
15時を過ぎて人の流れは訪れる人より帰る人の方が多いが、それでもかなりの込み具合。ゴッホは日本で人気高いからね。
ゴッホと言うと「ひまわり」とか自画像で強烈な黄色の印象があるが、意外なことに当初はバルビゾン派の影響を強く受け、ミレーのような農民の暮らす風景を描いたり、中には「種まく人」のモチーフそのままの作品もあった。「収穫」と言う作品には作品の緻密さ、力強さと言う点で彼の代表作と言える。
ただ、そのような農村風景作品が多い一方で自画像を始めとした人物画も多い。
そして、ゴッホの境地と言える狂気を含んだタッチの作品はやはり耳を削ぎ落とした晩年の作品になる。
とまあ、ほとんどゴッホの話ばかりで、ゴーギャンの話はやはり大西洋ではマルチニーク島、晩年の太平洋、タヒチ島移住後にどうしてもスポットが当たる。残念ながら、ポリネシアの文明の手垢のついていない風景を探しにきたタヒチにも、当時すでに西洋文明が影を落としていた、と言う皮肉な作品で展覧会は終わる。
ゴッホは精神を病み、ゴーギャンはフランスを離れ遠い太平洋の島で生涯を終えた。2人が生きた19世紀後半には、もう私たちは文明の束縛を逃れられない時代に入っていたことが印象に残る展覧会でした。
帰りはそのまま秋葉原まで歩く。