以前にも取り上げた話ですが、今、あるお家の新築工事の枠廻り詳細図を本格的に書きまくっており、首・肩がこりすぎていよいよ首が回りにくくなってきたので、もいっかいこの話題いきます(笑)
枠廻り詳細図とは、窓や戸・ドア・家具等の施工図面で、原寸(縮尺が1:1。柱の断面を書く場合、図面のうえに柱寸法そのものの12㎝×12㎝の四角形が現れます。)で書かれる物です。
普通皆さんがご覧になる図面は、平面図・立面図・断面図など縮尺が1:100、1:50です。その図面だけでも家は建ちますが、きちんと考えられた家・こだわった家を造ろうと思うと、やっぱり欲しい図面になります。
「ディティール」なんて言葉も大体同じ意味ですが、純和風にしろモダンにしろ、「この部屋は軽快な感じにしたいから、窓枠の木を薄くしよう」だとか、「どっしりとした感覚が好きなお客さんだから、窓枠の木や家具の天板をごつく見せよう」なんて事を考える家づくりでは、これが必要になります。
「窓枠や建具のフレームが見えなくて、ただガラスだけ見える窓が欲しい!もちろんカーテン・ロールスクリーンは開けてる時は見えなくて。その窓廻りに照明が仕込まれていて、夜になるとほのかに明りだけが見えるのが良いね。」なんて言われたらどうします?(実際のご要望です。)
こうなると、建物の構造に関する事・建具の強度・照明配線・窓の防犯・将来の雨漏り・大工さんの施工方法・お客さんの使い勝手・その他もろもろ総動員で考えなくてはいけません。(普通の窓でも考える事はたくさんありますよ。)
だから、かなり難易度の高い図面なんです。そして、本格的にこれにかかりだすと、首がこってこって回らなくなってくるんです。
でも、これを書くと色々な事考え抜きますから、空間全体のデザインの再度の練りこみだけにとどまらず、家の防水性・耐久性などにもイイ事です。
更に、建築家・設計士さんからの仕事の時、施工側(大工さん)から言うと、しっかりした枠廻り詳細図がでてくると、「おっ、やるな!この人仕事分かってるね~」となり緊張感が増しましますが、スケッチと言葉のみで「こういう風に見える様になんとかしてね。」なんてなると、「ふーん。現場分かってないのね。」となり、なめられます。。
近代建築の巨匠ミース・ファンデル・ローエ様は「ディディールに神は宿る」とおっしゃいました。枠廻り詳細図、今のいい家づくりには必須の物といえるのではないでしょうか?
↑「照明器具を見せずに、明かりだけ見せよう」と考えた例。壁と天井の間の空間の奥に照明を仕込み、光を白い天井に反射させて部屋を明るくしています。夜はこれだけでかなり明るい。本を読んだり作業する時だけ、フロアースタンドを使います。
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