弁護士ふくふくの今日が出発点

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大腸摘出手術体験談( その③ 広島漢方)

2009-03-03 17:29:15 | 大腸摘出手術体験談

 2008年7月22日、妻と二人で宮崎空港をあとにして、広島市中心街から近い広島西空港に到着しました。

 薬を中心とした内科的治療ではどうにもならず、かといって、すぐに大腸を切除するというまでの決断はできない状況の中で、広島市の広島クリニックという病院の医師が処方する漢方薬にかけてみることにしました。ネットの患者間の交流の情報によると、5年、10年あるいはそれ以上の期間、この病気から抜け出せなかった患者で、この広島クリニックの漢方薬で飛躍的に症状が改善した人が相当いるようでした。一般的な漢方薬を使用している患者もいるようですが、あまり目に見えた成果はないようで、この広島クリニックだけが相当の成果をあげているようで、そのため、患者仲間では「広島漢方」と通称されているようでした。

 短時間ですが、妻と二人で、広島市の中心街をぶらぶら歩き、旅行気分を味わいました。「広島漢方で良くなったら、又広島に来て、今度は美味しいものをたくさん食べようね」等と話しました。

 広島クリニックには、全国から、私と同じような患者が10数人来ていて、簡単な検査を受けたあと、集団で漢方薬の飲み方等の説明がありました。他の患者を見ると、みな顔色が悪く、うつむいて、ぐったりしている感じで、他人からみると自分もこんな悲惨な状態なんだなと思いました。

 広島市から帰宅してしばらくして、7月末頃、「広島漢方」の漢方薬が届き、服用を始めました。帰宅してから、お尻の痛みも強くなり、早く漢方薬が届かないかと待ちに待ちました。服用を開始して便の性状や回数等から少し良くなりつつある印象がありましたが、6月頃から始まった、全身の骨、筋肉、関節等の痛みが、8月に入るとますますひどくなり、特に肩や首の痛みで、寝起きや寝返りもできないくらいになりました。8月15日の大学病院の診察でも、炎症の状況を示すCRPという数値が、7月末の5くらいから、12くらいまで上がり、すぐに入院するように強く言われました。しかし、自分としては、それまでの経過から、入院しても、ステロイドの投与を受けるくらいで、同じことの繰り返しかあるいはより悪化するだけではないかという悲観的な思いがあって、もう少し広島漢方を続けてみたいと主治医に訴えました。これ以上悪くなったらすぐ入院するということで、とりあえず、入院せずに広島漢方を続けることになりました。主治医は入院が絶対という判断でしたが、私も何としても、広島漢方で治したいという強い決意があり、主治医の方針を拒絶した形でした。

 その後、全身の関節等の痛みも次第に良くなり、便の回数も1日15回程度あったのが、7,8回にまで減り、血便も減ってきて、改善が見られるようになり、9月1日の診察では、前述したCRPも12から9まで下がる等、血液検査の全ての項目で改善が見られ、主治医も驚いていました。主治医としては、9月1日の診察日までには入院になるだろうと予測していたようでした。その後も便の性状が固形に近づく等良くなり、9月11日の診察では、CRPが1.29まで一気に下がり、主治医も明らかに改善しているという判断をしました。

 こうして、広島漢方によって明らかに改善が見られるようになり、時間はかかっても必ず良くなっていくのではないかという希望が膨らんでいきました。ところが、結果的には、この9月11日頃を境に、症状改善はストップし、9月末頃には、トイレの回数も増え、出血も多くなり、悪化が明らかになっていきました。10月になると、トイレの回数の増加に伴い、肛門やその周辺がずきずきと痛むようになり、広島漢方による治癒という希望の灯が次第に消えかけていくのを自覚せざるを得なくなり、入院を決意しました。

 10月中旬には、毎回の排便の際、肛門がじりじりと火傷をするような強烈な痛みを感じるようになりました。そして、痛みが我慢できなくなり、10月17日に、予定日より早く入院させてもらいました。挫折感、敗北感もさることながら、肛門やその周辺の痛みから解放されたいということで頭がいっぱいの状態で、約9ヶ月ぶりの病院のベッドに横になりました。

(次号に続く)



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