男が驚いたこと、それは自分が二人いることでした
俺は今、立ち上がった
それなのに、あそこに寝そべっているのも俺だ
頭から血を流している
どういうことだ
男はふと自分の頭に手を当てました
そして、その手をみてみると
「血が付いている」
男は思わず叫びました
男は自分が二人いることに最初驚きましたが
やがて、落下のショックで視神経がおかしくなったのだと結論付けました
しかし、事実は魂が肉体から離脱していたのです
男は人間の中心は脳であり
感情や意思や意識は脳と神経が作り出したものであって
脳が停止したならば、感情や意思や意識は当然なくなる
しかし、自分は思考しているし、感情もあるので
自分は死んでいない、まだ生きていると思っていました
そして、自分が二人いるという基本的な矛盾を無視するのでした
ここで真実をいうと、横たわっているのは
男が今回の人生で使用した肉体です
たんぱく質やカルシウムや水などでできています
これはわかりやすくいえば
「ぬいぐるみ」 ということができます
そして、立ち上がってあれこれ思考しているのが
過去何度も転生輪廻をして
いろいろな経験をしている男の本体・本質なのです
この本質は当然、物質という概念では説明できません
あえていうならば思考するエネルギーとなります
しかし、男は霊だの魂だの死後世界など、はなから信じていなかったので
この基本的なこと、死んだら肉体と自分の本質が分離するということが
全く理解できていませんでした
そして、完全に自分はまだ生きていると思っていました
やがて、男の死体を通りすがりの人がみつけ大騒ぎになります
多くの人が集まってきます
救急車もやってきます
そして騒ぎを聞きつけて男の妻が目をさましました
男の妻は胸騒ぎがしたので現場に行ってみます
そして、集まっている人に事情を聞きます
その結果、飛び降りたのが自分の夫であることを認識し
半狂乱となります
男はこれを見ていて妻に話しかけました
「何、くだらない芝居やってんだ?
おれは、ぴんぴんしてるよ
確かに、飛び降りたけどな
9階から飛び降りて生きているなんて俺も悪運が強いよ」
しかし、男の妻はそんな言葉が聞こえないかのように
泣き叫んでいます
男はもう一度大きな声で
「猿芝居はやめろ!」
と怒鳴りますが全く無視されます
そして、自分が他の人全員に全く無視されているのに気づきます
それは、まさに男がそこに存在しているのを他の人が
全く認識していないかのような無視の仕方でした
男は激しく怒ります
「こらー、お前たち、みんなして、なにくだらない芝居してんだー
俺はここに居るだろうがー」
といっても全く聞こえている様子がありません
やがて、男の霊は救急車に乗って病院まで行きます
そして通夜の席にも立ち会います
そして、自分の葬式にも出席します
しかし、それでも男は自分が死んだことを認めようとしません
自分の葬式をみて、ひょっとして自分は死んだのかと
一瞬思ったのですが
そんなことわけあるないじゃないか
実際、自分は存在しているじゃないかと
なおも自分の死を認識できないのでした
やがて、男は生きていたときに感じていた以上の
孤独感と絶望感を感じながら
浮遊霊としてしばらくさまよいます
男はしばらく自分の家にいます
もとの会社にも行きます
そしていろいろいろな人に話かけますがすべて無視されます
これが無神論者が自殺したときのよくある例です
もし、あなたがこの話を初めて聞いたのなら覚えておいてください
そして、誰かに相談されたなら
「’大和光紀’というサイトに参考になること書いてあったよ」
と言っていただきたいと思います
そのように言うことはあなたにとっても
’人のためによいことをした’
となり、本来の世界に戻った時
あなたに幸福感がもたらされます