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韓国次期戦車

2007-03-03 | 半島情勢


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韓国軍が世界最高の戦車を開発した。防衛事業庁傘下の国防科学研究所(ADD)は2日、慶尚南道金海市進永邑(キョンサンナムド・キムヘシ・ジンヨウプ)の昌原(チャンウォン)試験場で韓国産次世代戦車・XK2の出庫式を行なった。95年から12年間、およそ2000億ウォン(約240億円)を注入した開発した結果だ。

XK2の威力は最強だ。主砲の破壊力、装甲の防護力、機動性、潜水渡河の能力などで最高のレベルだ。国防部によると、米国やフランスなどでも同様の機能を持つ戦車があるが、稼働可能な水深は今回開発された戦車がさらに深くなっており、砲塔まで水につかれる戦車は世界でも初めて という。韓国内の技術で実現したものだ。

ADDのキム・ウィファン戦車部長は「90%が韓国独自の技術であり、残りもあえて国内で開発する必要がない部品」とし「ついに戦車先進国の製品より優秀な戦車を開発した」と述べた。現在、韓国軍の主力であるK1は、米国が設計し韓国内で生産した戦車だ。1台=83億ウォンの次世代戦車・XK2は来年末まで実験評価を終え、2011年から実践配置される。輸出の見通しも明るい。他の最新戦車の価格が100億~120億ウォンであることから十分競争力がある。

最高の貫通力と装甲=XK2は地球上に存在するすべての戦車を貫通できる。従来型に比べて1.2メートル長くなった砲身(6.6メートル)と新型砲弾(APDSFS弾)は北朝鮮の最新戦車「チョンマ号」はもちろん、中国とロシア、欧州などの競争戦車も貫通できる。その代わりXK2の特殊装甲は、敵の戦車の砲弾を防げる。敵の砲弾が触れると、装甲で自動的に爆発が起きる「反応装甲」の技術は最高の秘密だ。この方法で砲弾の貫通力を弱化させる。

◇最新装置=XK2は弾薬が自動的に装填される。2キロ以内の固定または移動中の標的への命中率は95%以上。ヘリコプターを撃墜できる電子知能弾も備えている。この弾は発射の後、自ら標的を探し攻撃する。XK2は射程9.8キロメートルで標的を自動追尾するほか、敵軍と自軍を区別するため熟練していない戦車兵でも敵軍を制圧することが期待できる。戦車内の4のモニターには、韓国軍と敵の位置など戦闘地域の状況が表示される。化学兵器・微生物と放射能の汚染地域でも作戦を遂行できる。

◇高速走行=最高速度は時速70キロメートルで、ぬかるみの中でも時速50キロメートルでの走行が可能なほか、多くの先端装備を搭載している。従来の戦車より10キロ速い。道路が傾いていたり障害物があれば、自動的に水平に調整する。砲身がひたる4.1メートルの水深でも走ることができる。これぐらいの水深まで入れる戦車はXK2だけだ。

 
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=85110&servcode=200§code=200
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この記事,おもしろいですね。

まず,最高,最強,最新のオンパレード。特に「最高の貫通力と装甲」。2chでも突っ込まれていましたが,私も即座に矛盾を思い出しました。勿論,いわゆる広報記事なのですから,突っ込んでも仕方ないのですが。

更に,韓国内の技術,韓国の独自技術という表現。これが最高です。昔から韓国の独自技術で作ったとされた製品が実は外国の技術を導入したものであったことなど数多くありました。中国の高速鉄道でも,中国国産技術によるもの,とのアナウンスがありました。中身は日本の新幹線です。韓国の現在の戦車であるK1でも,長い間韓国産戦車とのたまってきました。あれは,アメリカM1戦車の小型版。



●どこが国産?●


砲 
 - フランスGIAT社製の55口径の120mm滑腔砲
自動装填装置
 - フランスのルクレール戦車のパクリ
アクティブ防御システム 
 - ロシアのKBM社(旧SKB)の技術援助
エンジン・トランスミッション
 - 独MTU社製MB-883 12気筒1,500hpディーゼル・エンジンと
    レンク社製自動トランスミッションをライセンス生産
足回り 
 - フランス製全油気圧サスペンション
リアクティブアーマー
 - ロシアから技術援助
潜水戦車
 - 既にロシアが開発済

韓国国内で製造したものはすべて「国産」。韓国内の技術。韓国独自の技術。


また,リアクティブアーマーとか深度4mの渡河能力があるとか言ってます。リアクティブアーマーを作動させたら,戦車もろとも木っ端微塵になりそうです。河に入っていったら,そのまま浮き上がってこない気がします。



●遅れてやってきた韓国の次期戦車●


細かいことはわからないのですが,この韓国新型戦車,20年前の理想の戦車を作ったみたいですね。要するに,昔は作れなかったと。ずっと憧れていたと。

従って,既存技術の塊のような戦車らしいです。

代表的なのがその重さ。韓国新鋭戦車は55t以上。日本の次期戦車は45t程度です。日本の場合,例えば北海道のようなぬかるんだ土地では50t以上の戦車は運営できない,という実際的な問題に直面しています。日本の現行戦車は50t以上あります。それで,軽い戦車を必要としている,ということがあります。

また,現代戦では,戦車対戦車というのはありえない。制空権を獲得してからの戦車の展開,という流れになります。すると,戦車自体の戦闘力よりも,軽量高機動ということが大切になっているそうです。軽ければ,飛行機で戦車を運べる,最高速度も航続距離も敏捷性もアップする。

戦車が50t以上になるのは,主として口径が120mm以上ではそれだけの重量を必要とするからだそうです。口径を狭くするわけにもいきません。必要なのは,新しい素材や新しいシステム。例えば,姿勢制御システム。

韓国の戦車は55tあります。設計思想が古いといわれる理由のひとつがここにあるのだそうです。

もっとも,そのこと自体をどうこういうつもりはありません。各国で必要とされる戦車は違うでしょう。最新コンセプトが絶対,ということもありません。

ただ,上記の記事は例によって,韓国人の無自覚なホルホル具合がおもしろかったので,投稿させていただきました。


話は若干それますが,韓国はフランスと仲がいいのでしょうか。墜落して有名になったフランス社製ヘリコプターとか中古の仏製TGVとか,フランスの名前が目立ちます。

 


世界主力戦車トップ10
http://angrif.hp.infoseek.co.jp/tkrankf.htm

K2戦車(XK-2/韓国次期主力戦車)
http://wiki.livedoor.jp/namacha2/d/K2%c0%ef%bc%d6%a1%caXK%2d2/%b4%da%b9%f1%bc%a1%b4%fc%bc%e7%ce%cf%c0%ef%bc%d6%a1%cb


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10 コメント

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Unknown ()
2007-03-03 12:49:19
戦車ってそれほど重要ですかねぇ・・・

って思ったんですけど、やっぱり制空権を確保してからになりますよね。

方向性がおかしいですよ。
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Unknown (福助)
2007-03-04 03:17:45
国産・最新・最強と、かの国がホルホルしているのがキモチワルイのは同感ですが、DEBUO様の書かれた内容にも?があります。

戦車というのは極論すれば動く対戦車砲です。日本の90式戦車も主砲はドイツ製のライセンス生産ですし、一つ一つの技術が国産かどうかをもってして語るべきではないと思います。
個人的には、参考にしたものがあったにせよ1から設計しているのならたいしたものだと思います。無論、XK2は国産とは呼びたくありませんが。

DEBUO様は20年前と仰いますが、戦車の基本的な部分は20年前と大差ありません。むろん個々の技術は上がっていますが、XK2もある程度対応しています。
むしろ、記事に書かれていない部分ですがXK2がC4I能力を獲得していることは高く評価するべきだと思います。日本の次期戦車もC4I能力を獲得することを第一目標に開発されていますし、フランス・アメリカについでいち早く採用したことは評価すべきだと思います。

重さについてですが『50t以上はぬかるみで』にということはありません。そもそも90式戦車は北海道専用戦車です。砂漠で使用することを前提としたイスラエルの戦車は60tあります。スタック云々は重量そのものではなく接地圧の問題だと思いますが、これは無限軌道(キャタピラ)を大きくすることで解決できます。
日本の次期戦車が40t級なのは日本の特殊な事情によります。はっきりいえば40t以上の戦車をつくって本土以西の駐屯地に配備しても演習場までの輸送手段がないのです。つまり、車庫に入れっぱなしということになります。
世界中みても40t級の戦車を開発しているのは日本だけです。50tで済むならそうしたいというのが自衛隊の本音だと思いますけどね。もっともそれを実現する(だろう)日本の技術はすばらしいと思います。

『戦車対戦車がありえない』というのは戦車の存在自体を否定する意見です。戦車は戦車を破壊するために存在する兵器です。
航空機による爆撃はごく短時間にピンポイントに火力を集中することに適していますが、それ以外には不向きです。 持続的に広範囲(ex.防衛線)に火力を維持できるのは今でも陸上兵器のみであり、陸上兵器で最強なのが戦車です。
仮に制空権を支配されたとしても、爆撃には地上部隊からの精密なナビゲーションが必要となります。それを許さないのが戦車を含む地上部隊の役割です。

航空機で戦車を輸送する必要性は世界中に軍隊を派遣するアメリカ以外にはないです。むろん、そんな大型輸送機はアメリカしかもっていません。

私的結論を言えばXK2は”スペックどおりならば”世界一線級の戦車だとおもいます。十分いいものですよ。むろん最強でもありませんがね。

蛇足ではありますが、どこのマスコミも理系教養は不足しており、目も当てられない内容なのは日本も同様ですね(悲
長文しつれいしました。
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Unknown (DEBUO)
2007-03-04 08:56:21
某様,福助様投稿ありがとうございます。

福助様,長文によるご教授ありがとうございます。私には軍事知識はありません。小学生の頃,「丸」を定期購読していた程度です。本文も2chとかを眺めてそこの意見を並べたものです。どうも,私に事実誤認がたくさんあるようです。特に,90式戦車の重さに関しては,まるでデタラメだったようです。90式は日本の西の方では演習場まで運べない,ということですが,これは,重い車両は法律的に日本の道路を走れない,というような縛りがあるということでしょうか?

いずれにせよ,ご指摘ありがとうございます。かなり軽率だったようです。ちょっと,恥じ入っております。

ただ,本文で申しあげたかったのは,「最高」とか「韓国独自の技術」という文言のオンパレードという点です。特に,なぜ韓国独自の技術,という点にこだわるのか。というところを主眼にしたつもりでした。韓国人が作る自動車や造船,液晶,メモリー等とどう違うの?というところです。別段,それらの技術が外国のものであろうとかまいません。特に軍事技術はなかなか自国技術というわけにはいかないだろうとは思います。しかし,それを偽る必要なないでしょう。

ということです。

今後もおかしなところがございましたら,ご指摘の程,よろしくお願い致します。
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Unknown (福助)
2007-03-04 11:36:43
DEBUO様、ご返答ありがとうございます。

かの国のホルホル具合に違和感があるのは、前記文章の冒頭にあるように私も同感です。
ただ最後に記述したように、自国マンセーの原因はマスコミの理系知識の不足に原因があると考えています。第一線の技術者は、予算獲得やセールスのためにそのような言葉を使うことがあっても本心から思っていることはないと思います。
まぁ、そのいい加減なマスコミの記述が国民の常識になってしまうのが恐ろしいことなんですがね。。。 どの国のマスコミであっても、理系の内容については頭から信用しないというのが私自身の戒めです。

追記
戦車の輸送については法的ではなく、政治的・経済的・物理的理由からです。戦車が自走することも(法的には)可能ですが、戦車の燃費は300m/lです。移動は深夜にするので騒音の問題も出てきます。その他もろもろの事情からトレーラーで運搬する手法がとられていますが、民生用トレーラーは40tが上限みたいです。
次期戦車に関する公文章にも『民生用特大トレーナーで運搬できる上限は40t』との記述があります。(ttp://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/13/jizen/honbun/17.pdf)
現状90式戦車は分解もしくは専用のトレーラーによって輸送していますが、道路事情などのインフラが整備された環境でのみ可能となります。北海道ではそれが可能ということです。専用トレーラーもタダじゃありませんし、運用には法的な制約もあります。できれば簡易に輸送したいでしょうね。『輸送手段がない』と記述したのは言いすぎでした。謹んで訂正いたします。
あ、法的理由がひとつありました。首都圏では排ガス規制で戦車の走行は不可能ですね;;;

これからもブログ頑張ってください。楽しみにしてます。
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Unknown (DEBUO)
2007-03-04 14:26:15
ご丁寧なご返答,誠にありがとうございます。確かに,マスコミの報道姿勢は韓国に限らず注意が必要ですね。いかに韓国といえども,現場の人たちは結構理解している人たちが多いと聞きます。理系に限らず,多分専門分野ではなかなかマスコミ側に人材が育たないんでしょう。例えば,朝日新聞は昔から経済オンチらしいです。

そうですか,戦車の訓練にはそんな事情があるのですね。こんなことですと,有事には一事が万事そんな調子で自衛隊など身動きがとれないかもしれませんね。

ついでに質問があります。おそらく,現代戦では軍艦対軍艦,戦闘機対戦闘機が成立しにくいのと同様,戦車対戦車が成立しにくいのは確かではありませんか。戦車とか軍艦の単独運用というのはありえないでしょう。航空支援なしの運用は考えにくいでしょう。

従って,戦車の攻撃力や防御面のみでなく,運用面の強化,というのは戦車の新しい潮流ではないのでしょうか。つまり,戦車自体の能力の向上よりも使い勝手(軽量化)に目を向けていると。極端にいえば,戦車のウォークマン化ですね。

もちろん,究極的にはガンダム戦になるのかもしれません。つまり戦車対戦車戦というのは大切だと思います。その場合においても,軽量化の試みは必ず利するところがあるのではないでしょうか。速度,距離,機動面での向上は著しいでしょう。

また,軽量化に費やした努力は裏を返せば攻撃面や防御面での向上に役立ちます。自衛隊の新しい戦車は軽量化するにあたって90式と同様の攻撃力や防御力を確保するといっています。 つまり,40tの技術でもって50tの戦車を作れば,より強力な戦車ができるというわけです。

確かに,福助様がおっしゃられるとおり,自衛隊の新しい戦車は90式を日本どこでも運用したい,との願いから開発されているようです。従って,40t戦車には日本独自の事情があるのでしょう。

しかし,軽量化がもたらす技術的・作戦的ブレイクスルーは結構大きなものがあるように思えるのですが。

ところで,軽量化の試みはアメリカと日本で目立っているようですね。アメリカではプラスチック戦車というのもあるそうです。アメリカは世界各地で戦っていますので,その経験上,軽い戦車が必要なのでしょう。日本の事情は上記の通りです。

しかし,伝統的に両国は軽い戦車を志向してるように思えます。対して戦車先進国であるドイツは伝統的に重い戦車が目立ちます。私の勘違いかもしれませんが,ふとそんなことを思いました。
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Unknown (福助)
2007-03-05 10:08:57
DEBUO様、重ね重ねのご返答ありがとうございます。

DEBUO様のご質問にそう内容であるかどうか自信がありませんが、戦車が軽量化することによるメリット・デメリットについて重要と思われる部分を箇条書きにしてみました。
なお、前提条件として国あるいは時代によって戦略ドクトリンが違うことをご理解ください。ここでは主に日本の次期戦車について記述します。

【メリット】
1.軽量化による輸送性の向上
前述したようにトレーラーでの簡易な輸送が可能となります。ごく短時間で数百キロの移動が可能であることは戦略的にも有用と考えられます。
一方で次期輸送機であるC-Xのペイロードは30tと予想され、空輸可能とまでは行きません。たとえ海外の大型輸送機を採用しても空港のインフラが整っていない現状、得られる効果は少ないと考えられます。
蛇足ではありますが、現在自衛隊は対ソ連シフトから対中シフトに移行しつつあります。予測される有事として諸島における占拠があげられますが、これに対応する兵器として機動戦闘車が開発されています。(ttp://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/18/jizen/honbun/04.pdf)
機動戦闘車は対ゲリコマ(空挺などによる強襲・潜入部隊)に重点を置いており、空輸も可能な計画になっています。

2.小型化による低シグネチャー化
小型化することは、発見されにくいことに直結します。無論攻撃された際に被弾する確立も低くなります。

3.軽量化による機動性の向上
加速性能・制動性能が向上します。見方を変えれば小さなパワーユニットで同等の性能が得られます。(次期戦車は後述の方)

【デメリット】
1.砲の制御が困難
DEBUO様が本文で述べられているように、現代の主砲には50tの自重がないと正確な射撃が行えないというのが一般的な認識です。
次期戦車では既存の技術の向上(制退器・駐退復座機)に加え、アクティブサスペンションを採用することで高度な砲制御を行い、軽量化を実現させようとしています。むろん世界初の試みです。
次期戦車は90式戦車と同等以上の攻撃力を有している計画なので、行進間射撃も行えるはずです。『オフロードを疾走しつつ姿勢制御を行い、なおかつ射撃の衝撃を制御する』と記述すると技術的ハードルが高いことはご理解いただけると思います。
当然、新技術の採用にはリスクが伴います。蛇足になりますが、XK-2でも採用された車体を傾ける機構は74式戦車で最新技術として採用されましたが、不具合が多く現場での評判が最悪で(他の理由もありますが)90式戦車では一部機能を除きオミットされています。

2.小型化に伴う技術的ハードル
小型化は装甲を改良するだけでは成し得ません。エンジンやコンピュータ類などを小型化する必要があり、それに伴う技術開発などはそのままコストに跳ね返ってきます。

3.拡張性の確保が困難
余分なスペースを得ずらいので、将来的に新装備を装着することが困難になります。

4.防御力の低下
新技術でカバーできることではありますが、エネルギー=速度^2×重量/2という物理法則が覆ることはありません。穿った見方をすれば次期戦車は90式戦車と同等の防御力でも良いと割り切ったことで、はじめて小型化できたということです。

以上が概要です。デメリットについてはどの程度が新技術でカバー出来るのかということになりますが、完成すらしていないものについて可否を問うても仕方がないことなので。。。
あと、DEBUO様が仰る運用面での強化はC4Iなどに近い気がします。高機動化によるメリットは前述した機動戦闘車に要求されることですね。対応すべき目標が戦車とは違うことにご注目いただければと思います。

『40t戦車の技術をもって50t戦車を作れば』の件ですが、兵器は運用する国のドクトリンによって開発されるものです。日本で50t戦車が必要とされず輸出の可能性もない現状で、50t戦車の可能性を問うことはナンセンスだと考えます。
が、興味あるネタであることには同感なので私的意見を少し。。。
攻撃力を増すのには砲を大型化するのがもっとも単純な手法です。ドイツのレオパルト2戦車は度重なる改良などによりこの試みを実践しています。140mm砲を試験した再には移動時などの取り回しの問題や既存の兵器との砲弾の共有化などから実用化されることはありませんでした。
長砲身化はレオ2A5によって実用化されましたが、命中精度と砲寿命の低下・取り回しの悪化によって評判がいまひとつのようです。次期戦車は新型砲弾によって攻撃力を上げる計画ですが、詳細不明です。
防御力に関しては向上が見込まれると思います。とくに車体上面や側・後方の装甲が向上することができれば生存性が向上することでしょう。以上妄想でした。

なお、DEBUO様が仰るアメリカの試みはディスカバリーチャンネルで放送していた試作車のことだとおもいます(ttp://www.youtube.com/watch?v=6bLy3PRW3ZM&eurl=)が、これは開発というよりも技術を得るための研究車両といったほうが正しいと思います。それがそのまま正式配備されるものではありません。
この手の研究は有名なスターウォーズ計画から近年のイルカ兵器にいたるまで数限りないので、どの程度実用化されるかまったくの未知数です。
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Unknown (DEBUO)
2007-03-06 09:08:19
詳細なコメント,ありがとうございます。なんだか,ブログの質が一気に向上したようで嬉しいです。

じっくり読ませていただきました。やはり,この手の話題は楽しいですね。私はほとんど軍事知識はありませんが,素材一つをとっても奥が深そうで迂闊に発言できません^^
私などは「いつ戦車がガンダムになるのか」というようなアニメベースの妄想が先にきてしまいます。しかし,この手の話題はやはり徹底した現実を根底に置くところに醍醐味があるのでしょう。

話は若干変わりますが,伝え聞くところによると,90式戦車の命中率は驚異的に高いとの事。富士の演習では他国の軍事関係者が演習の整理券をもらうのに大変だったらしいですね。そういえば,リムパックでも海自の主砲が初弾からばんばん標的にあてていくものだから米軍に「マニア」だとかの称号をもらったとか。

予算が少ないから,命中率をあげる,というのが自衛隊の弁らしいですが,精神主義はいまだ生きつづけているのですね。

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おじゃまします (hidenori)
2007-08-18 12:53:30
>予算が少ないから,命中率をあげる,というのが自衛隊の弁らしいですが,精神主義はいまだ生きつづけているのですね。

精神主義じゃなくて合理主義だと思います。日本の会社はどこもそうですよ、同じ結果を得るためのコストは徹底的にミニマムにする。日本の企業はそうして国際的競争力を高めているのです。その結果、日本は同一エネルギーあたりの生産力世界一にもなっています。自動車業界の名言「乾いた雑巾を更に絞る」無駄なように見えるわずかな差の積み重ねは、最後に大きな実を結ぶのです。きっと確実に当てるために練習前に知恵を絞っているのでしょう。現場の自衛官一同様には頭が下がります。
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少し前 (川西 摂斎)
2008-06-20 02:48:39
お初です。記事、面白かったです。
この間、朝日に「日本は世界が自粛する新型戦車開発の流れに逆行している。自衛隊はなに考えてるんだ」という旨の記事が載っていたのを見ました。
韓国も作ってるんですね。うーん。購読やめようかしら。
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姦国戦車は (アナベル・加トー少佐)
2010-05-31 21:43:17
米国メーカーからのパッケージ提案(各国の輸出可能兵器の寄せ集め)であることは有名です生産設備から全部おかげで最新(笑)

YOUTUBEで陸自の新型戦車との砲口のぶれ(?)を比較して「姦国戦車の方が少ないから凄い」みたいな投稿動画がありましたが、自分には姦国戦車の車体全体の揺れの方が気になりました、10トン以上重いにもかかわらずグラグラしているのです。
まこれも戦車の一面でしかないんでしょう、中途半端なマニアの戯言なんで気にしないでください。
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