暴力をもっていました。
私たちは生に向かって生きていると思いたい者です。しかし、実は、方向は死です。死に向かって生きている、それが私たちです。それを葬儀の場で思い知らされるのです。
「メメントモリ(死を忘れるな)」ー葬儀は、この忠告の面ももっているのです。
●ご訪問ありがとうございます。
英国の国葬、日本の国葬、いま「ご葬儀」をつうじて私たち自身の「死」について考えるときを与えられていると思います。