大相撲秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)で、大島部屋のベテラン、旭南海(32)が新入幕を決めた。野球賭博の影響で大量9人の幕内昇進者が出る異例の番付編成により朗報が届いた。初土俵から所要105場所は史上2番目の遅咲き記録。「あきらめずに一生懸命やれば、いいこともあると思った」と、苦労人は控えめに喜びを語った。
旭南海は鹿児島・徳之島出身。島の先輩で「南海のハブ」の異名をとった元小結・旭道山が活躍していた大島部屋に入門した。93年春場所で初土俵を踏んだが、体重に恵まれず十両昇進まで12年かかった。十両でも上位のカベに阻まれ続けた。
先の名古屋場所は西十両12枚目。幕下まで2枚しかない厳しい番付のうえ、賭博問題で自身も軽微な賭け事をしていたことを申告、場所前に名前を公表された。「負け越したらどうするとか考えるとマイナスになるので、絶対勝ち越すと思って相撲を取った」。その頑張りで自己最多タイの10勝をマークした。
野球賭博に関与して先場所を謹慎・全休した幕内力士6人全員が十両に落ち、代わって十両から大量入幕。旭南海は十両が地位として明確になった1888年以降最も低い地位からの入幕となったが、賭博問題が絡んでいるだけに「複雑ですね」と話す。
初土俵からの所要場所数は星岩涛の115場所に次ぐ史上2位のスロー記録。32歳8カ月の新入幕は戦後4位の高齢昇進となった。
9月上旬に第2子の長男が誕生する予定。「2年前、長女が妻のおなかにいた時に幕下に落ち、このままではいけないと奮起して十両に戻った」と振り返り、「また家族が1人増えるので頑張らないと」。一家を支える父親の顔になった。【大矢伸一】
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先の名古屋場所は西十両12枚目。幕下まで2枚しかない厳しい番付のうえ、賭博問題で自身も軽微な賭け事をしていたことを申告、場所前に名前を公表された。「負け越したらどうするとか考えるとマイナスになるので、絶対勝ち越すと思って相撲を取った」。その頑張りで自己最多タイの10勝をマークした。
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