コロナ・2022年7月
1
ポケットにマスクつっこみ
土手
闊歩(かっぽ)
マスクに馴れた。もともとわたしは「マスク好き」で、コロナ以前でも、風邪予防としてマスクをしていた。「マスクに馴れていた者が、いっそう馴れた、あるいはマスクに慣れ親しんでいる」というべきか。
ところがこの猛暑である。散歩にはつらい。幸い、人が少なければ外出時はマスクを外してよい、という国のお達しも出ている。そこで、今朝は、川の土手でマスクを外してみた。
歩いている人はいない。遠くにかすかな人影が見えるが、距離は十分。
わたしは「慣れ親しんでいるマスク」を外した。
外気って、こんなに爽やかなんだと、胸がよろこんだ。初めて息をした人ってこんな感じだろうかと、大げさに大気を吸ってみる。
遠くの影が人の形に見える所まで、大きく手を振る。そして大股で歩いていく。空気独り占め。土手独り占め。
マスクはズボンのポケットにおしこまれて。
2
エコひろば
コロナひろばと
読みちがえ
川の土手で大気を呼吸してきた日から、まださほど日が経っていない。あの感動がまだ胸にある。にもかかわらず、全国で十万人以上の感染者が出たという。あれよあれよの増加である。
マスクに慣れ親しんできたわたしは、ふたたびマスク頼みの籠(こも)り暮らしにもどる。
宅配便が来たら、ハンコを手にする前にまずマスク。午後、郵便受けをのぞきにいくのにマスク。ときたまの買い物は二重のマスク。帽子もかぶり。
町の広報誌が届いた。中をぱらぱらとめくる。
なんと「コロナひろば」! なに、これ?
だが、目をこすってもう一度見たら、「エコひろば」である。まちがえようもないと、落ち着けば思えたが、「コロナ」に反応しやすい頭になっているのか。
ちょっとくたびれたなあ、というのが、コロナという疫病への溜息(ためいき)吐息(といき)である。
だが、ここまで書いて、「きっと収まることを信じる気持ち、それをへこませてはいけない」と思った。
なにくそという思いがムクムクとわいてきた。
●ご訪問ありがとうございます。
長いコロナ禍です。老人施設の面会が再び禁止となったと、親戚から聞きました。人を裂くコロナウィルス。
さっさと消え去ってくれることを!
駐車場の看板ですが、「空」を「アキ」でなく
「ソラ」と読みました。ソラを願う頭です。