銀座大幸歯科

銀座大幸歯科院長ブログ

赤ワインに歯周病予防効果の可能性

2006-05-02 16:42:23 | Weblog

歯茎を強く健康に保つために赤ワインが役立つことがカナダ、Laval大学(ケベック)のFatiah Chandad博士らの研究によって示され、オーランドで開催された米国歯科研究学会(AADR)の年次集会で発表された。まだ試験管レベルの研究だが、赤ワインやブドウの種に含まれる抗酸化物質に、抗炎症作用があると考えられるという。

米国人のほぼ80%は、何らかの歯周病に罹患していると推定される。中でも重症の歯周炎(歯根膜炎)は、歯垢に存在する細菌による慢性感染症である。AADRによると、21~50歳の米国人の約15%、50歳以上では60%以上が歯周炎にかかっているという。喫煙者、糖尿病患者のほか、ステロイド、経口避妊薬および抗癌(がん)薬の使用者は歯周炎のリスクが高い。また、歯周病の影響は口腔内にとどまらず、重症になると糖尿病、心疾患および異常分娩のリスクを増大させる可能性があることがわかっている。

細菌の存在によって炎症反応が起こると、「フリーラジカル」(遊離活性基=細胞を傷害し癌の原因ともいわれる)と呼ばれる有害な分子の生成が促進される。フリーラジカルが過剰に生成されると、炎症、出血が生じ、組織および骨が徐々に腐敗してついには歯を失うこともある。しかし今回、マウス細胞を使った実験から、赤ワインに含まれる抗酸化物質ポリフェノールには、フリーラジカル生成の鍵となる蛋白(たんぱく)を阻害し、フリーラジカル生成を遅らせる働きがあることが明らかになった。このことから、赤ワインの抗酸化作用は、歯周病に対しても有用な武器となると考えられる。

米ニューヨーク州立大学歯学部の口腔生物学教授Robert Genco氏は、この結果はまだ予備段階である点を強調する。これまでもビタミンE、C、ベータカロテンなどさまざまな抗酸化物質の健康面での効果が研究されてきたが、ヒトでの研究ではあまり高い効果は認められていない。Chandad氏も、さらに研究を重ねる必要性を認めている。すでに次の段階の取り組みが始まっており、動物やヒトでの研究結果に期待しているという。

アメリカでは、フッ素の錠剤を子供に与えたり、水道にフッ素が入っているため、むし歯に関してはかなり予防できている。
しかし、朝から晩まで甘いものを食べる習慣があり、多くの人が歯周病に侵されています。こうした背景の中、このような研究が盛んに行われています。
いずれ有効なものが出来てくるとは思うが、今のところプラークコントロールしか有効な手段がない。
特に、歯ブラシだけでなく、フロスやマウスウォツシュなどを使うことにより、効果的に予防することを勧める。




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