豊橋⇔名古屋

豊橋と名古屋の「駅」や「百貨店」の記録など。

クリスマス・エクスプレス撮影地「深津絵里」編

2012年11月26日 | クリスマス・エクスプレス

今でも毎年クリスマスが近づくと話題にのぼる、JR東海のCM「クリスマス・エクスプレス」。

1988年から1992年にかけて放送され「クリスマス=恋人と過ごす日」という風習を定着させた、CM史上最大のヒットシリーズ。
2000年には限定復活も果たしています。

シリーズを代表する第1・2作のロケ地は「名古屋駅」。
撮影が行われたホームやコンコースなどは当時とほとんど変わらず残っているので、
当時の映像と比べながら具体的な撮影ポイントを紹介して行きたいと思います。

まずは「ホームタウン・エクスプレス」の「クリスマス編」として制作された第1作。
これが予想外に大ヒットしたため、翌年からクリスマス単独の「クリスマス・エクスプレス」がスタート。


冒頭、新幹線から客が降りてくるシーンは「岐阜羽島駅」との事ですが、真相は不明。
同年に制作された「プレイバック・エクスプレス」が岐阜羽島駅で撮影されており、
これと混同されている可能性もあります。

もし名古屋駅だとしたら、ホームが左曲がりなので奥が東京方面。
そして車体が右側にあるので15番線か17番線という事になります。


新幹線から降りてくる客の中に彼の姿を探す深津絵里。

この時若干15歳。(設定では17歳)
「これから一晩男と共に過ごすような女」という事で、
派手なメイク&ちょっとワル風のスタイリングとなったそうです。
(カバンを持っていないのがやや不自然な感じもしますが…)


新幹線が発車するシーンは、名古屋駅16番線の大阪方面。
冒頭のシーンでは左曲がりだったホーム(新幹線)が、このシーンでは右曲がりとなっています。


現在の16番線。
安全柵が設置され足元がタイル張りになっていますが、柱や屋根は変わっていません。



彼の姿を見つけられず、いじける深津絵里。

Wikipediaなどネットの情報では「大部分は16番線で撮影された」とありますが、
16番線で撮影されたのは先ほどの発車シーンのみ。
ここからは全て「14番線」での撮影となります。奥が東京方面。


現在、同じ位置から。
深津絵里が立っていたのは、奥(東京方面)から数えて7本目の柱。



柱の陰からプレゼントで顔を隠した彼がムーンウォークで登場するシーンも、
同じく14番線での撮影。


現在、同じ位置から。


彼がムーンウォークで出てきたのは、一番南側(東京方面)のホーム階段を上がってすぐ、
乗車位置12号車と13号車の間の柱。


誰もいなくなったホームで、じゃれあう2人。


このCMの撮影が行われたのは、11月中旬。
新幹線の運行終了後の深夜24時頃から始まり、翌朝の5時頃までかかったそうです。

左上に時計が見えますが、このシーンは午前2時20分に撮影された事が分かります。
また、発車案内をよく見ると次の新幹線の発車時刻は7:02、7:14となっていますが、
当時の時刻表で確認したところ、これは翌朝のものを表示しているようです。


現在、同じ位置から。
場所は、先ほどのムーンウォークのシーンと同じ14番線の12~13号車間。


ホームの東側に並ぶ看板も当時と変わらず。

早川浴場④~浴室

2012年11月18日 | 国鉄名古屋駅

開業当時(1937年)の構内図。

28は早川浴場フロント。浴室があったのは36あたり。 ※36は北地下街の上を通る降車通路(現在の北通路)を表しています。


現在の北通路は3・4番線までですが、セントラルタワーズへの建て替え以前は1・2番線まで続いており、その直下に浴場がありました。


現在の1.2番ホーム階段下、桜通口改札を入ってすぐのこの開けたスペースが、かつての浴室あたり。

南に男湯(定員70~72人)、北に女湯(定員16~20人)。
それぞれ大きな浴槽が1つずつで、壁には富士山のタイル画が描かれていたそうです。


NHK「アノコロTV」から。



中京テレビ「NAGOYA-DAGAYA」から。

早川浴場③~理髪店・クリニーニング店

2012年11月13日 | 国鉄名古屋駅

開業当時(1937年)の構内図。

26…理髪店
17…トイレ
27…洋服プレス(クリーニング)
28…浴場



現在。地下コインロッカーの中ほど~奥がかつての理髪店(図-26)あたり。


理髪店。1988年(昭和63年) ※中京テレビ「NAGOYA-DAGAYA」から



さらに奥に行くと扉があります。


扉の先を進むと、かつての浴場フロント(図-28)あたり。 ※扉の先は一般人は立ち入り禁止。


かつての浴場フロント。 1980年(昭和55年)


1986年(昭和61年)



1988年(昭和63年) ※CBC映像ライブラリーから



併設のクリーニング店。 ※中京テレビ「NAGOYA-DAGAYA」から

早川浴場②~歴史

2012年11月10日 | 国鉄名古屋駅

1937年(昭和12年)の名古屋駅開業当時からあった、構内浴場の「早川」。

蒸気機関車のすすで汚れたり、夜行列車の長旅に疲れた乗客が利用していました。
1950年前後には1日1000人を超す利用客でにぎわいましたが、新幹線の開通や夜行列車の減少によりその数は1日50人にまで減少。
時代の流れには逆らえず、名古屋駅解体前の1991年(平成3年)11月に廃業。

※写真は廃業前の休業を伝える看板と浴室


「早川浴場」のさらに詳しい記録↓


【誕生期】

1937年(昭和12年)…………浴場開業。
入浴中にはプレス(衣類のシワとり)のサービスも。

また、浴場の隣には理容室を併設。


【全盛期】

1950年(昭和25年)前後……利用客が1日1000人を突破。

1953年(昭和28年)…………クリーニングサービス開始。
機関車のすすで汚れたシャツのエリも真っ白に。

また、隣接する理容室では美容(パーマ)サービスも開始。

1955年(昭和30年)…………浴場の改築。

昭和30年代の営業時間は、午前5時~午後11時。


【衰退期】

1964年(昭和39年)以降……新幹線の開通や夜行列車の減少により利用者の数は次第に減少。

それにともない、営業時間も徐々に短縮。
1973年(昭和48年)…………午前5時半~午後10時。
1980年(昭和55年)…………午前6時~午後9時半。
1986年(昭和61年)…………午前6時~午後8時。 ※入浴料はタオルセットで390円。

1991年(平成03年)…………午前7時~午後2時。

晩年の利用者数は、1日わずか50人ほど。