題詠100首blog

こちらは「題詠100首blog」のイベント会場です。「イベントの仕組み」をお読みの上、ご参加ください。(五十嵐きよみ)

093:落

2005-12-30 | 091-100の歌
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093:落(エクセレント安田) (風流三昧)
山岳で落石受けて重体に意識はあるが安静必至

093:落(ねこまた@葛城) (ねこちぐら)
野暮なれば笑うも辛し上方の落語上手は子守の唄よ

093:落(美山小助) (小助の和歌)
見捨てられ 社会の底に 落ち行くも 未だに夢を 捨てざりしなり

093:落(しゃっくり) (春雨じゃ)
落合は自己流でなくオレ流と自慢したがるただの親父で

093:落(西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
目覚しの鳴るに任せて暫くは我れ自堕落にまどろみ居たし

093:落 行方祐美 (やまとことのは)
落花生の花はなに色母のいろ夕暮れどすんと雷割れて

093:落(はこべ) (梅の咲くころから)
われ独り伎芸天女に会いに行く 心の落処みつけたい日には

093:落(船坂圭之介) (kei\'s anex room)
ひとに似る雲と思ひぬ昨(きぞ)今日と同じ形に落陽を覆ふ

093:落(まつしま) (心の空)
落書きの中の真実みつけては喜んでいる手帳の隅に

093:落(みずき) (空)
落下する蝉と啼きだす身の洞が微熱をもちて過ぎゆく五月

093:落(草野つゆ) (草野つゆ@はてな)
十五年以上も前に恋に落ち今も追ってるあのギタリスト

093:落(紫女) (クロッカスの歌)
雷鳴が仮面の下を裁く夜最上階より落ちるのは我

093:落(飯田篤史) (ひこうき雲)
いつのひかほんのさみしいぼくたちのひかりのまちに落ちるはなびら

093:落(よっきゅん) (よっきゅんの100首)
運命の 出会いは素敵 手が触れた 二人は見つめ 恋に落ちます

093:落(ほにゃらか) (♪おみそしるパーティー♪)
崩落を恐れて囲ひたる山にひたひた溜まる雨ひたひたと

093:落(丹羽まゆみ) (All my loving ♪)
真夜中の文字をいだきて封筒がポストの底に落つる音聞く

093:落(柴田匡志) (明日はきっといいことがある)
予復習深夜に及ぶ勉強は人を堕落へ真夜中のラジオ

093:落(川内青泉) (青泉の部屋)
三階へ洗濯干しに行くときに落ちないようにゆっくりと上がる

093:落(本原隆) (それについて)
月みたく落ちる人工衛星も見えないだけで働いてるし

093:落(animoy2) (~うたよみ日記(短歌とともに)~)
異国文字落書ですらアートだとひとりうなずくパリの地下鉄

093:落(aruka) (外灯都市)
世界からまっさかさまに落ちるため背中のゼンマイもっと巻いてよ

093:落(新津康) (NOTHING WORKS)
流れ落ちる全ての涙の先は海だと、誰か気付いているか。...

093:落(畠山拓郎) (想いまっすぐに)
バスタブで落語の如く独り言 番茶に酔って気分爽快

093:落(藤原 湾) (湾の歌詠の日々。)
新しい学年になり担任が落ち武者のような人になったよ

093:落 (新井蜜) (暗黒星雲)
早朝に下落合の交番の前で拾ったあなたの手紙

093:落(春畑 茜) (アールグレイ日和)
落ちて来るしづくを雨と呼びながらこの子もいつか老いるのだらう

093:落(髭彦) (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
オレンジの火玉となりて陽は落ちぬみちのくの旅終はる車窓に

093:落(ゆあるひ) (ゆあるひの鍛高短歌4)
暗い暗い底無し井戸に落ちてゆく疲れと焦り目覚めても闇

093:落(秋野道子) (気まぐれ通信)
由来では二つの川が落ち合った名の処理場に飛び交う蛍

093:落(西宮えり) (aglio-e-olio)
木から落ちる猿は無言でふりつもりふりつもり朝 きょうははれです

093:落(ざぼん) (グレイト・エスケイプ!)
部屋のすみ抜け殻のように落ちている小学生のすがたの私

093:落(ざぼん) (グレイト・エスケイプ!)
部屋のすみ抜け殻のように落ちている小学生のすがたの私

093:落 (青野ことり) (こ と り の ( 目 ))
「大切」が免罪符だった 張りつめた弓張月も欠け落ちるのに

093:落(濱屋桔梗) (桔梗の独白)
山際に滑落していく月舟とともに沈んでアラビヤへゆく

093:落(やな) (やなさんの基地)
落ちるまで落ちかけていた笑う子のひとみを胸に焼き付けていた

093:落(スガユウコ) (ココロに花を)
尾張よりの落人らしと遥かなる母の祖先に吾の弱さ見ゆ

093:落(暮夜 宴) (青い蝶)
かなしみを両の手首に巻きつけて落ちてゆけない夜のばかやろ

093:落(わかば) (わかばのうた)
落ちてゆく重力わたしの感覚が閃光とはじけ飛んだ瞬間

093:落(あんぐ) (あんぐの短歌)
春空へ飛んでいきたい鳥のごと 飛び疲れたら落ればいいさ

093:落(ドール) (花物語?)
鶏舎にて産み落とされる無精卵 昨日も今日もそして明日も

093:落(goldfish) (月と金魚鉢)
七色の言葉を落として鬼ごっこ綺麗な場所でつかまりたかった

093:落(改行やたら好きな人) (軟骨れいあうと)
 晴れはしく  みんな落ちたら  さかさまに  数えなおしの  砂つぶどもよ

093:落(澁谷 那美子) (題詠100首に参加中)
吾が気持ち落ちて行きけむ 世が世なら側室としてをりたいなどと...

093:落 (寺田ゆたか)   (素浪人Joeのスローライフ)
・浅間嶺に落つる夕陽と競ひつつ駆けて列車はトンネルに入る

093:落(みゆ) (*** ことばあそび ***)
落ちてゆく あなたと共にどこまでも 怖いと思わぬ我が身が怖い

093:落(小早川忠義) (ただよし)
働ける証か今日のしがらみか垢を落として明日も働く

093:落(るくれ) (とっても単純なこと)
落としものと嘘が山ほど 君はすごいこんなに私をかっこ悪くして

093:落(Yosh) (★光に向かって★)
死の姿 首相も乞食もみな同じ 落差も激し 人生末路

093:落(愛観) (ひ と ひ ら こ と ば)
落雷の後の耳鳴り走り去れキミ破壊する言葉放って

093:落(碓井和綴) (雨歩日記)
片思い介錯される幸せよ椿の花の落ちる季節に

093:落(水都 歩) (水都blog)
好不調浮き沈みする我が心落差のままを受け入れている

093:落(謎彦@題詠100首) (ジャポン玉)
兵馬俑ならぬ吾が身のまんなかを週に一度か二度の落石

093:落(日下智世) (万美愛任叶結実)
落花生皮を剥くのが好きというあなたの為に今日も購う。

093:落 (     Popん?TANKA)
コイン・トスしてこれが最後の愛だから落ちてきた君だとしても、あ、雨

093:落(花夢) (花夢)
あのひとの煙草のけむり(ピアニッシモの1㎎)で落ち着く

093:落(ふしょー) (DEATH IS A LONELY BUSINESS)
意味のない落石注意びびるけど避けられないよ税金の無駄

093落(帯一 鐘信) (361℃)
有名な絵画のように落ちている下着の先で眠る芸術

093:落(はるな 東) (菜の花の道)
曖昧な終わりじゃなくてどうせなら椿落つごとすぱっと斬って

093:落(中村成志) (はいほー通信 短歌編)
お煮染めに蓋を落として伸びをしておもかげ浮かびそうな薄闇

093:落(星桔梗) (風船がわれるまで)
落葉樹今年の役目が終わる頃あの娘の涙は見逃すが良い

093:落(智理北杜) (智理北杜)
今日も紅く洛陽が照らす壁面にくたびれちまった街路樹の影...

093:落(五十嵐きよみ) (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
オーディション受けてもわざと落とされる心配だけはなくなったけど

093:落(小雪) (朱紗)
一瞬の 熱いビームで 恋に落ち 道ならぬ故 切なく燃える

093:落(原田 町) (カトレア日記)
巧みなる罠に落ちたる心地して夏の終わりをじりじりといる

093:落(智理北杜)修正再投稿 (智理北杜)
今日も紅く落陽が照らす壁面にくたびれちまった街路樹の影...

093:落(なまねこ) (路地裏稼業)
こんなにも堕落していくぼくたちに窓辺の天使は溜め息ひとつ

093:落(びっきい) (チョキで殴るぞ!)
落武者が昨日我が家にやって来てヴィダルサスーンを借りていったよ

093:落(飛鳥川いるか) (しぐなすの短歌感電ノート)
わたしから落ちた爆弾?星?心臓? いいえ、赤すぎるりんごです

093:落 (紫峯) (時空の扉)
不覚にも落涙(らくるい)をせし哀しみにそーっとそっとレタス剥きおり...

093:落(彼方) (心を種として)
亡き君と落ちゆく月の弔いに我は西向く背を焼かれつつ

093:落(鈴雨) (鈴雨日記)
たね宿しあるいは実りなきままにただ朝顔の花がらは落つ

093:落(栗凛) (ス芸紙一重?)
片羽を失くした天使が落ちてくる 白い雪と似たスピードで

093:落(David Lam) (でたらめなうたどもよ!)
ヘリコプタ落ちたるを見むと単車走らせ川の臭い嗅ぐ朝

093:落(佐藤紀子) (「題詠100首blog」参加作品)
マロニエの樹の下に積む落ち葉分け栗によく似たその実を探す

093:落(野良ゆうき) (野良犬的)
スピードを落として空を見上げたら空の青さに気がつきました

093:落 (お気楽堂) (楽歌三昧)
六道の辻より落つる地獄道あなおそろしや篁が待つ

093:落(月影隼人) (人間万事塞翁が馬)
落雷も遠くであれば美しく近くなるほど君と同じで...

093:落(みなとけいじ) (海馬)
吐瀉物浮く便器の中にわが片目落ちてオディロン・ルドンの気球

093:落(みなとけいじ) (海馬)
吐瀉物浮く便器の中にわが片目落ちてオディロン・ルドンの気球

093:落(やすまる) (やすまる)
みぎ腕がけんこう骨を略奪し上はん身は陥落まぢか

093:落(kitten) (kitten song)
花束を抱いたまま落下する悪い男の夢の中の悪い血

093:落(素人屋) (素人屋雑貨店)
落合の改札口に消えた日を記憶の中にもう探さない

093:落(小籠良夜) (DARKSIDE OF THE MOON)
墜落し堕落し天使ゆく先は失楽園のその果ての果て

093:落(笹井宏之) (【些細】)
集落を追われたひとと釣りをする とてもただしいひとだったのに

093:落(岩井聡) (North Marine Drive)
千九百九十九小節目にはタクトを落とせ そして夜を聴け

093:落(本田瑞穂) (空にひろがる枝の下から)
すごいよねすごいよなあってそれ以上いわずにわかるところへ落ちて

093:落(松本響) (春色ぶれす SIDE-D)
落石に注意しなさい冬空は星がこんなに見えているから

093:落(遠山那由) (百億粒の灰の鳴る空)
これ以上落ちてゆけない僕たちの抱き合ったここが世界の底だ

093:落(振戸りく) (夢のまた夢)
ステージのこけら落としに招かれたもうすぐ売れるはずの歌い手

093:落(みの虫) (みの虫が居る「書」のぷらぷら道)
   落ち椿ふみ場もなくて会長はいつから会長なのかわからない

093:落(富田林薫) (カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』)
落ちてゆく からだが軽い こんにちわ 僕のまわりで光りだす苔

093:落(おとくにすぎな) (すぎな野原をあるいてゆけば)
かるがると落っこちながら見た空にセミのこどもはまた会えるから

093:落(市川周) (ミルミルを飲みながら)
落下傘すずなりなれば明日は晴れ(Lazy soldiers play on the swing.)

093:落(Harry) (四月なかなか)
オレ流で三年に二度優勝し宙に舞ひたる落合監督

093:落(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
お砂場へ落下傘部隊つぎつぎと一年生の黄色遅れて

093:落(今泉洋子) (sironeko)
落下する椿はまるで自爆テロ日の辻休みの夢の断片

093:落(瀧口康嗣) (可燃性連鎖)
不自由な落下ばかりする地球で指先のその先からが風

093:落(KARI-RING) (ほとりほとりと藍色の海)
落ちていくものに埋もれるはずだった私の夢をすくいあげるきみ

093:落(かっぱ) (きゅーりをこのむ)
わすれるよ きっとあしたもなにひとつ落としてませんって顔してあるく

093:落(末松さくや) (旅人の空(待ち人の雪別館))
(風になるはずはないのに)落馬して大地のほうへこんなにとおい

093:落(ぱぴこ) (テクテク)
ふたりきり眠りに落ちていく間際フィルムの剥がれるような沈黙

093:落(佐原みつる) (あるいは歌をうたうのだろう)
テーブルに直にでもいい雨粒の落下速度をもとめる式を

093:落(村上はじめ) (spidyな日々)
落下する夕陽に背中そむけては乾いた喉をビールで満たす

093:落(方舟) (方舟)
転勤を重ねて勤務五十年終の住処の落成を見る

093:落(上田のカリメロ) (ほわほわの森)
赤黄色自然の景色の美しさ 落葉の時期心癒して

093:落(空色ぴりか) (題詠100首blog/空色ぴりか)
道ばたに(なぜか)眼鏡が落ちていて日がな一日気になっている

093:落(萱野芙蓉) (Willow Pillow)
哄笑とともにクヌギの実が落ちる<あなた、そんなものを信じてゐたの>

092:落(田崎うに) (楽し気に落ちてゆく雪)
 莢炒りのカラコロカラコ落花生 だしておくれよコイツは厭きた

093:落(田崎うに) (楽し気に落ちてゆく雪)
 莢炒りのカラコロカラコ落花生 だしておくれよコイツは厭きた

093:落 (題詠100首blog-あいっちのうたあそび。)
リスザルの親が子どもをしっかりと抱いていました 落ちないように

093:落(理宇) (±雑記蝶)
失恋を二度したくないのなら落果速度の計算をせよ

093:落(凛) (臥薪嘗胆)
落第じゃなくて留年くだらない言い訳をする君がかわいい

093:落(田丸まひる) (ほおずり練習帳。)
コンタクトレンズ落とした片目から世界と分離 したくないのに

093:落(あおゆき) (メソトリウム)
洒洒落落、洒洒落落と銀杏の葉 もうすこしだけ信じてみよう

093:落(黄菜子) (月待ち人の窓辺)
転落の夢おおく見るこのごろは朝の鏡に眉つよくひく

093:落(shall3) (山歩き録)
夕暮れの 落ち葉の道は ぼんやりと 雑木の幹を 浮かび出さしむ

093:落(寒竹茄子夫) (鶴太屋別館「マニエリスム」)
青眼の巨漢仔犬にしたがひて落暉(らくき)の花野を肩に載せ来(く)も

093:落(水須ゆき子) (ぽっぽぶろぐ)
落人の傷を癒せし温泉に浸かりてじっちゃん黒く輝く

093:落(フワコ) (きくとわたし)
落し物箱に入ったまま忘れられし赤いいちごの髪留め

093:落(わたつみいさな。) (乱切りくじら)
大切にすると約束したわけじゃないから落とす赤い口紅

093:落(みち。) (虹色アドレナリン。)
段落をむやみにあけるこの紙を埋めつくすほどかなしくはない

093:落(佐藤羽美) (one hundred gumdrops , elephants and sandals)
恋人の守護霊たちと帝王閣ホテルロビーで落ち合う約束

093:落(桑原憂太郎) (桑原憂太郎.com)
指導室でしらをきつてる女生徒の落とし方をのんびり思案す

093:落(まほし) (うた・たね)
青光る線香花火の玉落ちて目覚めたら秋千色の窓

093:落 夜さり (夕さり夜さり)
落雁のつぶての群れが下りながら水の表をいちまい捲る

093:落(橋都まこと) (笑って東京サヴァイヴァル)
五分後に命を落としたとしても悔いはないかと自らに問う

093:落(内田誠) (その言葉の行方)
羽ばたいた言葉のような蜻蛉を水面に落とす夏の重力

093:落(透明) (limerence)
一夜泣き腫らし目隠すサングラスお洒落だなんて嬉しくないわ

093:落(睡蓮。) (睡蓮。の隠れ家ブログ)
日常も思い出もみな降り積もる落ち葉のようでまた土になる

093:落(遠藤しなもん) (忘れちゃった。)
フルメイク落としてちょっとはにかんだふりを練習、日々練習、だ

093:落  (翔子) (花こみち)
古寺落書それも文化や時の不思議さ残照映える

093:落(瑞紀) (歌信風(かしんふう))
落照に片翼染めし旅客機の徐々に空へと向かふ傾き

093:落(斉藤そよ) (つれづれつづり)
落下するどんぐり受けとめるために秋七色のギャザースカート

093:落(幸くみこ) (そこそこがんばる)
落ちていく前の恍惚 ガラ空きのパチンコ屋にてぼんやりはじく

093:落 (里坂季夜) (コトノハオウコク)
それまでに決めておきたい流れ星になれるのならばどこへ落ちよう

093:落(pig_pearl) (ブタに真珠)
落ちていく 雫を見つけて ハッとする 閉め切る窓の 外は大雨

093:落(林本ひろみ) (いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ)
しんしんと空から落ちる白い鳥わたしの肩にとまって消える

093:落(究峰) (思い浮かぶがままに)
山道は枝と落ち葉で覆われて踏みゆく足にさくさく答ふ...

093:落 (象と空)
この国の落下する音感じる何も言わないあなたと秋へ

093:落(濱田花香) (紅葵爽♪)
深淵に落とさる行業(しわざ) のめされて、這い上がる溝すら爪も架(か)ず

093:落(夢眠) (夢眠・日々綴り)
空を追い落ち葉を追ったあの坂でうしろ姿のあなたを追った

093:落(きじとら猫) (きじとら小部屋)
ピーナッツ南京豆に落花生どう呼ばれても私は私

093:落(けこ) (あきのうた声)
剥落の飛鳥の壁の天女らは千年を経て天にもどりぬ

093:落(ことら) (ことらのことのは)
落第した生徒みたいに遇(あしら)って 駄目な子だって叱ってほしい

093:落(堀 はんな) (たん たん 短歌)
まだ青いブーゲンビレアの葉が落ちて夕べの風の強さ知る朝...

093:落(新藤伊織) (月が堕ちるころ)
耳鳴りがおさまった時約束も出逢った夜も落としたみたい

093:落(癒々) (Romantic irony)
まやかしの最下点から落下して爪先が無重力に恍惚

093:落(浅葱) (空耳の森*番外地)
落ち着いた声が語らう留守電の言葉淋しく閉じこもれる雨

093:落 (ケビン・スタイン) (In Other Words・別の言葉で)
信号を無視して道を横切った落ち葉と風になりたい僕と

093:落(ゆづ) (透明ランドセル)
落ち葉だけ踏みしめていく秋色のルールでいつかあなたに会える

093:落 (砺波湊) (となみ☆みなと)
落石に注意しながらこの席でおかわり無料のコーヒー追加

093:落(内田かおり) (題詠2006深い海から)
落ちないと嬉しげに言う鉄棒に逆さになって髪を揺らして

093:落 (如月綾) (お気に召すまま)
落とし穴ハマったみたいな恋をした 驚き、可笑しく、少し泣きたい

093:落(もりたともこ) (短歌、すきです。)
たどり着く願い切なく激しくて彗星はもう落ちてゆきそう  

093:落(大辻隆弘) (大辻隆弘 題詠100首のために)
遠からぬ落魄の日よ、もしそこに添へうるものがあるなら茜

093:落(近藤かすみ) (気まぐれ徒然かすみ草)
図書館に返し損ねし『黄落』が姑の寝床の枕の下に (佐江衆一 新潮文庫)

093:落(小軌みつき)  (小軌みつき-つれづれ日和-)
落しモノ入れにはビー玉ひとつぶの泡よりもろいさけび声たち

093:落(我妻俊樹) (喜劇 眼の前旅館)
終らない落語の夜を百年の長きにわたる「あたため」ボタン

093:落(折口弘) (はっちんずBLOG)
落としたり忘れたりする持ち物が不意に出てくる 小さなラッキー

093:落 (佐田やよい) (言の波紋)
校庭のベンチにきざむ落書きがたったひとつの言葉と気づく

093:落(ひぐらしひなつ) (エデンの廃園)
影となり影のまま抱く落花生剥きつつ聴いたコルトレーンを

093:落 (にしまき) (びおん書局 ※にしまき※)
地面から悲しみ落ちてきたさっき涙一粒打ち上げたから

093:落(小太郎) (ねこのにくきゅう)
落ちていく瞳が最後に見たものは空だったでしょう、か 蝉

093:落(ひろこ) (ひろたんの創作日記)
落花生ひとつ摘めば止まらなく 病みつきになる私を止めたい

093:落。  (P) (猫の毛玉 別荘 -しろうとたんか-)
もの哀し 落ち葉集めて風に散り なるようになれと掃きつつ言えば

093:落(星川郁乃) (Air Station)
正しさの平均台を落ちぬよう落ちぬよう歩いたはずなのに、ここ

093:落(春村蓬) (風見鶏)
ホームランボールが落ちてゆくまでと今日のひと日とひとの一世と

093:落(瀧村小奈生) (陽だまりのふちっこで)
底のない闇に向かって落ちてゆく目覚めきれない明け方の夢...

093:落(ヒジリ) (*tRIGger.)
「すきなとこ」きみから聞いてこの恋は落ちないものであろうと決めた

093:落(yurury**) (Scene-Flow into space*写真短歌・五行詩)
横顔で繰り上がり算を嘆く児(こ)が「先生の分」と落とす一種(たね)

093:落(中野玉子) (薔薇がなくちゃ生きていけない)
くりかえす呪文みたいに「大丈夫」そうじゃないほど落ち着き見せて

095:落 (nine) (songs)
落ちていく感覚が癖になるでしょう?だからあなたと乗るジェットコースター

093:落(ベティ) (Betty's second Bar)
落ち着きをなくしてしまう嗅ぎ慣れた香水 だけど別れたひとの

093:落(のんちゃん) (のんちゃんの衣裳部屋裏)
落花生の小さな実がゆれ干されいるポッチは大地のオッパイみたい

093:落 (みあ) (言の葉たち)
熟れすぎの柿は何かをあきらめてぐるんぐるんと空から落ちる

093:落(まゆねこ) (家事、ときどき短歌)
幼子の靴の片方落ちており若草の野に花咲くように

93.落(文月万里) (Kagerou つれづれ)
落ちるなよの声があちこち聞こえ来るアスレチックフィールド青空

093:落(魚虎) (脳内に散らばり在りし言の端をDJ的感覚で編む棄てるダム)
フランスの国旗が空に落ちてゆくデジャヴュやジャメヴュだらけの夕べ

093:落(みにごん) (MINI'S LIFE blog)
爪先に落書きされてしまったらあなた以外は愛せないのよ