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発達障がい・こころのやまい

専門外ながら相談を受けることがあり、その際に読んだ本や集めた情報を書き留めました(本棚9)。

抗精神病薬使用の国際動向

2017-11-02 06:15:58 | 精神科医療
 日本は世界の他の国と比べてどうなんだろう・・・気になるところです。
 抗精神病薬の使用率及びパターンは国により著しく異なっていたそうです。
 この記事では、日本の位置は多くもなく少なくもなく中間でしょうか。
 台湾の使用率の高さと定型抗精神病薬>非定型抗精神病薬の構造が気になります。

■ 抗精神病薬使用の国際動向~16ヵ国調査
2017/11/02:ケアネット
 アイスランド・アイスランド大学のOskar Halfdanarson氏らは、抗精神病薬の使用における国際的な傾向を、標準化された方法論を用いて評価した。European neuropsychopharmacology誌2017年10月号の報告。
 世界16ヵ国より2005~14年までのデータを抽出し、反復横断調査を実施した。
 主な結果は以下のとおり。

・調査対象国16ヵ国中10ヵ国において、調査期間中の抗精神病薬使用率が増加した。
・2014年の抗精神病薬使用率は、台湾(78.2人/千人)が最も高く、コロンビア(3.2人/千人)が最も低かった。日本は、17.9人/千人であった。
・小児および青年(0~19歳)における抗精神病薬使用率は、台湾(30.8人/千人)が最も高く、リトアニア(0.5人/千人)が最も低かった。日本は、3.2人/千人であった。
・成人(20~64歳)における抗精神病薬使用率は、米国公的保険被保険者(78.9人/千人)が最も高く、コロンビア(2.8人/千人)が最も低かった。高齢者では、台湾(149.0人/千人)が最も高く、コロンビア(19.0人/千人)が最も低かった。日本は、成人22.0人/千人、高齢者19.8人/千人であった。
・非定型抗精神病薬使用は、全集団において増加しており、非定型/定型比は0.7(台湾)~6.1(ニュージーランド、オーストラリア)の範囲であった。
・クエチアピン(セロクエル®)、リスペリドン(リスパダール®)、オランザピン(ジプレキサ®)が最も頻繁に使用されていた。
・抗精神病薬の使用率およびパターンは、国により著しく異なっていた。
・大部分の集団において、抗精神病薬(とくに非定型抗精神病薬)使用は、時間とともに増加した。
・一部の国における高齢者および青年における抗精神病薬使用割合の高さについては、さらなる調査およびシステマティックな薬剤疫学的モニタリングを必要とする。

<原著論文>
Halfdanarson O, et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2017 Oct;27:1064-1076.
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