図解 気象学入門 2章 雨と雪のしくみ 2

2019-02-28 12:56:05 | 読んだ本について
日本付近の雨はどのようにして降るか

日本付近の雨(=冷たい雨)は、氷晶と過冷却水滴が混在する氷点下の雲の中で、氷晶の独占的な成長が発生する特殊な仕組みにより雨が降る。


過冷却水に対しては飽和していないが、氷に対しては飽和しているという中間の状態。

過冷却水滴→水蒸気が飽和していないので、蒸発進み、水滴は小さくなる。
氷晶→水蒸気が過飽和なので、水蒸気は氷晶にどんどん昇華凝結し、急速に成長していく。

⇒氷晶が周囲多数の過冷却水滴の雲粒を消費しながら独占的に成長していく過程=氷晶過程

大きくなった氷晶は、衝突併合過程を経て、雪やあられに成長。→溶けて雨粒になって地上に降りそそぐ。

対流雲(積乱雲、積雲)から冷たい雨が降るのは上記の通り。層状雲から冷たい雨が降る場合は、上層の巻雲から氷晶が落下し、中層、下層雲のなかで、雪に成長し、下層で溶けて雨になるという流れ。






図解 気象学入門 2章 雨と雪のしくみ 1

2019-02-27 12:43:23 | 読んだ本について
雲の粒から雨粒への成長の鍵は何か

鍵は、雲の粒の独占的成長。

暖かい雨の場合、
海塩粒子が凝結核となる。
海塩粒子は、他の凝結核よりもサイズが大きい。
吸湿性に優れているので、飽和していない空気中からも水蒸気を吸着して、水を含んだ粒になる。
塩分が溶けた水は、蒸発が抑えられ、凝結しやすい。
→海塩粒子による雲の粒は、生まれたときから、独占的に成長できる地位にある。

さらに、大きくなった雲の粒が落下速度が大きくなることで、小さい粒と衝突し、合体する。
=衝突併合過程
により、独占的な成長が起こる。

大きくなれば、落下速度が大きくなることで成長はさらに急速になる。





図解 気象学入門 1章 雲のしくみ 6 

2019-02-26 12:33:46 | 読んだ本について
雲には、発達の仕方とできる高さで10種類に細分した十種雲形という分類がある。

十種雲形は、国際的に統一されたもの。



■発達の仕方(2分類)

1)対流雲:対流によって鉛直上向きに成長する雲

2)層状雲:水平方向に広がる雲



■できる高さ(3分類)

1)上層:5~13km

2)中層:2~7km

3)下層:地表付近~2km

※表記高度は温帯地方の場合。緯度や季節によって高度は異なる。







●十種雲形

1)積雲

■対流雲

■下層から中層

別名:わた雲

雲底は下層にある。背の高いものは雄大積雲とよばれる。



2)積乱雲

■対流雲

■下層から上層

別名:入道雲、雷雲

雲底は下層にあり、雲頂は上層に達する。激しい雨と雷を伴う。



3)巻層雲

■層状雲

■高層

別名:うす雲

ベールのように覆う。太陽のまわりに光の輪が見える。



4)巻積雲

■層状雲

■高層

別名:うろこ雲、さば雲、いわし雲

細かいさざ波のように広がる



5)巻雲

■層状雲

■高層

別名:筋雲、巻き雲

氷の粒が落下して、刷毛ではいたような筋状に見える。



6)高層雲

■層状雲

■中層

別名:おぼろ雲

空一面に広がって曇り空。太陽が透けることもある。



7)高積雲

■層状雲

■中層

別名:大まだら雲、羊雲、だんだら雲

段階が多数並んで広がる。



8)乱層雲

■層状雲

■中層を中心

別名:雨雲

中層を中心に厚く広がる。本格的な雨をもたらす。



9)層雲

■層状雲

■下層

別名:霧雲

地上に近いところに広がる。地表に接しているときは霧。



10)層積雲

■層状雲

■下層

別名:うね雲

畑のうねのように並び、雲底が少し黒っぽく見える。