daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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4チャンネル・ステレオがあった時代

2022-12-02 | 音楽つれづれ

札幌市内でもとうとう積もる雪が降ってきました。12月だから仕方が無いのですが。

これから冬眠と言う訳にもいかないので、散歩は続けますが… 前回散歩の話と併せ書いた青江三奈とビクターとで、もう一つ思い出す事がありまして、歌とは直接関係ないのですが、70年代にビクターが提唱した4チャンネルステレオと言うのがあって、これはスピーカーを2本から4本に増やし、臨場感を高めようと言う提案でした。

 

ビクターは入口から4つの信号を持たせ、正面から2本、後方にも2本で、それぞれ独立した信号を再生するディスクリート方式にこだわり、当初はテープで、後にCD-4という方式のレコードも発売し、同規格に対応したレコードは今でも中古で見かけます。

対抗して他メーカーの採ったのが、4つの信号をミックスしてステレオ信号にして送り出し、再生時に分離するマトリックス方式として、RMだのSQだのだのと規格が乱立。

他方ソフトに捉われず、通常のステレオから抽出した物をリアに送る疑似マトリックスと言う方法や、結線を変えただけで出来るスピーカー・マトリックス何て方法もあって、これは金がかからないので私もやって見た事がありましたが。

セット・ステレオのメーカーの多くは、どこかの方式に固着する事なく(付合い切れないし)最後の通常のレコードから疑似信号を取り出し、後方にセットしたサブスピーカーで再生し、どのレコードも4チャンネルになりますよ、と宣伝していたような気がします。

 

その方式の再生デモで驚いたのが、青江三奈の「国際線待合室」というシングル盤で、歌の始まる前のSEで空港のざわめきが入り、そこに搭乗アナウンスが流れ、そのあと飛行機の離陸音が流れるのですが、場の空気がとてもリアルで、前方からの離陸音が頭上を通り、後方に飛び立ってゆく、とてもすごい臨場感でしたが、歌に入ると記憶が無くて…すみません。それ位インパクトがあったのです。

それはそれで驚いたのですが、私が欲したのは臨場感の向上ではなく、音質の向上だったので、4チャンネル方式には手を出しませんでしたが。

 

重ねてですが、あの時聞いた頭上を通り過ぎるジェット機、場の空気が変わった瞬間は、半世紀前の事なのにまだ印象に残っていて、それはすごい事だとは思うのですが、規格の乱立やセットの場所・手間など諸々の理由で、4チャンネル・ステレオは10年程で消えてゆきます。

しかしその間に生まれた技術競争、例えばCD-4再生用に開発されたシバタ針の技術は、以後のカートリッジの広域再生に大きく貢献したしたはずですし、サラウンド再生は今のホームシアターでの音場再生等に生かされているのかな?そう思うと無駄ではなかったかな?とは思うのですが。



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