〈俳句ポスト365〉より季語と傍題の扱い方について

2013-09-11 20:50:00 | 空見屋のスマホで絶句


お題になる「季語」というものがあります。それにまつわる仲間(種類)のような「傍題」というものもあり、初心者には非常に分りにくい、というか扱い方が今ひとつ不明なのでした。

夏井先生の親切なお返事がありましたので↓こちらにご紹介します(9/10発表)


◆兼題の考え方

●さて以前の兼題「金魚」の時に感じたことですが、兼題は兼題として、傍題については不可にして欲しいかな、と思いました。選択肢が多くなるといろいろ紛らわしくなる、ということもありますが、できれば投句者全員シンプルに行きたいものです。今回の「椎茸」も、もしやキノコ全般まで広げられたらどういうことになるのか、とそのへん一抹の不安を覚えています(苦笑)/青萄

 青萄さん、提案ありがとう。
 ただ現状として難しい問題もあります。なぜかというと、歳時記編者の考え方によって傍題は変わります。考え方だけではなく、一冊のページ数の問題で、傍題として一括りに掲載することもあり、一概に「傍題不可」としてしまうことが難しいのです。
 本サイトは講談社版『日本大歳時記』を底本としています。この歳時記では「茸」の他にも「松茸」「湿地茸」「初茸」「栗茸」「椎茸」等など沢山の種類の茸が独立した季語として採録されています。サイト参加者全員に、この分厚い歳時記を買え!とはいえませんし、各社出版の歳時記編者の考えを否定することもできませんし…悩ましいところです。

 ご参考までに語りますと、私自身は兼題が出された場合、まず兼題の季語と真っ向勝負をし、傍題があればそのニュアンスの違いを考え確認する意味で、傍題の句も作ります。
 例えば拙著『絶滅寸前季語辞典』の「汗拭い」には、こんな傍題の句も添えております。ちなみに「汗拭い」の傍題には「ハンカチ・ハンケチ・汗ふき・ハンカチーフ」があります。

  教卓に忘れてありし汗拭ひ      いつき
  三年一組ハンカチ検査今日も○
  アルマーニらしネクタイもハンケチも
  汗ふきのガーゼに老いの臭ひせり
  往年の女優のハンカチーフかな

傍題のニュアンスを知ることも、季語の勉強の一つでありますね♪


 

ハイ、俳句を始めた頃は当然「歳時記」は持っていませんでした。まぁ当面は季節の花の名前などを入れておけば、歳時記を見なくてもだいたい何とかなるだろうさ、と簡単に考えていました。

しかしそのうち間に合わなくなり、季語はてしなく出続き、句作りは泥縄状態。また「傍題」というものも、その意味についてはほとんど知りませんでした。調べてみると、言葉の持っているイメージと違う意味が含まれていることも、目からウロコ的に衝撃でしたね。

たとえば「金魚」という季語には、傍題として「オランダ獅子頭」とか「出目金」「和金」「蘭鋳」「琉金」などの種類もあります。

これからの勉強としては兼題と傍題、両方作って比較検討してみることも、必要になってくるかもしれません。



(キレンゲショウマ)




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6 コメント

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Unknown (ディック)
2013-09-12 19:53:15
>「汗拭い」の傍題には「ハンカチ・ハンケチ・汗ふき・ハンカチーフ」
へぇ~、そういうふうに考えて俳句を作っていくのか…、と勉強になりました。
「吟行・俳句歳時記」というのを一応持ってはおりますが、よく眺めるようにしないともったいないですね。
Unknown (空見)
2013-09-12 21:45:06
☆ディックさんこんばんは~
山手の木々さんが歳時記は「会社四季報」のように分厚くててんで見る気にもならない、と仰っていましたが(笑)
私は文庫本程度の歳時記で済ませています。まぁ幾ら(値段も装丁も)立派な歳時記であれ、充分に活用できなくては宝の持ち腐れ^^;
大昔に買った虚子編の「季寄せ」は、面白くないことはなはだしかったです。
当方は角川の文庫、あとは検索かな、ただし数十年前の歳時記で事足れリとしていては、今の時代には対応できないことは明白でしょう。



Unknown (ななごう)
2013-09-13 07:55:19
季語は難しいですね。
単細胞の私には、出て来ない言葉が多いです。(笑)

成る程、兼題と傍題ですか。

採る方の主観により大いに変わるって事でしょうか?

山さとの草木に混じるイヌショウマ

添削をお願いします。
Unknown (空見)
2013-09-13 20:28:51
☆ななごうさんこんばんは~
出かけていて遅くなりました^^;
>山さとの草木に混じるイヌショウマ
山さとは「山里か山郷」と漢字で、イヌショウマは「犬升麻」に。
植物の名前は一般的にカタカナ表記が奨められていますが、俳句の場合は別です。特別の詩的理由がある場合意外は・・ですが。

Unknown (ディック)
2013-09-13 20:49:03
空見 さん、報告です。
当方、いま頭の中は「大江戸釣客伝」一色です。
宝井其角が芭蕉の臨終に立ち会ったあと、物語は進んで、いま赤穂浪士の討ち入りに其角と津軽采女が駆けつけたところです。
Unknown (空見)
2013-09-14 10:24:55
☆ディックさんこんにちは~
へ~宝井其角、大活躍ですね、急にイイオトコに思えてきました(笑)

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