祈りを、うたにこめて

祈りうた(漢字のこえ  「死」と「葬」と)

「死」と「葬」と

 

もうなんにんのひとを葬ったか

 

―御葬儀

仕事をやすみ 学校をやすみ

ケンカもやめ 大声もださない

高笑いなど もってのほか

まいにちのくらしに遮断機(しゃだんき)がおり 

われわれは一時停止をする

そして

死はこんなにもわれわれを支配していたかと

黒い服につつまれて

神妙にきづく

 

 私はこれまで、家族・親族を六名弔(とむら)ってきました。一人ひとりの大事な命は、今も色濃く私を染めています。
 一方、死の力の獰猛(どうもう)さにも圧倒されてきました。長患いで予期していても、それでも死は突然なのでした。巨木をなぎ倒す暴力をもっていました。
 私たちは生に向かって生きていると思いたい者です。しかし、実は、方向は死です。死に向かって生きている、それが私たちです。それを葬儀の場で思い知らされるのです。
 「メメントモリ(死を忘れるな)」ー葬儀は、この忠告の面ももっているのです。

 

 

●ご訪問ありがとうございます。

 英国の国葬、日本の国葬、いま「ご葬儀」をつうじて私たち自身の「死」について考えるときを与えられていると思います。

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