図解 気象学入門 5章 低気圧·高気圧と前線のしくみ 3

2019-05-20 12:59:06 | 読んだ本について
いろいろな高気圧のでき方

1)寒冷高気圧
しくみ:地表近くで気柱が冷えて重くなることで高気圧となる。

背の低い高気圧ともよばれる。
高気圧の高さは約2000m。
冬のシベリア高気圧がこれにあたる。
シベリア高気圧をつくり出す冷たい空気はシベリア気団とよばれる。

2)温暖高気圧
しくみ:気柱に強制的に空気が送りこまれて重くなり高気圧となる。

背の高い高気圧とよばれる。
背の高さは、9600m。
太平洋高気圧がこれにあたる。

3)移動性高気圧
しくみ:上空の気圧の谷西側にある、偏西風収束域に、空気が強制的に送りこまれて高気圧となる。

偏西風波動に伴ってできる高気圧。偏西風波動にとともに西から東へ移動するので、移動性高気圧。
通常温帯低気圧と連動して生じ、交互に並んでいる。

 
背の高さは5000m以下。
→風が強制的に送りこまれて、、、という意味では、温暖高気圧と一緒であるものの通常区別される。背の高さ違う。


【気団】1000kmの規模をもち、温度や湿度が一様な空気のかたまりのこと。
広い大陸上や海洋上が発生しやすい場所。


図解 気象学入門 5章 低気圧·高気圧と前線のしくみ 2

2019-05-13 12:56:57 | 読んだ本について
温帯低気圧の発生から消滅まで

○発達について
上空の気圧の谷が原因で地上の低気圧が発達する
地上の前線の発生が原因で気圧の谷を発達させる。

→気象現象は「複雑系」とよばれる現象であるため、原因と結果を単純に分けることができない。
互いに関係し合いながら起こっている現象。

○閉塞から衰退まで
寒冷前線が、温暖前線に追いつき、閉塞前線となる。
寒冷前線と温暖前線の間にあった暖気が、前線に挟まれるようにして閉じ込められた末、上空に持ち上げられてしまう。
→新たな暖気の上昇がないので、しだいに雲は衰えていく。

その後、上空の気圧の谷が深まった結果、一部が低圧の渦として切り離される。【切離型低気圧】
低気圧を発達させる偏西風の発散域はないので、上昇した空気が、上空の低気圧の中心を埋めていき、低気圧は消滅に向かう。




図解 気象学入門 5章 低気圧·高気圧と前線のしくみ 1

2019-05-10 12:50:53 | 読んだ本について
温帯低気圧はなぜ発達できるのか

地上の空気を吸い上げる低気圧の、その上層では、風が等高度線に沿ってぐるぐる回る、だけなので、
地上から上昇した空気は上空の低気圧の中心近くにたまって、しだいに気圧は高まってしまう。


しかし、寒帯前線上空には、偏西風の中でも特に強い、寒帯前線ジェット気流が吹いている。


気圧の谷の東側では、風向きと風速な変化により、空気が発散する場所がある。

このような領域があることにより、運び込まれた空気が上空にたまることなく、偏西風に逃される。→低気圧は発達できる。