全試合K-1ルールで行われるキックボクシング「Krush」の2011年第1弾大会(1月9日、東京・後楽園ホール)を翌日に控えた8日、東京都内のホテルで前日計量、ならびに前日会見が開かれた。
今大会では、昨年からスタートしている各階級の初代王座決定トーナメントのうち、63キロ級が開幕。K-1MAXでも新階級として昨年創設され、今年はよりいっそう注目の高まる階級だが、それらを押しのけてメーンイベンターとして登場するのが、70キロ級日本最強の男・佐藤嘉洋だ。
「愛を知る県・愛知県から来ました」と2011年もおなじみの挨拶をした佐藤は、「ここにいる僕以外の選手は日本を相手に戦っていますが、僕は世界と戦っています。明日はそのレベルの違いを見せる試合をします」と、強い口調できっぱり。同様に今大会に出場するK-1MAX09年世界トーナメントベスト4の山本優弥と席を同じくしても、まるで“格が違う”と言わんばかりの風格を漂わせた。
対戦相手に関しても、優弥らほかの70キロファイターが日本人対決を行うのとは一線を画すように、佐藤の相手はスイスのシェムシ・ベキリ。佐藤すら「知らなかった」というくらい日本では無名の存在だが、アルバート・クラウスと同じ「チーム・スーパープロ」に所属し、WKA世界ミドル級王座をはじめ4つの世界ベルトを保持する超一線級だ。
「みなさん、こんにちは、シェムシです」と、何かコメントを言うたびに日本語で自己紹介するユニークな話術を展開させたベキリは、「佐藤がとても強いファイターというのは昔から知っているけど、自分はいつもと変わらないアグレッシブなファイトを見せたい」と、日本での初ファイトにヤル気満々。そんな世界四冠王を前に、佐藤も「試合の動画も見て、対策に抜かりはないです。シェムシ選手にとっては残念ですが、僕が完封してしまうでしょう」と、揺らぐことのない“佐藤スタイル”で2011年初白星をつかむことを予告した。
昨年のK-1MAX世界トーナメントは、決勝戦でジョルジオ・ペトロシアンに屈し準V。あと一歩届かなかった頂点を目指し、佐藤は今年、再び“世界”へと打って出る。
「上半期はほとんど海外での試合になると思います。ものすごい厳しい試合が続くと思いますが、1つ、1つ、しっかりと勝っていきたい」
佐藤が掲げる“第3章”のスタートライン。勢いをつけていざ出航するためにも、相手が世界四冠王の実力者だろうと落とせない一戦だ。
【関連記事】
1.9Krush「初代王座決定トーナメント~Round.2~」全対戦カード
ペトロシアン史上初の連覇、佐藤あと一歩届かず
出口が見えないナオキック……まさかの初戦敗退
K-1王者・大和まさかのダウン、卜部功が大金星!
佐藤嘉が名城寄せ付けず、実力通りの貫録勝ち