紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

誰とともに家をつくるか4(工務店編2)

2006年06月05日 | 家を建てる方に知って欲しい事。設計

前回は工務店の話で、各工務店の設計力・施工力ときました。

今回は価格の話からです。

具体的にその家の見積もり金額が適正かどうかなんてのは、プロでない限り分かりません。又プロでも経験が豊富で、工事に詳しい者でなければ無理です。

ですから、設計力・施工力ともに信頼できる(家づくりをまかせられる)と感じている工務店であれば、無茶苦茶な見積もりはしないと判断してよろしいのではと思います。逆に言うと、暴利をむさぼる様な工務店ならば、その前の段階(設計・施工力)で何かしら分かるはずです。(見積もり金額を無茶に下げても、悪い工務店はその分手抜きで帳尻をあわせます。だから、はじめは価格を横においといて、まずは設計施工が信頼できるかを考えて下さい。)

古くから工務店にあるイメージで、どんぶり勘定で一式いくらという様な見積もりをする所なんて、今はほとんどありません。皆、面積を計算して人件費をひろいだし詳細に見積もりしています。

しかし、工務店によって価格のひらきはありますから設計段階で大体の予算(少し余裕を持って)を伝えておけばスムーズにいくと思います。

価格のひらきは、どういう材料を主に使うのか?どれだけ一軒の家に大工手間をかけるのか?で変わってきます。普通の住宅の大工手間でいうなら大工1人/坪という目茶苦茶な所から大工7人/坪という丁寧な工事をする所まであります。最低でも大工4・5人はかけないとと思いますが・・・

但し、「本体価格坪いくら」という文句は注意です。本体に何がはいっているのか?結局家を建てると、どの位かかっているのか?をしっかり聞いて目安にして下さい。

相対的に考えて同じ家ならば、工務店の家づくりはハウスメーカーや設計事務所のそれと比べて安いです

ハウスメーカーが「ハウスメーカー→下請け工務店→下請け大工・職人」といくのに比べ、工務店は「工務店→下請け大工・職人」or「工務店(社員大工)→下請け職人」となるからで、家づくりの現場に支払われるお金が全然違います。

又設計事務所に依頼した時とくらべると、私の経験上「設計監理料+工務店経費」より「工務店経費+工務店設計費」の方が安いと思います。しかし、これにはどれだけ現場で打ち合わせ(現場で色を決めたり、現場で細かい所変更できたり)できるのか、しっかり現場監理するのかがありますので、その設計事務所・工務店による所が大きいです。

もう一つ私見を許してもらえるならば、建築家に十分力量を発揮してもらい「いい家」を建てるには、家の予算が5000万位必要なのではと思います。予算が多くないと、設計料の10~15%がかなり総予算を圧迫する様に感じます。(消費税除いた予算が2000万として、250万位を予算から持っていかれるのはツライ。)

この話題、毎回長々と述べてすみません。

しかし、言いにくい事もかなり述べてきたつもりです。

家づくりはなかなか大変です。しかし大体は人生一回きりの事でしょうから、できうるだけ楽しんで、自分達が心地よい「自分自身の家」を建てて頂ければと思います。

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