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ドル、81円台半ば=午後に下げ渋る〔東京外為〕(30日午後5時)

2010-12-30 19:39:51 | 日記
 30日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、午前に1ドル=81円台前半まで値を下げたものの、閑散商状の中、午後に下げ渋る展開となった。午後5時現在は、1ドル=81円49~52銭と前日(午後5時、82円05~08銭)比56銭のドル安・円高。
 米金利の低下を背景に、ドル売り・円買いが先行。午前に81円28銭まで水準を切り下げた後はドル売りが一服し、やや値を戻して小動きに終始。その後は、81円60銭近辺まで値を戻す場面もみられた。
 市場では、米金利の低下を背景にドル安基調になっていることから、年始も円高リスクが意識されている。一方で、「ここからさらにドルを売り込むには新しいストーリーが必要」(都銀)との声も聞かれた。
 ユーロは対円で小動き、対ドルで上昇。午後5時現在は、1ユーロ=107円81~84銭(前日午後5時、107円83~86銭)、1ユーロ=1.3228~3231ドル(同1.3138~3141ドル)。(了)

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IP電話の導入に役立つ3つのホワイトペーパー

2010-12-30 19:39:30 | 日記
 IPネットワークを利用して音声サービスを提供するIP電話。今や通話料削減手段の筆頭として、NTTの「ひかり電話」のように、企業だけでなく家庭でも広く利用されている。

 IP電話は、ビデオ会議などのビジュアルコミュニケーションやプレゼンス管理と連動して通話機能にとどまらないさまざまな役割を果たし、ユニファイドコミュニケーション(以下、UC)の重要な構成要素となっている。【堀見誠司,TechTargetジャパン】

●「通話コスト、設備投資ゼロ」のSkypeの企業利用をサポートする

今再注目されるSkypeの企業導入 要の「セキュリティ管理」は大丈夫?
→http://wp.techtarget.itmedia.co.jp/contents/?cid=1945

 Skypeは最もポピュラーなVoIPアプリケーションの1つである。ユーザー同士の通話が無料になるため利用者数が急拡大し、現在の同時オンラインユーザー数は2500万にも上るという。このSkypeのパワーを、企業が自社の電話環境に生かせないかと考えるのは当然だろう。手軽なビデオ会議ツールとしても利用できる。

 しかし、Skypeのビジネス利用には情報漏えいなどのセキュリティリスクが付きまとう。SkypeはP2Pで通信するため、監視システムなどを使ってユーザー利用を一元的に管理することが難しい。Skypeユーザーであれば社内外の誰とでもチャットやファイル送信が自由にできてしまうので、Skypeを業務に生かす上では私的利用を制限する仕組みが必要となる。

 本ホワイトペーパーで紹介する「Officede for Skype」は、Skypeの利用をコントロールし、業務で安心して使えるようにする製品だ。通話、チャット、ファイル送信などSkypeで利用可能な機能を制限して、さらに特定の相手とのみ通信を許可するといったポリシー制御を実現しているのが特徴。通話、ファイル送信の履歴管理や登録ユーザーの一括管理といった機能も企業でのセキュリティ統制には欠かせない。ホワイトペーパーではOfficede for Skypeの機能紹介のほか、固定電話やビデオ会議システムとのコスト比較などによるSkypeの導入メリット、Skypeと本製品の組み合わせで施設間の通話料を削減した自治体、ビデオ会議ツールとして活用する企業の事例を取り上げている。

 Skypeのビジネス利用自体に抵抗感のある読者やセキュリティ対策に懸念を抱いている読者には、一度目を通すだけの価値がある資料だ。

※編注:フュージョン・コミュニケーションズは現在、Officede for Skypeの取り扱いを中止しており、販売事業は第一コンピュータリソースに移管されている。

●コスト削減から収益向上のためのツールへ

「Lotus Sametime+電話」が変える次世代コラボレーション
→http://wp.techtarget.itmedia.co.jp/contents/?cid=2068

 「コスト削減」を目的にIP電話を導入する企業は多いが、UCにおいては必ずしもそれが到達点にはならない。これまでの電話の使い方を革新し、業務改善や顧客満足度の向上に結び付けることがUC本来のゴールといえる。本ホワイトペーパーは「IBM Lotus Sametime」にIPテレフォニー連携機能を追加するミドルウェア「IBM Lotus Sametime Unified Telephony」(以下、SUT)の解説が中心だが、企業がUCを導入する価値について冒頭で定義している。

 IBMが提唱する独自のUCソリューション「UC2(Unified Communications & Collaboration)」では、UCの導入価値を4つのステップで高めていくことを「登山」に例える。

 その1合目に当たるのは、既存電話システムのIP電話への置き換えによるコスト削減だが、UC2においては「UC導入で得られる基本的な価値にすぎない」としている。次の3合目では、グループウェア上の社員や取引先の情報に張られたリンクやボタンをクリックするだけで電話をかけられる「クリック・ツー・コール」などによる業務効率の向上。さらに7合目は、各業務システムの中にIP電話などのコミュニケーション機能を取り入れて業務処理速度を大幅に上げるという、企業全体に及ぶ生産性向上を実現する段階だ。そして最終段階となる「山頂」では、UCを顧客への営業・サポートや社外の関連会社との協業で活用し、売り上げの拡大に貢献させることが可能になる。つまりUC2は、IP電話をコスト削減ツールとしてではなく、企業内にあるコラボレーションの仕組みと組み合わせてビジネスプロセス自体を変革し、企業の競争力向上につなげるツールとして活用してこそ、UCの本当の価値が引き出せるというのだ。

 その「コラボレーションの仕組み」がIBMでいえばLotus製品となり、Lotus Sametimeプラットフォームが電話とアプリケーションとの橋渡しをしてくれる。ホワイトペーパーでは、電話プレゼンス、ユニファイドナンバーといったSUTのPBX連携機能や呼制御の仕組みを詳説している。Lotus Sametimeのユーザーはもちろん、導入済みのIP電話から通話以上の価値を引き出したいと考えている読者にも参考になるだろう。

●IP電話の音質を最適化するネットワーク構成

イーサネットスイッチによるIP電話実装のシナリオ
→http://wp.techtarget.itmedia.co.jp/contents/?cid=2025

 IP電話は加入電話に比べて音声品質が不安定といわれる。データを運ぶ複数のIPパケットが同じネットワーク上で混在するため、トラフィック増大時には揺らぎ、遅延、パケットロスが発生し、結果として音質劣化を招いてしまう。VoIPなどリアルタイム系のアプリケーションは品質管理がシビアであり、それだけにネットワークの設計手法にも大きく影響する。

 本ホワイトペーパーは、「IP電話の実装に最適なネットワーク設計」に注目し、LANスイッチによる音声トラフィックの制御方法について紹介している。IP電話ソリューションそのものの解説ではないが、マルチベンダーでのIP電話のデプロイメントを検討しているIT管理者は効果的なLAN設計手法の一例を知ることができる。

 資料では、IP電話機とエンドポイントホスト(クライアントPCなど)でポートを共有する場合と分離する場合の、大きくは2つのシナリオに沿って解説。前者は、スイッチがIP電話機を自動検知してQoS(Quality of Service)などの設定内容を動的に最適化する技術LLDP(Link Layer Discovery Protocol)/LLDP-MEDに対応した電話機および非対応の電話機それぞれで、最適な接続方法や機器設定を図解している。また後者では、IP電話機とホストそれぞれの接続ポートに異なるVLANを割り当て音声/データのトラフィックを分離したり、双方にデータ用VLANを割り当てながらアクセスポートの音声VLAN機能を利用してトラフィックを切り分ける方法について言及している。

 実装に先立ち、機器の配置や採用技術などについて「いくつもの選択肢を考慮する必要がある」という本資料の結論は、IP電話導入を成功させるノウハウを凝縮しているといえるだろう。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などに関するホワイトペーパーを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

※関連記事:BlackBerryが欧米企業のエグゼクティブに選ばれるわけ
→http://www.atmarkit.co.jp/misc/ct.php?id=tt0Z0302

2010年のネット事件(犯罪)ダイジェスト……G Dataが発表

2010-12-30 19:39:08 | 日記
 G Data Softwareは29日、2010年における主なネット事件(犯罪)とマルウェアの動向について振り返り、パソコンやネットへの安全対策を呼びかけるコメントを発表した。
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 同社では、世界的に景気が冷え込んでいるのとは裏腹に、ネット裏市場では、かつてないほど、好況を呈しているとしている。また、このなかでは「ボットネット」に組み込まれないことが重要とし、ネット犯罪者がボット化させるために仕込むマルウェアの主な方法として

・スパムメール(主に添付ファイルの開封から感染)
・ウェブサイト(閲覧だけで感染するものやフィッシング詐欺など)
・USBメモリ(オートラン機能でネット無接続でも感染)
・ファイル共有ネットワーク(ファイル名につられてダウンロード後に感染)

 の4点を挙げる。さらに同社はネット犯罪は英語がもっとも使われているため、日本語環境では若干、危険な度合いが下がるともいえるとしながらも、今年のネット犯罪状況をみてみると、そろそろ他人事では済まされない状態になっていると注意を促している。

 なお、同社がピックアップした2010年における主なネット事件(犯罪)は以下の通り。
1.【情報流出】尖閣諸島中国漁船衝突ビデオの公開(9月)
デジタルな「ネット情報」の可能性と危険性の両面を広く認知させ、マルウェアやネット犯罪への注意を高める契機にも。

2.【社会的影響】ガンブラー攻撃(~2010年8月頃まで)
大手企業をはじめ200以上のサイトが被害、国内最大規模。感染サイトへの訪問者のパソコンも感染し、個人情報が盗まれる。

3.【社会的影響】GIGAZINEなど大手ニュースサイトの広告感染(9月)
広告配信会社のサーバーを攻撃し、ネット広告を通じ感染拡大を狙う。偽ウイルス対策ソフトを購入させ、個人情報をも盗む手口。
 
4.【犯罪】金銭獲得を目的としたロマンシング詐欺犯の逮捕(5月)
ファイル共有ネットワークにマルウェアを仕掛け、金銭をだまし取る。ウイルスを利用した金銭横領詐欺での摘発として、国内初となる。

5.【犯罪】イカタコウイルス作者の(再)逮捕(8月)
「著作権侵害」でかつて逮捕されたことのあるマルウェア作者が、今度はオリジナルイラストと使うも「器物破損罪」で2度目の逮捕。

6.【犯罪】オンラインゲームのパスワード窃盗ウイルス犯の逮捕(11月)
マルウェアを仕込んだサイトにゲーマーを呼び込み、ID/PWを窃取、アイテムをRMT転売で利益も、不正アクセス禁止法違反で逮捕。

7.【海外】巨大ボットネット犯ブレードラボの逮捕(オランダ、10月)
悪質なボットネットを構築していた主犯が産官協力により逮捕。警察も同じ仕組みを使い感染ユーザーに警告も、手法に課題を残す。

8.【海外】スタクスネットによるサイバーテロ(イラン、11月)
4つのMSの脆弱性を悪用した高度なマルウェアを使用した集中攻撃、狙いはイラン核施設、しかも後日イランのセキュリティ専門家が暗殺。

9.【海外】内部告発サイト「ウィキリークス」主宰者の逮捕(英、12月)
尖閣ビデオ流出事件と同様、世界的に機密情報のネット暴露が問われる。ジャーナリストとの連携が鍵、手法として別件逮捕(暴行容疑)は課題。

10.【世界】年間新種マルウェア発生数が200万を超える(1月~12月)
5年前=数万、2007年=10万、2008年=90万、昨年=150万。2010年は200万超、15秒に1つの新種マルウェアが活動という現実。


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ベンチマークテストで振り返る2010年のGPU

2010-12-30 19:38:46 | 日記
 2010年のGPUで、まず話題となったのが1月に米国で行われた2010 International CESで参考展示されていた“Fermi”世代のGeForceシリーズだったが、実際に製品として登場するのは、季節が春に移ろうとする時期だった。
【拡大画像や他のベンチマークテスト紹介画像】
 “イマイタ”レビューで2010年の最初に登場したGPUは、2009年に多くのユーザーから支持されたAMDのRadeon HD 5000シリーズで1万円台モデルとなる「Radeon HD 5670」だ。

 1スロット厚のクーラーユニットと補助電源コネクタを持たないリファレンスデザインから、小型PCでの利用で期待されたGPUで、1万円台のモデルでもDirectX 11に対応することが訴求された。

 ベンチマークテストの結果では、Radeon HD 5750とRadeon HD 5670、そして、Radeon HD 4670のちょうど中間という結果になり、競合するGeForce GT 240と比べて1割程度上回るスコアを出していた。

 続いて登場したのが、Radeon HD 5670のさらに下位モデルとなる「Radeon HD 5570」だ。動作クロックも内蔵するStreaming Processerの数もRadeon HD 5670の“約7割”に抑え、価格を下げるためにグラフィックスメモリもGDDRではなくDDR3を採用するバリューモデルで、ベンチマークテストの結果も、そのまま「対Radeon HD 5670の7割」に落ち着いている。

●ようやく登場した“Fermi”は戦車から狙撃手まで

 年初めに話題となった“Fermi”世代のGeForceシリーズは、3月の末になってようやく「GeForce GTX 480」が登場した。内蔵するCUDAコアは480基にとどまったが、GeForceシリーズで初めてDirectX 11に対応したほか、GPUコンピューティング開発環境「CUDA」に最適化された新しいアーキテクチャが、ゲームを動かした環境でどれだけの性能を発揮するのかなど、ベンチマークテストの結果が気になるGPUでもあった。

 3DMark系ベンチマークテストやゲームタイトルを用いた性能検証で、GeForce GTX 480はRadeon HD 5870を上回り、それまでNVIDIAのGPUで最上位モデルだったGeForce GTX 285にも大きく差をつけた。ただし、それだけに消費電力も突出し、2枚構成のSLI環境においてシステム全体の消費電力は測定ピーク時で677ワットを記録した。

●そして「みんなのFermi」が急速展開

 最上位モデルとして登場したGeForce GTX 480は、搭載グラフィックスカードの実売価格が6万円前後と、競合のRadeon HD 5870の4万円程度と比べて高く、消費電力と発熱の高さとあわせて、パワーユーザー以外には扱いが難しいところもあった。この問題、特に価格のハードルを下げるべく、実売価格を2万円台に抑えた「GeForce GTX 460」が7月に登場した。

 内蔵するCUDAコアは336基、動作クロックはコアクロック675MHz、シェーダクロック1350MHz、グラフィックスメモリクロック900MHzと、その仕様がGeForce GTX 480、同GTX 470、そして旧世代のGeForce GTX 465と比べて、微妙な関係にあったほか(CUDAコアの数やメモリバス幅は少ないが動作クロックは速い)、搭載するグラフィックスメモリの容量によって、グラフィックスメモリのバス幅が256ビット(GDDR5を1Gバイト搭載するモデル)と192ビット(GDDR5を768Mバイト搭載するモデル)と分かれていた。このことが、性能のどのような影響を与えるのか、といったことのほかにも、NVIDIA自らが訴求する「オーバークロック耐性の高さ」がそこまで事実なのかをイマイタレビューでは検証している。

 その結果は、定格動作においてGeForce GTX 465やRadeon HD 5850に及ばないものの、オーバークロック 設定では、コアクロック800MHzでも安定して動作し、そのスコアはGeForce GTX 465もRadeon HD 5850も上回るものだった。イマイタレビューでは、「程良い価格で十分なパフォーマンスを持つGeForce GTX 460は、ベストセラーになったGeForce 9800 GTの再来を予感させる」と評価した。

●あっという間に1万円台のFermiが

 市場に登場するまでは時間がかかった“Fermi世代”のGeForceだが、GeForce GTX 460がリリースされた2カ月後には“1万円台”のGeForce GTS 450が投入された。このモデルでもオーバークロック耐性の高さが訴求されており、イマイタレビューでは、MSIのオーバークロックモデル「N450GTS CYCLONE 1GD5/OC」で性能検証を行っている。MSI独自の大型クーラーユニット「CYCLONE」を採用したモデルで、コアクロック850MHz、グラフィックスメモリクロック1000MHzに設定されていた。

 測定結果において、DirectX 10まで対応するベンチマークテストでは、特に高解像度高負荷条件で競合とされるRadeon HD 5770、同 HD 5750を下回るものの、DirectX 11に対応するベンチマークテストやゲームタイトルでは、Radeon HD 5750を確実に上回り、種類によってはオーバークロック設定でRadeon HD 5770も超える場面も見られた。

●ハイエンドの“下位モデル”から登場した「Radeon HD 6000」シリーズ

 10月に、AMDが“次世代”のGPUとして「Radeon HD 6800」シリーズを発表した。次世代とはいうものの、アーキテクチャは従来のRadeon HD 5000シリーズをほぼ継承して、プロセスルールも40ナノメートルのまま。しかし、Stream Processorの数を減らしてダイ面積を減らし、その代わりに動作クロックを引き上げることで、価格の抑制とパフォーマンスの維持の実現を目指した。新しい方針に基づいてデザインされたという意味では「新世代」のGPUともいえる。

 また、Radeon HDにおけるラインアップ構成の見直しもRadeon HD 6800シリーズから導入され、800番台という型番ながらそれまでのハイエンドシリーズではなく、ミドルレンジという位置付けに変更された。

 Stream Processorを減らし動作クロックをアップしたRadeon HD 6800シリーズで測定したベンチマークテストの結果は、Radeon HD 6870で“想定競合”のGeForce GTX 460を上回り、Radeon HD 6850でGeForce GTX 460と同程度となった。ただし、GeForce GTX 460は定格設定の場合で、当時数多くあったオーバークロックモデルに対しては、Radeon HD 6870が低負荷条件でなんとか上回るという状況だった。

 また、テッセレーション処理などの効率を向上させたRadeon HD 6800シリーズらしく、DirectX 11対応でテッセレーションを多用するベンチマークテストでは、ラインアップでは上位モデルになるRadeon HD 5870を上回る結果も残している。

●フルスペックのFermiじゃなくて新しいFermiです

 Radeon HD 6800シリーズが登場した直後、NVIDIAがGeForce GTX 580を発表した。CUDAコア512基を内蔵するGPUということで、ユーザー側としては「ようやくフルスペックの“Fermi”が登場したか」と思ったが、NVIDIAは「トランジスタレベルで改良を施した第2世代のFerim」と説明する。3月に登場したばかりのハイエンドモデルGeForce GTX 480の後継で、動作クロックも引き上げられている。

 基本的なアーキテクチャはGeForce GTX 480を継承するGeForce GTX 580だが、ベンチマークテストの結果はGeForce GTX 480を大きく上回るなど、確かに新世代のハイエンドGPUといえる結果を出している。そのスコアはRadeon HDシリーズのハイエンドモデルでデュアルGPU搭載のRadeon HD 5970も超えている。このようなスコアを出しながらも、消費電力はGeForce GTX 480を下回るなど、内部構成の見直しは確かに効果があったことが示された。

 GeForce GTX 580では、登場したグラフィックスカードのほとんどがリファレンスデザインに準拠した定格動作のモデルだったが、そのなかで、数少ないオーバークロックモデルとして登場したのがASUSの「ENGTX580/2DI/1536MD5」だった。ただし、そのクロックアップはコアクロックの10MHzのみで、ベンチマークテストの結果で示された違いもわずかにとどまっている。

 GeForce GTX 580登場の1カ月後には、早くも“第2世代のFermi”シリーズの下位モデルとなる「GeForce GTX 570」が投入された。内蔵するCUDAコアの数はGeForce GTX 580から減らされたもののGeForce GTX 480と同じ480基。グラフィックスメモリ関連の仕様はGeForce GTX 470相当だが、動作クロックの設定はGeForce GTX 480を超えている。この動作クロックの設定が効いたのか、ベンチマークテストの結果は、3DMark Vantage、DirectX 11対応のゲームタイトルでGeForce GXT 480と互角、一部では上回る値を出している。

●2010年の最後はRadeon HD 6000シリーズの最上位モデル

 Radeon HD 6000シリーズの登場にあわせて、AMDはラインアップのポジショニングが変更され、第1弾として登場したRadeon HD 6800シリーズは、ハイエンドクラスで最も下位に位置する「GeForce GTX 460を上回り、GeForce GTX 570とは競わない」モデルという扱いになっていた。その上位となる「GeForce GTX 570と競合する」ラインアップとして2010年の最後に登場したGPUが「Radeon HD 6900」シリーズだ。シングルGPU構成としては、AMDで最上位のモデルとなる。

 Radeon HD 6800シリーズのアーキテクチャが基本的に従来のRadeon HD 5000シリーズを受け継いでいたのに対し、Radeon HD 6900シリーズでは、ストリームコアの構成をアップデートして、ストリームプロセッシングユニットの構成に変更が加えられるなど、「実装するプロセッサの数を減らしても性能は向上させる」という目的のもとに新しいアーキテクチャが導入された。

 ただ、ベンチマークテストの結果は、Futuremark系で上位モデルのRadeon HD 6970がGeForce GTX 570に及ばず、DirectX 11対応のゲームタイトルによる測定でもテッセレーションを多用するベンチマークテストで苦戦している。

●いろいろあったが、3DMark 11が公式デビュー

 GPUの性能測定で欠かせないベンチマークテストの1つが、Futuremarkが開発する3DMarkシリーズだ。その最新版となる3DMark 11が12月にようやく公開された。GPUはDirectX 11対応が必須で、OSもWindows Vista以降に限られるなど、ハードウェア要件が一新されたが、無料のBasic EditionがPerformanceモードだけながら繰り返し測定可能となったことで、利用するユーザーの数と有効度はかなり改善された(ベンチマークテストは、ユーザーへの普及度合いと測定された結果の蓄積数も価値のうち)。

 3DMark 11では、Graphics Test 1~4とPhysics Test、Combined Testという6種類の個別テストが用意される。Graphics Testでは、海中シーンで構成された「Deep Sea」(Graphics Test 1とGraphics Test 2)、ジャングルの中にある古代遺跡で構成された「High Temple」(Graphics Test 3とGraphics Test 4)が用意され、テッセレーションやライティング、シャドウが用いられる。また、物理演算能力を評価するPhysics Testや、物理演算能力に加えて、GPUコンピューティング性能も測定できる「Combined Test」など、GPUに求められる“役割の変化”に対応したのも3DMark 11の特徴だ。

 GeForce GTX 580とRadeon HD 5870で3DMark 11を走らせて見たが、Graphics Testでは、Performanceモードで早くも30fpsを切り、Extremeモードでは、10fpsを下回って描画が「カクカク」としてしまうなどの“重さ”が確認された。

 2011年になると同時に新世代モデルが“大量に”登場するといわれているCPUと違い、GPUでは、“新世代”となるモデルは2010年のうちに一通り登場した。残るのはデュアルGPU構成の最上位モデルや、下位クラスへの派生モデルの展開になる。それとあわせて、グラフィックスカードで、オーバークロックモデルやベンダーオリジナルのクーラーユニットを搭載したモデルがどれだけ登場するのかに、まずは注目することになるだろう。【長浜和也,ITmedia】


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BD ISOのネットワーク再生もサクサク――「NMP-1000P」の実力

2010-12-30 19:38:25 | 日記
 12月10日にユニスターよりQNAPの新型ネットワークメディアプレーヤー「NMP-1000P」が発売された。NMP-1000に続く2代目の製品だが、型番は末尾にPが付いたのみでマイナーバージョンアップを思わせる採番となっている。旧型と比べて何が変わったのか、早速見ていこう。
【拡大画像や他の画像】
 ネットワークメディアプレーヤーは各社から販売されているが、海外製品と国内製品ではネットワーク上のコンテンツをどのように取得・再生するかという点で差があることが多い。例えば、国内製品がDLNAクライアントとして動作するよう設計されているのに対し、NMP-1000/NMP-1000Pを含め、海外製品の多くは内蔵ストレージを再生するメディアプレーヤーを拡張し、ネットワーク上の共有ファイルにアクセスできるようにしている、という印象だ。

 そのため、国内製品はメディアレベルでの機能が充実しており、DLNAサーバによってカテゴライズされる著作権保護機能、DTCP-IPに対応しているといった特徴がある。一方で海外製品は、ファイルシステムと同じくフォルダ/ファイルでの管理となり、DTCP-IPにも対応しないなど、よくも悪くもローレベルな対応といえる。これは逆に「余計なことをしない」という機能を求めるユーザーにとっては、このうえなく魅力的な製品と言い換えることもできるだろう。

 NMP-1000Pは、SATA HDD1基を搭載可能なNAS兼ネットワークメディアプレーヤーで、前述の通り、QNAPとしては2代目にあたる。NASキットが主力製品である同社らしく、NAS機能も充実しているのが特徴だ。前モデルのNMP-1000とは外観上の違いはほとんど見受けられないが、背面はインタフェースの統廃合による違いがある。追加されたのは外付けドライブ接続用のeSATA、廃止されたインタフェースはS-Videoと同軸デジタルオーディオだ。必ずしもレガシーなものが廃止されたというわけではなく、コンポジット出力は残っている。

 その一方で、スペックの向上は目を見張るものがあり、もはや別物といってもよいほどだ。その立役者とも言えるのがSigma Design製プロセッサ「SMP8643」だ。SMP8643は、MIPS CPUをベースとしたSoC(System On Chip)で、NMP-1000で採用されていたSMP8635と比較すると、コアがMIPS 4KEcから74Kになり、クロック数で300MHzから667MHzへと大幅に引き上げられた。性能比でもCaffeineMark3.0のスコアで460から1840の4倍に、DMIPS値で2223から5649の約2.5倍に伸びている。また、プロセッサの仕様が変更されたことで、メモリはDDR 256MバイトからDDR2 512Mバイトに倍増、内蔵フラッシュメモリは64Mバイトから256Mバイトと4倍になった。

 その結果、NASとしての基本性能が向上しているほか、負荷の高いデコード処理を楽々とこなせるようになっている。BD-VideoのISOイメージをネットワーク経由でまともに再生できるだけでなく、JavaVM(CVM)が搭載されているため、BD-Jにも対応できるのはうれしい。なお、初期状態ではブルーレイナビゲーションが字幕/音声/チャプターを簡単に変更できるシンプルメニューになっているため、BD-Jを利用するには対話型メニューに切り替える必要がある。

 音声に関しても新たに高品質DAC「WM8524」を搭載し、8~192KHzにおいて24ビット変換をサポート、106dBのSN比を実現している。対応フォーマットはロスレスのFLAC、APEをはじめPCM、WMA、MP3、Ogg、AC3/Dolby Digital、DTS、WAVに対応する。

 また、性能が向上していながらも消費電力は低減した。内蔵HDDを搭載しない場合、NMP-1000Pの操作中消費電力はわずか10ワットと、NMP-1000の待機状態の11ワットを下回っている。つまり、NMP-1000PをつけっぱなしでもNMP-1000の待機状態よりも省電力ということになる。

●ローカルドライブがなくても利用可

 NMP-1000Pの内蔵HDDのデフォルトファイルシステムはWindowsで採用されているNTFSとなっているが、EXT3やFAT32にも対応している。システムに必要なファイルは内蔵フラッシュメモリに格納されており、一部の制限を除いてディスクレスでの運用も可能だ。

 また、ファイル共有方法としては、Windowsでのファイル共有であるCIFS/SMB、LinuxをはじめUNIXで使用されているのNFSのいずれかになる。事前にリモートディスクとして登録しておくという使い方にはなるが、登録するのはファイル共有を提供しているサーバではなく、共有フォルダまでを指定する。1台のサーバに複数の共有フォルダを持たせている場合はやや面倒だが、登録できる共有フォルダの数はNMP-1000の6から30へと大幅に増加している。

 そのほか、DLNAサーバへの接続も可能だが、前述のようにDTCP-IPには対応していない。PCで録画したコピーコントロール付きのTV番組などは再生できないので注意が必要だ。

●性能は申し分なし、でも初心者は「できないこと」に注意

 このように高い性能を誇るNMP-1000Pだが、注意してもらいたいのは著作権保護機能にはほぼ対応していない、ということだ。つまり、UPnPサーバ接続時のDTCP-IPだけでなく、外付け光学ドライブでも著作権保護されたコンテンツは再生できない。結果として、市販のDVD-VideoやBD-Videoはほぼ見られないと考えたほうがよく、外付け光学ドライブを付けてBlu-ray Discプレーヤーとして利用するのはあまりに制限が多い。

 もっとも、NMP-1000Pのウリの1つである「BD ISOファイルの再生機能」に関して言えば、BD ISOファイルという時点で著作権保護されていないはずなので、これを目当てにしているユーザーにとっては特段気にすることではないだろう。

 次回はNMP-1000Pが持つもう1つの顔、NASとしての性能について見ていくことにする。


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