銀座大幸歯科

銀座大幸歯科院長ブログ

バルーンリフト法

2008-01-22 17:56:28 | Weblog
上の奥歯には副鼻腔(上顎洞)という鼻の穴につながっている空洞があり、インプラント治療が困難な場合がある。
副鼻腔の含気化が進行し、空洞が大きくなるとインプラントを埋入する骨幅がなくなってしまう。場合によっては1ミリにも満たない場合がある。
そのような場合、今までは大きく骨に穴を開けて、副鼻腔内のシュナイダー膜を破らないように慎重に剥離して、自家骨や補填剤(バイオオス)などを移植し、増骨してからインプラントを行っていた。それがいわゆるサイナスリフト法である。
サイナスリフトは外科的な刺激が大きく、テクニック的にも難しい。シュナイダー膜が破れたり、合併症を引き起こしたりする場合がある。トレーニングと経験が物を言う術式である。
バルーンリフト法はHager and Meisinger社製のBalloon-Lift-Controlを使用する画期的な術式である。
切開をすることなく、軟膜に小さなパンチングをして、骨を最小限削る。そこからバルーンリフトを挿入して、上顎洞内で器具の先端についている風船を生理食塩水で膨らませる。そうすることにより、シュナイダー膜を損傷することなく上顎洞粘膜を押し上げることが出来る。
実に簡単だし、外科的な刺激も最小限に抑えることが出来る。
今まで250症例以上のサイナスリフトを行ってきているが、従来法と比較して、最新のバルーンリフト法には大変満足している。
術中、術後のリスクを大幅に軽減してくれるだけでなく、術者のストレスも軽減してくれる。しかも、手術にかかる時間は20分程度である。今までの三分の一位である。

久しぶりに良いものが出てきた。

こんなのが欲しかった。