上の写真は先日の弊社設計室での一コマ。
夕方、現場から帰ってきた大工さんの吉野君が設計の福井君と打ち合わせをしている所なのです。弊社は大工さんと設計が自社社員として揃っている、今や非常に珍しくなった工務店でありますから、こういう光景があちこちでよく見かけられます。
一般的なビルダーさんや工務店さんであれば、【社長と営業さんと現場監督さん】という感じですから、きちんとした設計が居ない場合も多いでしょうし、デザインや設計に力をいれている所なら設計は居るけれど、どちらも大工さんが社内に社員で居るなんてことはまずありません。
また設計事務所さんの場合になると大工さんが社内でいるなんてことは絶対ありえませんし、ハウスメーカーさんはもう何をかいわんやですね。
もちろん、社内に居なくても、現場で下請けの大工さんと打ち合わせしているから同じちゃうの?と言われればそうかもしれませんし、しっかりした監督さんを揃えてビシッとされている所もありますよね。
要は、弊社の場合は設計と施工が社内に居て距離が非常に近いから、常にコミュニケーションがとれて、設計側からの【より良く】と施工(大工職人さん)側からの【より良く】が常にでてきて、それがぶつかり合っているというか、ものづくりが進んでいる現場がある!って感じなんですね。そしてその光景を見ると、私非常に嬉しく楽しくなってくるんですね。
《こういう事を言うと、建築では「設計と施工が一緒なら馴れ合ってしまって手抜きをする。設計と施工は別で施工を監視する目が必要!!」って話が必ずでてくるんですが、、服とかカバンとか家具とか料理とか他のものづくり何でも良いけど、そこではこんな事言われないんですよね。考えるから〜つくるまで一貫してやることはやっぱり理想だと私は思うのであります》
ところで、
設計側でつくる図面はお客様に見ていただく平面図とか立面図、また模型などと
主に現場で使う「家をつくるための」構造図や施工図があります。例えば家の構造なら、パソコンで構造計算を行い、『地震の際にこのように力が伝わるからこの部材はもう少し大きく』などが分かります。
逆にこれは大工さんが構造を考える板図(カンバ板とも呼びます)。ものすごく簡単に見えますが、この中に色々な経験や受け継いできた知恵が埋まっています。
誤解を恐れずに言えば、実は木の家は、構造計算ですべてが分かるというものでもないのです。木の樹種や木組み方法など全てを反映できるか?と言えばそういうことでもなくて、大工さんの勘や経験の方が勝る部分があると私は思っています。
ですから、家の中のある部分の梁でも、構造計算の方が大きな太い部材が必要と出る場合もあれば、大工さん達の経験や教えからの方が太く大きい部材が必要!と出る場合もあるんです。これ本当に。
だから弊社ではそのよいとこ取りをします。
お家の中で力がとてもかかる部分の梁などは構造計算の方が厳しくでますから、そちらを採用。そうでない部分では大工さんのと比べ、構造計算ではかなり小さいもので大丈夫と判定されてしまうことがありますので、そちらは大工さんを採用。
簡単に言えばこんな感じです。(きちんと構造計算をしておりますので、もちろん耐震等級3なども十分とれます》
ということです。さらっと書こうと思ったら案外くどくなっちゃいましたが、
やっぱりなんか皆で一生懸命考えてつくっている感じがして、イイ感じだと思いません?僕はすごくイイな〜と思うわけであります。
はい。というわけで今週はここまで。皆様また来週もよろしくお願いいたします!
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