紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

心地よい木の家を造る体制。

2015年02月04日 | 家を建てる方に知って欲しい事。施工

さて、今日は少々理屈っぽいことを。



阪南のN様家では今、天井の吉野杉の板(もちろん無垢です)が張られているわけですが、



仕上がるとこんな雰囲気です。(天井は水平だけど)


こんな吉野杉板張りの天井。皆様にも人気のある天井仕上げの一つです。遠方の(たぶんこれからお家を建てる人)BlogやFacebookなどをご覧頂いてる方で、「たまにこの仕上げはどういう風にすればできるのですか?」なんてご質問を受けることもあるのです。


材料はお教えするけど、張り方をお教えしたって一般の方には分からないし、というか普通の張り方ですから、特段説明することもなく、さらに材料はお教えするって言ったって「吉野杉の赤身の板」というだけなんですね。


だからうちが使っている杉板は「CB250」とかの品番があるわけでもなく、ただの杉板だから、「良い杉板を普通の張り方でスッキリと納めてもらってください」というしかないわけです。


しかし、そこには「目利き」と言えば大層だけど、質とか美しさとかうちのめがねに適っていることと、また材木屋さんとの信頼関係、木を常に扱っている体制などが必要になってきます。


だから、具体例は出さないけど、相談頂いた方から、「張った感じがあんな風にならない。杉板が綺麗じゃない。スッキリしていない」とかなる事もあります。


結局、普通の大工さんで、少し見せ方に気遣いのできる工務店なら、何てことはないのだけど、無垢材を常に扱っていない工務店さんや、あまりスッキリ納めることなどに感心がない&そもそも分からない工務店さんなどであれば、簡単だけど難しいというか、出来ないんでしょうね。(もちろん、逆にうちが出来ない事もたくさんあるかと思います)


以前も述べたことありますが、こんな杉板を張るのなら、材木屋さんから、少々色が悪いもの程度の悪いものが紛れていても引き取ってあげなければいけません。そしてちょいと悪いものは押入れに使ったり下地に使ったりして(腐ってるとかじゃないですよ)、上手く有効活用できなければいけません。(適材適所というか)


そして、常にある程度の量をもらっていること、工務店側で乾燥したり、加工をしたりしてあげることも必要です。でなければ、乾燥品&加工品&必要な少量だけ、などとなってくれば結局相当高くついてしまって、なかなか使う事ができなくなります。


要はその辺全てひっくるめて「木の家を建てる体制」ができているのか?なんですね。


ここらは、お客様方が思ってる以上に結構重要な部分。


だから、うちはまあRC造も鉄骨造も出来ますし、実際やった事も何度もありますが、こと住宅になってくるとやっぱり不得手。鉄骨・鉄筋なら何か特別なことがない限り、うちに依頼しないほうが良いわけです(笑)


(リフォームは其の限りではありませんがね)


やっぱり、その造り手の得手・不得手はあるわけで、そこはまあホームページや実際の施工例などを見ていくと、わかってくる部分も大きいですから、当たり前と言えば当たり前ですが、まっ、ご参考に。




うちの作業場で棟梁によって削られ加工され、どこに使うか選別されて括られて搬入された杉板。こういう事簡単な様に見えて、結構技術と経験が必要なんです。




 


おまけで、玄関の無垢板の式台。


先日お客様と現場の取り付けられる場所に置いて、確認いただきました。


なかなか美しい木目の板です。


こんな無垢の厚板やカウンターなんかも、それこそ「体制」が出来ていないと扱うことは不可能ですね〜。


では、また次回〜


 



和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)


 

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