無意味に意味がないと困る、そんな人生でした。
こんばんは無職候補生です。
4月になると無職になります。レビューとかしてる場合じゃないよ。
むしろお前が衰退してるよ。そんな訳で久しぶりの更新です。
作者は田中ロミオ氏。
18歳未満がやってはダメだったりするゲームのシナリオライターとして
有名な人で「人類は衰退しました」はロミオ氏初のライトノベル作品です。
人が種族としてのゆるやかな衰退期に入ってから数世紀。
最後の教育機関「学舎」を卒業した「わたし」は
衰退した人に代わり新たに人類の座についた「妖精さん」と人の問題を解決する
国際公務員「調停官」に就職します。
人類を遥かに超越する知力と技術力を持ちながらその力を「楽しいこと」にだけ使う
異種族と彼女はどう関わっていくのでしょうか。
結論から言えば非常に面白い作品です。
全体の雰囲気はメルヘンチックですがジャンルはファンタジーではなく
思考実験の面白さを再確認させてくれるSfに分類されるべきものでしょう。
序章こそやや退屈ですが物語の中核であり主役でもある妖精さんが登場してからは
俄然面白くなります。
特に第二章の「妖精さんの、あけぼの」は秀逸で
妖精さんたちの「原始時代ごっこ」を通して人間の科学技術の発展の系譜と
どうして妖精さんたちが原始時代より先の時代へと進めないのか。
外敵がいないがゆえに自ら外敵を作り狩猟生活を営もうとする妖精さん達。
彼らの辿る歴史の結末は一体どんなものなのか。
一気に読んでしまいました。
文庫本一冊で味わえる「未知との遭遇」に興味がある方は是非。
しかしアレだね。ラノベの主人公ですら就職してるのに私ときたら・・・・(樹海