題詠100首blog

こちらは「題詠100首blog」のイベント会場です。「イベントの仕組み」をお読みの上、ご参加ください。(五十嵐きよみ)

009:椅子

2006-01-02 | 001-010の歌
「009:椅子」の歌は、こちらにトラックバックしてください。

009:椅子(エクセレント安田) (風流三昧)
車椅子病室の中移動する早く元気にならないかしら?

009 椅子(美山小助) (小助の和歌)
亡き友を 偲ばせる椅子 そにありて 虚しさだけが 腰掛けるのか

009:椅子(ねこまた@ 葛城) (ねこちぐら)
ほころびし昨日の我れの繕いに窓辺の椅子に深く沈みぬ

009:椅子(船坂圭之介) (kei\'s anex room)
われの身とわが負荷を載せ耐へきれず壊れたり朱のまぼろしの椅子

009:椅子(髭彦) (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
―<敬愛する詩人茨木のり子の早すぎる死を悼みて詠める> 倚りかかる椅子の背もたれ要らぬ日の詩人に早く訪ふも悲しく

009:椅子(上田のカリメロ) (ほわほわの森)
教室の椅子を抱えて子どもたち 特別の日よ今日で卒業

009:椅子(はこべ) (梅の咲くころから)
バス停の古き椅子には住む人のこころあふれて子猫の宿か

009:椅子(春畑 茜) (アールグレイ日和)
椅子に来てわれは思ふも茜さす昼ゆく雲の春の愁ひを

009:椅子(aruka) (外灯都市)
人生の椅子取りゲームに勝ってきた彼は老後もすわりつづける

009:椅子(新井蜜) (暗黒星雲)
慣れていたあの椅子がないこの部屋の赤い光が俺を拒否する

008:親(西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
年末の喪中が親の世代から仲間の世代に次第に移る

009:椅子(西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
春だねと言いつつ客の入り来ぬ床屋の椅子にまどろみおれば

009:椅子(草野つゆ) (草野つゆ@はてな)
引越しはわたしも荷物で運んでね 椅子に手足をくくりつけてね

009:椅子(富田林薫) (カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』)
あなたには座り心地のよい椅子を用意してます三月兎

009:椅子(中村成志) (はいほー通信 短歌編)
ぎっと鳴く声聞きたくて膝の上いっしょにゆらす祖母の籐椅子

009:椅子(みずき) (空)
木の椅子の沈黙のまへ一滴の血から壊れてゆきし少女は

009:椅子 (NOTHING WORKS)
椅子取りゲームに疲れた時に、休む場所は何処にある。それも椅子?...

009:椅子 行方祐美 (やまとことのは)
ゆり椅子を揺らせる陽炎ゆれながら千まで数えるおお祖母の声

009:椅子(水都 歩) (水都blog)
可笑しいね椅子取りゲームに負けただけこんなに酒が不味いだなんて

009:椅子(暮夜 宴) (青い蝶)
椅子の背に無造作なまま顎をのせ唇だけでサヨナラ告げる

009:椅子(小雪) (朱紗)
保護者会遅れて来ても空き椅子は前列ばかりいつものごとき

009:椅子 (小軌みつき) (小軌みつき-つれづれ日和-)
屋上にぼくのロンリープラネタリウムもうきみは亡き白い丸椅子

009:椅子 やっつん (U151の目線)
椅子の下きらりと光る2つの目狙うは主の夕ご飯

009:椅子(ほにゃらか) (♪おみそしるパーティー♪)
椅子ひとつ運び出されし教室にもどれぬ心が闇に座す昼

009:椅子(柴田匡志) (明日はきっといいことがある)
椅子空けて席を譲りつ立ち上がる看護師は告げる「もうすぐですよ」

009:椅子(丘村トモエ) (ことばとわたし(丘村トモエ))
座られることがないまま置かれてる芸術的な椅子は悲しい

009:椅子(丹羽まゆみ) (All my loving ♪)
真珠貝のやうに命をひとつ抱き産科の椅子に並ぶをみなら

009:椅子(謎彦) (ジャポン玉)
「寝椅子にて喰らはぬ餐は立喰ひに同じ」下僕のいさむるままに

009:椅子(ドール) (花物語)
よりかかるとすればそれは椅子の背もたれだけと言い切ってくれた凛とした声

009:椅子 (水沢遊美) (ふんわりんさまの想ひ人)
長椅子でうたた寝してるトロンボーン 小鳥の唄に耳朶くすぐられ

009:椅子(謎彦)(再投稿) (ジャポン玉)
「寝椅子にて喰らはぬ餐は立喰ひも同じ」下僕のいさむるままに

009:椅子(かっぱ) (きゅーりをこのむ)
みちばたに座る若者立ち上がれ地球はきみの椅子じゃないから

009:椅子(かのこ) (短歌*かのこ流)
昼下がり椅子の高さを調節し背筋伸ばしてピアノに向かう

009: 椅子 (佐田やよい) (言の波紋)
木漏れ日の映る背もたれふと止まるモンシロチョウと椅子取りゲーム

009.椅子 文月万里 (Kagerou つれづれ)
公園の捨てられた椅子に陽はこぼれひかりの子どもの遊び場となる

009:椅子(畠山拓郎) (想いまっすぐに)
欲得か椅子取りゲーム地位名誉ポジション争い何を求める

009:椅子(ハナ) (象の求愛ダンス)
あのひとが私にくれた約束は三本脚の椅子のようです

009:椅子(島田久輔) (裏庭のきりぎりす)
食卓の椅子がまた空く春が来て桜がさけばもとの二人に

009:椅子 (たざわよしなお) (世界を翻訳するための試み)
フェリーの2等椅子席は三宅島で乗る疲労のニオイに包まれる

009:椅子(水須ゆき子) (ぽっぽぶろぐ。)
あかつきの待合室の長椅子に救急隊員わずかに座る

009:椅子(原田 町) (カトレア日記)
皮張りの大きな椅子に背もたれてわれと異なる寝息ききおり

009:椅子(スガユウコ) (ココロに花を)
継続は力なのかと悩ませる人間椅子の近況を知る

009:椅子 (青野ことり) (こ と り の ( 目 ))
「あ」の項に見つけられない安楽椅子探偵という職業のこと

009:椅子 (骸骨レイアウト)
生存は 椅子の取り合い 殺し合い 勝って威張るか 負けていち抜け

009:椅子(改行やたら好きな人)(再投稿) (骸骨レイアウト)
生存は 椅子の取り合い 殺し合い 勝って威張るか 負けていち抜け

009:椅子 (MINI\'S LIFE blog)
亡くなった祖母の代わりに出勤を見守ってくれる車椅子の青

009:椅子(天野 寧) (三十一文字の毒薬)
一脚の椅子が二脚に増えた春 待ち続けてた春が来た来た

009:椅子(愛観) (ひ と ひ ら こ と ば)
座れない椅子ひとつあり立つことを選び続ける降りる駅まで

009:椅子(Yosh) (★光に向かって★)
頂上の安楽椅子に辿れども 長く居れずに追放されし

009:椅子(みゆ) (*** ことばあそび ***)
時だけが休むことなく移りゆく 専用椅子は空席のまま

009:椅子(みなとけいじ) (海馬)
それぞれの安楽椅子に乗り込んであの双子どこへ行ったのだろう

009:椅子(松本響) (春色ぶれす SIDE-D)
しなやかに彼女の赤い重力を受け止めている椅子となるまで

009:椅子 (鈴雨日記)
花冷えの逢瀬に君が吾のため持ち出せし椅子 いまもいとしき

009:椅子(空色ぴりか) (題詠100首blog/空色ぴりか)
祖母はもう車椅子さえいやがって閉じ籠もりたる春来たれども

009:椅子(しゃっくり) (春雨じゃ)
背高の椅子に座りて短歌詠むパソコンの横目薬置きつ

009:椅子(五十嵐きよみ) (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
持ち主が気になる椅子にかたちよく麻のジャケット着せかけられて

009:椅子 (里坂季夜) (コトノハオウコク)
未読本置き場となった椅子二脚動く気配もないままに春

009:椅子 (クロッカスの歌)
髪の毛を引きちぎっては泣く婆が椅子から落ちて月夜が途切れる

009:椅子(紫女) (クロッカスの歌)
髪の毛を引きちぎっては泣く婆が椅子から落ちて月夜が途切れる

009:椅子 (すぎな野原をあるいてゆけば)
「車載用座位保持装置」キャロットはかわいい赤い椅子なんだけど

009:椅子(おとくにすぎな) (すぎな野原をあるいてゆけば)
「車載用座位保持装置」キャロットはかわいい赤い椅子なんだけど

009:椅子 (なかた有希) (* にじのかかるばしょ *)
君の揺る椅子でうたた寝してるふり君の告白聞いてないふり

009:椅子(野良ゆうき) (野良犬的)
整然と体育館をうめつくす椅子に吐き気をおぼえた四月

009:椅子(佐原みつる) (あるいは歌をうたうのだろう)
群青の背表紙ばかり抜き出して背もたれのない椅子に重ねる

009:椅子(方舟) (方舟)
長椅子に仰臥をなしてはばからず読書楽しむ齢となりぬ

009:椅子(ユメハ) (夢見堂)
負けるのが怖くて勝負挑めない僕の人生椅子とりゲーム

009:椅子(遠山那由) (百億粒の灰の鳴る空)
椅子の背を抱えて座る 傲慢に横に投げ出す動かせぬ脚

009:椅子(鈴雨) (鈴雨日記)
花冷えの逢瀬に君が吾のため持ち出せし椅子 いまもいとしき

009:椅子(逢森凪) (みそじのみそひともじ)
その椅子に座った人はもういない 空席になったままの思い出

009:椅子(舞姫) (Thirty One 題詠100首置き場)
こわれちゃえ一緒に買った椅子、コップ、歯ブラシ、彼に好かれてたアタシ

009:椅子 (はちぶんめblog)
陽溜まりに眠たい椅子が並んでる 講堂 スピーチ 最後の校歌

009:椅子(まつしま) (心の空)
遠い日に置き忘れてた夢はまだ揺り椅子でうたた寝してます。

009:椅子(きじとら猫) (きじとら小部屋)
誰よりも椅子取りゲームは強かった君の隣も奪ってみせる

009:椅子(田崎うに) (楽し気に落ちてゆく雪)
年月はカタチになりし長椅子の君だけを待つ右端へたり

009:椅子(翔子)   (花こみち)
赤ライト無言でみつめひたすらに生還祈る黒い長椅子

009:椅子(日和小春) (こは短歌)
椅子をいすと読めずダンスをした後に静かに漢和辞典をひらく

009:椅子(ぱぴこ) (テクテク)
放課後にお前の椅子を蹴り倒す鉄の匂いに沈む復讐

009:椅子(みにごん)再投稿 (MINI\'S LIFE blog)
亡くなった祖母の代わりに出勤を見守ってくれる車椅子の青

009:椅子(みずすまし) (水紋)
 母の椅子妻の椅子さえ座れずも女の椅子の席はゆずれず

009:椅子(ひぐらしひなつ) (エデンの廃園 ー題詠百首のためにー)
  まぼろしの椅子いつからか胸にあり深く射し込むその黒き影  

009:椅子(みあ) (言の葉たち)
講堂のピアノの椅子においてきたスキの二文字へおりボンつけて

009:椅子(花夢) (花夢)
くちびるがふと近づいて来てそして  待合室の椅子が軋んだ

009:椅子 (BONY ELBOS)
がらくたの椅子は誰かに売ればいい焼き魚からピアスは生まれて

009:椅子(本原隆) (それについて)
電気つけベッドの上に倒れてた椅子に座れるようになるまで

009:椅子(ひわ) (十日三日月)
この次に座わるのはどんな子だろう?思い巡らす春休みの椅子

009:椅子(やすまる) (やすまる)
なまぬるい椅子へと柔く落ちゆけば蒼い莟は手足をほどく

009:椅子(ふしょー) (DEATH IS A LONELY BUSINESS)
寛いで椅子に胡座をかいてみた あなたの部屋の夜は短い

009:椅子(みの虫) (みの虫が居る「書」のぷらぷら道)
足のなき椅子が座椅子となるやうに軽くいふなよ頑張れなんて

009:椅子(西宮えり) (aglio-e-olio)
人魚らは虹の先まで行けるよう回転椅子に正しく座る

009:椅子(素人屋) (素人屋雑貨店)
椅子の上 置きっ放しの携帯の見たくなかった着信履歴

009:椅子(夜さり) (夕さり夜さり)
人間椅子となりたる膝が抱へこむをんなの臀部やはらかな肉

009:椅子(月影隼人) (人間万事塞翁が馬)
ふかぶかと椅子に腰掛けリラックス 君と語らう夜は宝石...

009:椅子(佐藤紀子) (「題詠100首blog」参加作品)
揺り椅子にかけて返事をしてゐしが母はいつしか居眠りてをり

009:椅子(新野みどり) (明日は明日の風が吹く)
中央線椅子に腰掛け新しい歌集のページを静かに捲る

009:椅子(夢麿) (夢幻泡影)
駅前で空気椅子してまだ5分 早く来てくれ(いろんな意味で)

009:椅子(KARI-RING) (ほとりほとりと藍色の海)
木の香り漂わせたままあてがわれる椅子 私はここにいてもいいんだ

009:椅子(振戸りく) (夢のまた夢)
教室の小さな椅子を引く音も黒板をこするチョークの音も

009:椅子(田丸まひる) (ほおずり練習帳。)
窓際の椅子にもたれてすくい取る春の淡雪 食べてもいいの

009:椅子(ことら) (ことらのことのは)
饒舌な夢のあとさき整然とBiblio(ビブリオ)の椅子白く光れり

009:椅子(みち。) (虹色アドレナリン。)
あまおとが死ねと聞こえるバス停に半分朽ちた長椅子がある。

009:椅子(栗凛) (ス芸紙一重?)
座るのを拒んだ椅子はだんだんと春の陽気に溶けて消えゆく

009:椅子(kitten) (kitten song)
彼女の椅子はいま校舎の脇、供えられた花束と消える、

009:椅子 ベティ (Betty\'s second Bar)
籐椅子にひとりもたれてモカの香を吸い込むほどに孤独は素敵

009:椅子(くろ) (鎌倉日記)
五号室の白猫(はくべう)椅子にすわらせてもうかへるなといざなふ春夜

009:椅子(斉藤そよ) (つれづれつづり)
かたかたと歩き出す椅子ことごとくうつくしい場所さがしておりぬ

009:椅子 (紫峯) (時空の扉)
椅子の背にもたれて軽く目を閉じる十年前に罪やありなし...

009:椅子(みの虫)再投稿 (みの虫が居る「書」のぷらぷら道)
あしのなき椅子が座椅子となるやうに軽くいふなよ頑張れなんて

009:椅子(末松さくや) (旅人の空(待ち人の雪別館))
回し蹴りしたい気分を見抜いてる顔で凛々しく椅子は立ってた

009:椅子(飯田篤史) (ひこうき雲)
しあわせは簡単でいい春の日の椅子にゆられて海をめざせば

009:椅子(堀 はんな) (たん たん 短歌)
翁らが椅子を持ち寄り四方山の話も弾む海を臨みて...

009:椅子(凛) (臥薪嘗胆)
その人のなにを見てるの? 合コンで椅子取りゲームに興じる人ら

009:椅子(小原英滋) (過去と現実)
たんたんとお金もうけを続けたり回転椅子にあぐらかきつつ

009:椅子(川内青泉) (青泉の部屋)
教師として三十余年勤めしが管理職の椅子には座れず

009:椅子(神ヤ飛魚) (飛魚の徒然なるまま日記)
この場から消えたくなって消えなくて体は溶けて椅子の一部に

009:椅子(ふふふふふふふ) (題詠マラソン2006)
小学校の椅子にすわりにいくという岸田衿子の詩がすきである

009:椅子(もけこ) (!セバスチャンの暴挙!)
この椅子は机とはぐれ教室の角にぴったりついてた椅子です

009:椅子(秋野道子) (気まぐれ通信)
幼稚園借りて発送作業する皆のお尻は椅子に余った

009 椅子(美鈴) (大和撫子)
ぽかぽかと 暖かき日の 日差し浴び 長椅子でひと時うたた寝す

009:椅子(はるな 東) (菜の花の道)
背もたれをぐ~んと押してイナバウワー気取ってギギギと椅子はすべりぬ

009:椅子(animoy2) (~うたよみ日記(短歌とともに)~)
まだここにあなたの椅子は空けてあるおそらくずっと約束もせず

009:椅子(藤原 湾) (湾の歌詠の日々。)
捨てる椅子その小ささに弟の 大きく育つ姿眩しく

009:椅子(まゆねこ) (家事、ときどき短歌)
三人子がつぎつぎ使いし子供椅子今は時折猫が居眠る

009:椅子(萱野芙蓉) (Willow Pillow)
来よといふこゑ海溝の深みより椅子はふるへぬピアノ呼ぶなり

009:椅子(はるな 東) (菜の花の道)
背もたれをぐ~んと押してイナバウアー気取ってギギギと椅子はすべりぬ

009:椅子(はるな 東)再投稿 (菜の花の道)
背もたれをぐ~んと押してイナバウアー気取ってギギギと椅子はすべりぬ

009:椅子(よっきゅん) (よっきゅんの100首)
見てみたい 超高級な フレンチで 椅子を引きすぎ 倒れるところ

009:椅子(鬼龍児) (さんさしおん)
立ち疲れたる君の眼差しに白さあり椅子のくぼみに雨はたまりぬ

009:桜(mamaGON) (赤い椅子)
先駆けて大島桜の咲く道を今日も通りぬ遠回りして

009:椅子(mamaGON) (赤い椅子)
かさ低くなりたる義母の車椅子を押し行けば何度も何度も礼言う

009:椅子 (にしまき) (びおん書局 ※にしまき※)
誰かいた気配を残す椅子一つ陽だまり冷えて鳴いたのは鳥(とり)

009:椅子(Ja) (chapaとchaiとJaの生活)
知人より贈られし椅子窓際に春の光をまとい眠る子

009:椅子 (いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ)
木製の小さな椅子に腰かけて子どもらは飛ぶ赤い夕焼け

009:椅子(あおゆき) (メソトリウム)
拡散系の夜に与えよ「椅子になれ」との命令を、嗤う星々

009:椅子(睡蓮。) (睡蓮。の隠れ家ブログ)
足長い椅子にまたがり背もたれを抱きしめたまま朝を迎える

009:椅子(村上はじめ) (spidyな日々)
この椅子の座り心地と膝枕 どっちが好きでくつろげますか?

009:椅子 (ゆあるひの鍛高短歌4)
車椅子のお客を運ぶ駅員の手際の良さに安堵を覚ゆ

009:椅子(夢眠) (夢眠・日々綴り)
椅子引いて深く腰掛け事務をとるトドに成りかけ太腿悲鳴

009:椅子(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
不器用な椅子職人の遺作には二匹寄り添う風邪ひき猫が

009:椅子(飛鳥川いるか) (しぐなすの短歌感電ノート)
ぬばたまの肘掛椅子は夜をしづむ奥様のゐさらひの形に

009:椅子(林本ひろみ) (いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ)
木製の小さな椅子に腰かけて子どもらは飛ぶ赤い夕焼け

009:椅子 (空の青さをみつめていても)
  籐椅子の主失くした背もたれは動かぬ時に寄り添うようで

009:椅子(萌香) (空の青さをみつめていても)
  籐椅子の主失くした背もたれは動かぬ時に寄り添うようで

009:椅子(保井香) (パパは乳牛屋)
北欧の椅子のうんちくなんかよりあなたのことをもっと話して

009:椅子(魚虎) (脳内に散らばり在りし言の端をDJ的感覚で編む棄てるダム)
愚民らの見えぬ一億階にあるマシュマロ製の椅子に座せ阿呆

009:椅子(瑞紀) (歌信風(かしんふう))
誰にでもやさしからまし図書館の椅子でまどろむ日曜の午後

008:親(ざぼん) (グレイト・エスケイプ!)
うちの子さえよければいいと親ふたり泣くゆえ枯れた草に水やる

009:椅子(ざぼん) (グレイト・エスケイプ!)
ダイニングの椅子ひとつ持ち屋上の真ん中に置いて今日は戦争

009:椅子(黒田康之) (今日の、おUTA)
花冷えに吾が椅子の背は綻びぬ格差社会を生きむとぞ思ふ

009:椅子(渡邉建太) (nostalgie)
なぜかその小さな椅子は宙に浮き僕らを壁の向こう側へと

009:椅子(市川周) (ミルミルを飲みながら)
春夜更け無人のオフィスとりあえず社長の椅子で角栄のマネ

009:椅子(濱屋桔梗) (桔梗の独白)
擦り切れたあなたの椅子の背もたれに触れるとあなたが溢れ出てきた

009:椅子(癒々) (Romantic irony)
”繋がりが欲しいの” 僅かにつま先で触れてるあなたの椅子の右足

009:椅子(つきしろ) (halcyon days)
夕燒(ゆうや)けに融けてゆく椅子 右指の先で觸(ふ)れれば冷たき嬰兒(えいじ)

009:椅子(現川尋香) (ミミーシャの部屋)
ひたすらにイーダを捜す椅子男ヒロシマからは何年たったか

009:椅子(そばえ) (日照雨)
窓のないカウンセリング室の椅子で今日も誰かが森を見ている

009:椅子。  (P) (猫の毛玉 別荘 -しろうとたんか-)
しばらくは あなたの膝を椅子にして 支える我が身 震える魂

009:椅子(中村うさこ) (みすずかる信濃の庵(いお)の歌綴り)
子どもらがそれぞれ世帯持ついまは我は補助椅子気ままにゆこう

009:椅子(yasubow) (忘れえぬ人々)
プラチナの椅子は蹴りごろ 元町高架下女奴隷歌えば

009:椅子(芹澤京乃) (りなときょうのの迷走記録。)
縁側で椅子に揺られし祖母の影 線香の煙と子猫が守る

009:椅子(寺田 ゆたか) (素浪人Joeのスローライフ)
・古びたる椅子捨てかねて迷ひいる 幼き日々のおもひこもれば

009:椅子(新藤伊織) (月が堕ちるころ)
ヴァイオリン奏者にも似て放埓な春を待てない猫脚の椅子

009:椅子(yurury**) (Scene-Flow into space*写真短歌・五行詩)
一脚の椅子よ われといふ女の温み重みを識るその膝は

009:椅子(なかはられいこ) (みんなだれかの夢だから)
ぱたぱたと折り畳まれるパイプ椅子みんなだれかの夢でできてる

009:椅子(村上きわみ) (北緯43度)
野に置けば野の椅子として待つでしょう わたしにどうぞおすわりなさい

009:椅子(新谷休呆) (新谷休呆の短歌の部屋)
少しずつ同期が消えてゆくといふ官僚たちの椅子取りゲーム

009:椅子(ひろこ) (ひろたんの創作日記)
椅子使い脚を上げ下げダイエット ながら運動今日も続ける

009:椅子(濱田花香) (紅葵爽♪)
椅子として すわれぬ椅子の存在ハ すわれる椅子のありがたを

009:椅子(新明さだみ) (ぬ ま み み)
椅子型の手首をもって歩く日の何(いず)れの空も青紫だ

009:椅子(湯山昌樹) (短歌 富士山麓より)
高き椅子にちょこんと乗りて我を見る新入生を笑みて見返す...

009:椅子(我妻俊樹) (喜劇 眼の前旅館)
椅子のように裏がえされた階段をえらんで飛び地へ降りてくる犬

009:椅子 (     Popん?TANKA)
丘のうえ、白い教会、ひとびとの哀しみうけし椅子のむれ、百合

009:椅子(眞木) (ひとりももうた)
君の部屋にひとり帰れば長椅子の猫は降り来て我に纏わる

009:椅子(矢野結里子) (Leaf-Life-Feeling)
座らない椅子 目の前にあるがゆえ 夜のファミレス思い出劇場

009:椅子(村本希理子) (きりころじっく)
朽ち果ててゐるのだ椅子は唐草に覆はれもはや人をゆるさず

009:椅子(今泉洋子) (sironeko)
受付の椅子の傾(かし)ぎに慣れし頃わがアルバイト期間畢(をは)んぬ

009:椅子(小早川忠義) (ただよし)
何かより別れるやうに立ち上がる背もたれの無き椅子を残して

010:桜(小早川忠義) (ただよし)
若かりし恥らひ許すかのごとく視界に桜の花びらの降る

009:椅子(David Lam) (でたらめなうたどもよ!)
「満足ね」妻ひとり言(ご)つ コルビジェの黒き椅子置く葬儀会場  

009:椅子(内田誠) (その言葉の行方)
消えてゆく小さな星の思い出を語らう森の球体の椅子

009:椅子(和良珠子) (the strange of stranger)
粗大ゴミ置き場に車椅子ひとつ その温み、重みを宿したままに

009:椅子(オオタセイイチ) (angle。)
オジチャンの亡くなりてより八つ歳か 西日の部屋の椅子はさながら

009:椅子(笹井宏之) (【些細】)
籐椅子で私を編んでいたころの母はひじょうに文学でした

009:椅子(いちぼん) (空も、つながっている)
ため息を吐き出しながら沈み込む椅子とひとつになりそうな夜

009:椅子(理宇) (±籠)
言ったって椅子に蹴りだされるからさ、水泡のよに戦う、あたし☆

009椅子(クロエ) (90%の幸福)
むきだしの羞恥が椅子に座ってゐるあしを10時5分にひらいて  

009:椅子(kira-kura) (遠く離れて ~From a Distance~)
ちゃんとゴハン食べているかと問いかける車椅子の母強くもあり弱くもあり

009:椅子(長沼直子) (うたかたの日々*短歌 題詠100首blog*)
素直にはそう簡単になれなくて椅子の下からのぞいてるねこ

009:椅子(寒竹茄子夫) (鶴太屋別館「マニエリスム」)
秋冷の椅子きしむさへ淋しきに無人の教室、青墨の文字

009:椅子(twinkle) (◆kirakira)
彼方までつらなっている椅子に沿い《性的衝動》ふらふらあゆむ

009:椅子(nao-p♪) (私サイズの日々)
度が過ぎたオイタに相応の制裁を  「電気椅子の心地はいかが?」

009:椅子(黄菜子) (月待ち人の窓辺)
椅子一脚きみの暮らしに補ひて見いだすわれのレゾンデートル(存在価値)

009:椅子 (ケビン・スタイン) (In Other Words・別の言葉で)
夢の中高いところへ飛び今も 安楽椅子で父が寝ている

009:椅子 (ちゅう …ノラのつぶやき…)
外は雨園児らの椅子片付けぬ 命のかおり充ち満ちており

009:椅子(星桔梗) (風船がわれるまで)
椅子だってたまには主張したくなる今宵月下はお洒落をしたい

009:椅子(ひじり) (みじかうた)
幼子が眠り愛した父の椅子まどろむ仔猫夕焼けの窓

009:椅子(びっきい) (チョキで殴るぞ!)
貴婦人が若いニトリの店員に「人間椅子を一つくださる?」

009:椅子(桑原憂太郎) (桑原憂太郎.com)
椅子を蹴り教室抜けゆく女生徒のつくる塑像の優しい瞳

009:椅子(柴田菜摘子) (パイロットランプ)
これからもだれもすわらない椅子がある荒れ果てている部屋の片すみ

009:椅子(小籠良夜) (DARKSIDE OF THE MOON)
嗚呼、なんと久しぶりだな青き者!軋む揺り椅子揺らす魔のもの

009:椅子 (酒童子「歌」ワールド)
椅子もなき箱の中では眠たげにつり革にすがる手に身をゆだね

009:椅子 (落合朱美) (言の葉帖)
椅子の背にもたれて背伸び大あくび土曜の夜のゲーム三昧

009:椅子 (空にひろがる枝の下から)
ありちゃんとか弓生さんとか呼び合って椅子をかぞえていたのはいつだ

009:椅子(本田瑞穂) (空にひろがる枝の下から)
ありちゃんとか弓生さんとか呼び合って椅子をかぞえていたのはいつだ

009:椅子(星川郁乃) (Air Station)
その椅子にわたくしBを座らせてわたくしAはしばらく夢を

009:椅子(ヒジリ) (*tRIGger.)
安楽椅子を「なんだかやらしい」って言ってるきみの口がやらしい

010:椅子(cocoa) (cocoaのうたにっき)
このまま座り続けていては体ごと椅子のかたちに滅びてしまふ  

009:椅子(あんぐ) (あんぐの短歌)
椅子取りのゲームに疲れし我彼はキャバクラ嬢に慰められる

009:椅子 (砺波湊) (となみ☆みなと)
椅子の上つま先立って待つべきか エンジェルストランペットの毒を

009:椅子(智理北杜) (智理北杜)
病院の廊下で一人車椅子に座りて雲を見ている老女...

009:椅子(澁谷 那美子) (題詠100首に参加中)
椅子の背に かけられてゐし 君のシャツ ポッケにそっと メモを忍ばす...

009:椅子(やな) (やなさんの基地)
でもやはり椅子に座って見てました私の所為で君が泣くのを

008:親    (リップサービス)
おそろしいのです ひとの親になる私はひとの祖先になるのです

009:椅子 (沼尻つた子) (リップサービス)
地下鉄のホームの椅子から立てません出口を無くした風にまみれて

009:椅子(幸くみこ) (そこそこがんばる)
放課後は片恋中のM君の椅子に座って習字の練習

009:椅子 (ブタに真珠)
明日にも 立ち上がりそうな 君の手が 椅子に伸びるよ 慌てて支える

009:椅子(わたつみいさな。) (乱切りくじら)
できるだけ正しいことがしたくなり椅子に深ぁく腰掛けている

009:椅子(わかば) (わかばのうた)
いいよ椅子に腰掛けていてわたしから愛してあげるからどうか笑って

009:椅子(もりたともこ) (短歌、すきです。)
新しい風に吹かれて初夏(はつなつ)の壊れかかった椅子はふるえる

009:椅子(内田かおり) (題詠2006深い海から)
雨の日の電車ごっこは部屋隅にありったけの椅子運ばれていて

009:椅子(goldfish) (月と金魚鉢)
とりあえず椅子を出すのが詩人なら詩人なんかは全員消えて。

009:椅子(しょうがきえりこ) (GakiDay's TANKA)
あのひとが選んだ椅子や壁の絵に目撃させるためのセックス

009:椅子(るくれ) (とっても単純なこと)
椅子のうえ立って歌ったピンクレディー途切れてふっとこぼれる「ごめん」

009:椅子(なまねこ) (路地裏稼業)
理科室の机の上の椅子に立ち星座を造る 神のごとくに

009:椅子(田咲碕) (いたずらっこ)
煢然か身軽かブレる針ここに君がいても椅子はひとつきり

009:椅子(繭) (hallo hallo!!)
教室の片隅にある椅子の裏 内緒でこっそり思い出刻む

009:椅子(志岐) (日々の徒然)
酒を手に椅子にもたれて泣く夜に声を求めて電話をします

009:椅子 (鳴井有葉) (そのための日記)
「子」の漢字付けば名になる漢字なり椅子とふ名前の子の背筋美し

009:椅子 (如月綾) (お気に召すまま)
消しゴムがあなたの椅子の下にまで転がっていく きっと、運命

009:椅子(路喜) (水陸両用)
椅子の上でまるくねむる黒猫愛し(いとし)またいずこにきえようとも

009:椅子(神川紫之) (圏外圏)
この椅子に座ったあとはもうずっと立てんでいいや このままでいて

009:椅子(あめあがり) (あおいかいだん)
まだ寒き体育館に残されし椅子の見送る春の涙よ

009: 椅子  (ひらそる) (*ひねもすもずく*)
A君のにおいが暮らすその部屋はベッドと猫とパイプ椅子だけ

009:椅子 (お気楽堂) (楽歌三昧)
凭れるは椅子の背だけと言いし人の詩集抱えて坂を上りぬ

009:椅子(蝉マル) (蝉の声)
政策に初めて共感持てるひとがわが県の知事の椅子に座るよ!

009:椅子(本田あや) (明晃晃)
輪の中に自分の椅子があることを 信じて生きてゆける確率

009:椅子(白辺いづみ) (Iduming☆World)
黒板に書きし積分過去の傷眺むやさしき放課後の椅子

椅子(日下智世) (万美愛任叶結実)
まだ来ない君待ち遠しくドアが開く度椅子回し振り返る我。

009:椅子(瀧口康嗣) (可燃性連鎖)
無意味などないと言い張る生物の隣で椅子が動かなくなる

009:椅子(睡) (Melting*Diary)
「この椅子は固く閉じてる」雪の上置いて行かれたあの夜のこと

009:椅子(岩井聡) (North Marine Drive)
心ゆくまで途方に暮れる椅子の背に聞こえたあれは雲雀のような

009:椅子(Harry) (四月なかなか)
長椅子に寝つころがつてテレビ見ることができない 子に嫁の来て

009:椅子(碓井和綴) (雨歩日記)
椅子のように我がヒザに君座りおりシートベルトをきつくしめよう

009:椅子(長岡秋生) (廊下に座る)
パイプ椅子で額を割られたレスラーは馬肉色した血を噴き出せり

009:椅子 (納戸)
もうひとつ椅子を置くよに婚姻欄あったらいいのにあなたの戸籍

009:椅子 (宮田ふゆこ) (キサラギウタ)
テーブルを挟んだ距離のままだった 椅子は立ち上がりやすい形

009椅子(帯一鐘信) (361℃)
 もしかしてもしかしてあのピノキオは椅子なんじゃないかと思う

009:椅子 (宮田ふゆこ) (キサラギウタ)
テーブルを挟んだ距離のままだった 椅子は立ち上がりやすい形

009:椅子(のんちゃん) (のんちゃんの衣裳部屋裏)
投げられた椅子は背凭れぐら付いて治りたる如プーさんが座す

009:椅子(橋都まこと) (笑って東京サヴァイヴァル)
揺り椅子とパイプのかほり亡き祖父の思ひ出 静かな書斎の名残り

009:椅子(owl) (さもあらばあれ)
いつもより背もたれが倒れた椅子に苛立ち逃げ出したくなる朝

009:椅子(佐藤羽美) (one hundred gumdrops , elephants and sandals)
「その後でバンビが椅子に腰掛けてなんでなのって目をしてくるんだ」

009:椅子(瀧村小奈生) (陽だまりのふちっこで ver.2)
さっきまで君がすわっていた椅子が君そのもののかたちを示す...

009:椅子(フワコ) (きくとわたし)
夕暮れのポーチは極上の椅子となり猫と私に花風そよぐ

009:椅子(透明) (limerence)
雑踏でマイノリティを自覚する椅子取りゲームは好きじゃなかった

009:椅子(ハル) (木漏れ日気分)
座るべき者を失い椅子は野に少女は夜に取り残される

009:椅子(小太郎) (ねこのにくきゅう)
春の日のベランダ椅子を連れ出して天空破る現つ語らう

009:椅子  (香山凛志) (東京パピヨン)
指きりを繰り返しつつ過ぎた夏  揺り椅子の生む風を見てゐた

009:椅子(門哉彗遥) (Nambo no Monya?)
三角が溶けてゆくから翠色 椅子は傾きオレンジ色だ

009:椅子(池田潤) (神様、ぼくは。)
今はまだ輝きだしたりしないよう教室の椅子がたがた鳴らす

009:椅子(浅井あばり) (ギンガムクロス)
空はもうひたひただから真っ白な水ぼうそうの児が並ぶ椅子

009:椅子 (短いが身近というお話)
ふたりには静謐過ぎるホテルです無口の椅子に無口のままに

009:椅子〔究峰) (思い浮かぶがままに)
硬き椅子に座りて歌を詠む夜に野分の風がカーテンを揺らす...

009:椅子 (心を種として)
古椅子にちょこりと座る人形が変わらず笑みくる実家の2階

009:椅子(湖雨) (waffle)
椅子の背を蹴ってサヨナラ言うような一瞬先見て言訳を聴く

009:椅子 あいっち (詠題100首blog-あいっちのうたあそび。)
丸椅子に七時間ほど座りいて作業するなり工員我は

009:椅子(遠藤しなもん) (忘れちゃった。)
いっせいにみんなが椅子を引いたから海の夢から醒めてしまった

009:椅子(百田きりん) (きりんメモ)
この椅子になってしまえばそれなりに幸せだろうと思う ほほえむ

009:椅子 (題詠100首blog)
いつも吾が座るは奥から六番目暑き道来て太宰と向き合う

009:椅子(野田 薫) (さしあたり大丈夫)
ひぐらしに駆逐されたる夏の訃報 椅子に滴り落ちるラムネは

009:椅子(edocko) (RYU's Monologue)
椅子に乗り ご飯くれくれ 訴える 犬見て思う お前はヒトか

009:椅子(toshie)再送 (題詠100首blog)
定席は奥から数えて6番目椅子に座りて太宰と向き合う

009:椅子(けこ) (あきのうた声)
椅子の下 転がっているスリッパは ひとある如し 飛び立ちて後

009:椅子(shall3) (山歩き録)
椅子の上 揺られて眠る 子猫かな 過ぎ去りし日の 思いでかすか

009:椅子(椎名時慈) (ワレ短(壊れ短歌))
座ったら壊れてしまう椅子ばかり勧めてくれる「お願いは何?」

009:椅子(ゆづ) (透明ランドセル)
ひとりき椅子とリゲームを続けてるいつでもすわれることがかなしい

009:椅子(まほし) (うた・たね)
長椅子に日だまり残し車窓から手をふる君はながれながれる

009:椅子(徳田ゆきこ) (題詠100)
放課後の放送室に椅子ひとつ泣いているのよ嘘よ目薬

009:椅子(minto) (@100@)
椅子の位置少しずらせぱ窓際の君の席から明日が見える

009:椅子(大辻隆弘) (大辻隆弘 題詠100首のために)
体育館のどこかに眠らされてゐる折りたたまれた椅子として僕ら

009:椅子 (象と空)
椅子回しこちらを向いたその瞬間あなたのミニの膝が眩しい

009:椅子 (宮沢耳) (MIMI NO UTA ~題詠100首blog)
不規則に点滅をせし街灯の光に浮かぶ置き去りの椅子

009:椅子(御厨しょうこ) (哀よりも愛 愛よりモアイ)
椅子の背を壊してしまえ もう何もあたしを支えてくれないならば

009:椅子 杉山理紀 (2006R57577)
真夜中の椅子を奪って遠くまで 発光を待つ夏の海辺に

009:椅子(浅葱) (空耳の森*番外地)
在りし日の自分の椅子の小ささに 誰が「現在(いま)」など想像しえるか

009:椅子(平岡ゆめ) (le petit cahier)
座れない椅子を欲しがる子であった月が3つの空を描いてた

009:椅子(青山みのり) (わざとじゃないもん!)
退職を余儀なくされたTさんの椅子に積まれる社内日報

009:椅子 (nine) (songs)
椅子を持ち一列になり儀式へと しんと静まる教室残し

009:椅子(千) (Mille et une nuits―題詠100首blog)
波の間を漂う椅子に腰掛けて海をざんぶら渡れる嵐

009:椅子(近藤かすみ) (気まぐれ徒然かすみ草)
『草原に椅子』(下)があつて(上)がない青空古書市百円コーナー (宮本輝 幻冬舎)

009:椅子(近藤かすみ) (気まぐれ徒然かすみ草)
『草原の椅子』(下)があつて(上)がない青空古書市百円コーナー (宮本輝 幻冬舎)

009:椅子(春村蓬) (風見鶏)
食卓の揃ひの椅子はそれぞれに不在をのせて存在してをり 

009:椅子(久野はすみ) (月の融点)
わたくしをひとりぼっちにするためにカミツレの野に椅子を置きたり

009:椅子(折口弘) (はっちんずBLOG)
抱くように誰かを支えていたかった 誰も座らぬ椅子であるより

009:椅子(中野玉子) (薔薇がなくちゃ生きていけない)
食パンのみみで作ったこの椅子は誕生日まで蝉に貸してる

009:椅子(福々屋大福) (20世紀とラックバック)
窓際の光の中で揺れている揺り椅子がまだあなたのようだ