砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

蜥蜴の夏の30冊(2) 電波的な彼女 幸福ゲーム

2005年07月30日 | ログ

論理的に電波を飛ばす女子高生と
自堕落な生き方を望みながら自分なりの正義感で行動する不良少年の物語第三巻。
今作は危険な程に萌え要素が強く万人には勧められない内容ですが
二巻で登場した人間が魅力的に活躍していて蜥蜴的には大満足の一冊です。
今回の事件は幸福潰し。
主人公達の学校で次々と「幸せ」な人間達が悪質な嫌がらせを受けます。
成績の上がった者。彼女の出来た者。部活で成功した者。
彼らを無差別に傷つける悪意の意味とは何なのか。


「君は、こういうことはもう懲りたのかと思っていたよ」
夏休み前の事件や、その後のえぐり魔。
ジュウには何もできなかったこと。どうにもならなかったこと。
嫌な記憶だ。でも
「……何もやらなければ良かった、と思ったことはない。それだけは、ない」


世界を斜に見て生きながらも
自分なりの正義で事件を解決しようとする。
等身大の勇気を楽しめる作品です。




蜥蜴の夏の30冊 (1) 『復活の地』 

2005年07月28日 | ログ

『復活の地』 著者 小林一水 ハヤカワ文庫

二瓶さんの紹介で魅了されたハイウィングストロールの作者の作品。
壮大なスケールと緻密な描写で描かれる災害復興SFです。
と、言っても作者さんが舞台をSFとしたのは
『災害の原因』と『災害の影響を受けない外国』という二つの要素を必要とした為で
基本的には災害復興を目的とした物語です。
この作品の魅力は何と言ってもその緻密な描写力。
フィクションでありながら、否、フィクションだからこそ必要な
徹底した取材と考察に基づいた作品世界の構築は多くの作家志望者の方が参考にするべき姿勢ではないでしょうか。
例えば私の印象に残ったシーンに
各省庁の建物はほぼ全てが倒壊したが技術省だけは建築に際し税金と無駄と言われながら
行ったパフォーマンス的な災害対策の建築構造で生き残ったという場面があります。
私は本当に文部化学省などがこうした対策をしてるかは知りませんが
何となく「ありそう」に思えませんか?
復活の地はこういう無数の「ありそう、ありえそう」な描写が重なり合い
SFでありながら高い現実性を読者に提供してくれます。
災害直後の混乱。続く二次災害。パニックの中起きる異民族への排斥運動。
軍の強権発動。政治家の保身。官僚的対応の歪み。他国からの干渉と援助。
そして、亡国の地を救わんとする二人の男女を中心に物語は始まります。

最後に私が一番好きな台詞を。

公僕として国家と民の為に殉じその全てを捧げることを誓った男の言葉です。


「一度だけ、他の全てを捨ててあなたのところへ来た。……それでいいか」


お勧めの作品です。


小さな冒険

2005年07月23日 | ログ

たとえば。

普段とは違った調味料を使ってみること。

たとえば。

普段より少し、意識して笑いかけること。

たとえば。

彼の皿に自分で盛り付けしてあげること。

たとえば。

彼のわがままを少しだけ我慢すること。



小さな冒険。

本当に。

些細な冒険。僅かな感情の変化。ちょっとの注意力。



それだけで――私はとびきり大きな宝物を手に入れる。








倒れている彼がいる。

呼吸は荒く、血の気はなく。

喘ぐ。喘ぐ。喘ぐ。

それは水を失った魚のようで。

あまりに哀れで惨めな姿。


さぁ私。

小さな冒険の仕上げといこう。

勇気をこめて。

そっと彼の首を抑えよう。


知的マリー

2005年07月20日 | ログ

本を買うお金がないのなら、立ち読みすればいいじゃない。

夏休みの目標は一日一冊立ち読みです。本屋の敵。

僕の流儀

2005年07月16日 | ログ

誰もいない教室に

さようなら

一言かけて退室する

それが僕の流儀




街を歩く美人さん

きれいだなと感想し

一瞥してからまた歩き出す

それが僕の流儀



駅の階段

誰より早く上り詰め

けれど息は決して乱さない

それが僕の流儀



何もなかった一日と

人に無駄と呼ばれる人生と

仲良く笑って歩いてく

それが僕の流儀


僕の決めたスタイル



別れ道

2005年07月16日 | ログ

砂漠の別れ道

二人の旅人

道は二つ

前に進んだ男は死に

立ち止まった女はそれから長く生きた

七月の雨季

二人の別れた季節

女は病に倒れた

彼女は二人の孫に別れを告げて

濡れた砂漠に一歩を踏み出した

二人の孫は彼女の無事を祈り

しかし助からぬ事を知りつつ泣いた

やがて雨はやむ

九月の乾季

乾いた収穫の季節

岐路に立つのは少年と少女

進むのか

止まるのか

地平線の向こうから吹く風は

二人の骨を重ねて飛ばした


音楽のやつ

2005年07月13日 | ログ
ぐうたらお嬢様から回ってきたので答えてみる。
正直このシステムってスパムだよね。五人に回すて。


一・♪コンピュータに入ってる音楽の容量は?♪

ネット利用の方はゼロ。
スタンドアローンの方は5GB程入ってるけどあんま聞いてない。
ネット利用の方は最近はネトラジで音楽拾ってくるのでデータ入れてません。

二・♪今聞いている音楽は?♪

知らない曲。
ラジオなんで当然の如くこういう事態がある。

三・♪最後に買ったCDは?♪

Sound Horizon『Chronicle 2nd』

四・♪よく聞く、もしくは思い入れのある5曲♪

後者の選択で。

Sound Horizon『黒の預言書』
椎名林檎『幸福論』
一青窈 『もらい泣き』
ALI PROJECT 『コッペリアの柩』
MR.CHILDREN『ニシヘヒガシヘ』

全部いい曲ですよ。
特に回したい相手はいないのでバトンは止めます。
最近箱庭精神病。
他者に関せず自分の内部でグルグルと。

それでは皆様いい夏を。